表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/34

暗躍編1


 彼を見つけたのは本当に唯の偶然だった。

 私は私の目的の為に数年前からこの隣国に通い詰めていて、その日偶々立ち寄った村で彼を見つけたのは本当に偶然の出来事だったのだ。

 見た目は大分違っていましたし、随分と荒れていましたが、昔の面影が残っていて、一目で彼と分かったものです。

 昔は彼の事は正直どうでもいい人間だと思っていたが、そうでは無かった。後になってから、強く印象に残ったのだ。何故なら、20年前に彼を切り捨て、その後私が感じた事は後悔だったからです。

 あの後、様々な人と出会い、多くの仕事をしてきて分かった事は彼は本当に優秀だった、という事だ。

 そもそも私の知識からくる、これまでに経験した事の無い、言い換えるならノウハウが無い事業を完璧にこなしていた彼は本当に優秀だったのだ。


 彼が行方知れずとなって本当に勿体ない事をしたと思った。

 前世、子供の頃に遊んでいたカードゲームを辞める際に捨ててしまい、10年後ふと見たら十万円の値段が付いていた。あの時とまったく同じ気持ちになったものだ。

 要するに部屋で1人エビ反りになり過去の自分を罵倒する、そんな感じ。


 それが、偶々見つかったのだ。箪笥の隙間から十万円が出てきたのだ!


 私は喜び勇み彼を勧誘した。勿論、事前に可能な限り彼のこれまでの経歴を調べ、絶対失敗しないように事前に店の主人に金を握らせ酒の中に私特製、感情の起伏が大きくなり冷静さを欠く薬を入れてもらい交渉に臨んだのだ。


 結果は大成功。彼を引き込む事に成功しました。

 私に対する彼の記憶は消してしまったからこれから再び信頼関係を築いていこう。そう心に決め、彼に仕事の内容と、計画の大まかな目的を話したところ


「狂っている」


 コレが彼の反応である。

 思わず手が出てしまったが、私は悪くない。


「それでは、この後は協力者と打ち合わせをして、その後アルバ王国に行き予定通り起業して下さいね。初期費用は此方で用意してありますので心配しないでください」


 そんなわけで現在、宿の私の部屋で、ボコボコにして四つん這いにした彼の背中に座って今後の打ち合わせをしているわけである。


「それは分かったが、そもそもそんな事出来るのか?いや、出来たとしてお前の目的は何だ?」


 うーむ、尻の下から声が聞こえてくるのは初めての経験だ。未知の感覚に流石の私も落ち着かない気持ちになってくる。


「おや?先程説明したはずですが?」


 そうこの計画の最終目標はさっき説明したばかりだ。


「違う、そうじゃない。この計画が成功したとして、お前個人は何を得る?お前の個人的目的を聞いているんだ‼︎」


 あぁ〜、そこですか。困りましたね〜。何と言いましょうか?

 この世界にとっては未来の話になるゲームの話は当然言えませんし、私の個人的感情も言いたく無いですしね。

 かと言って今後の事を考えると今、嘘をつくのも良くない。となると


「趣味です」


 本当の範囲でぼかしておこう。嘘は付いてない。私に答える気が無いと分かったのだろう


「分かった、それでいい。どうせ聞いても理解できない気がするしな。もう、それでいい」


 そう言って諦めてくれた。


「御理解いただけたようでなによりです。それでは、明日からよろしくお願いしますね」


 そう言って彼の尻を蹴り部屋から追い出し話を締めくくる。


「そう、趣味なんですよ」


 私以外いなくなった部屋で1人呟く。

 前世、私はゲームが趣味だった。『セラム・バーン』の様なRPGは勿論、レース物や恋愛ゲームなんかもやった。そして、戦略シミュレーションゲームもその一つだ。

 そう、戦争だ。戦争を起こそう。ここボーア公国と、ゴルビア王国と、そして我が国アルバ王国とで。


 ただし、今回は戦略シミュレーションだ。私は安全圏からゆっくりと眺めさせてもらおう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ