第7話 教室の中で
ちん毛がテルヒロに見つかってしまったぼくが5年2組の教室に入ろうとすると、テルヒロが先に着いていた。彼はクラスのダンシたちが見守る黒板に「●●●のちんぽ」と大きい字で殴り書きされた脇に描かれた大きな棒みたいなもの絵にチョークでぶつけるようを何本も書き加えながら(実際にはごく短いの)さっきよりいっそう興奮して話していた。
「●●●のちんぽ、こんなふうにもうボーボーなんだぜ、あいつオンナブのくせにエッチだな」
「本当に生えたの?」
「さっき便所でしっこしているところを見たんだから間違いない」
「すげーなー、もう生えたんだ、クラス初いや学年初のボーボーだね」
「いや、うちゅう初かもしれないぞ、ハハハ」
ぼくはその会話に耐えられなくなって、その場を立ち去ろうとすると、ぼくがそこにいることに気づいたダンシたちの視線がいっせいにぼくの方を向いた。
その瞬間、ぼくはオオカミの胸の前にいることを群れの前にいることを悟った。見回すと5年2組にはO先生も女子も誰もいなかった。悪いことに次の3時間目の授業は5年生女子全員が体育館に集められて行われる特別授業で、O先生もそちらに行っていた。つまりダンシだけの自習だった。
テルヒロの話を今まで聞いていた、同じくおきゅう部で丸刈りのキヨシがぼくを見つけた
「あっ、●●●がいるぞ!」
「オンナブのくせに、学年で一番ちん毛が生えたってな、よし、お前の名前は今日からボーボー君だ。テルだけじゃなくオレたちにもちん毛見せろよ、ボーボー君。テル、ヨシオ、ボーボー君を捕まえてこい!」
ぼくはもちろん逃げた。でも、テルヒロやヨシオのようなおきゅう部の5年生以下の丸刈りにとって、たとえ去年と今年の2度の合宿でO先生に浣腸されていても、体格もよく5年生のトップで来年の部長が確実視されていて部員以外にも何かと恐れられていたキヨシの命令は絶対だった。
どんくさいぼくは、すぐにスポーツは万能だった彼らにつかまって押さえつけられたまま5年2組の教壇の上に引きずられていった。「なにするんだよ、はなせよ」とぼくはそれでも抵抗し続けたけど、「ほら、見ろよ」とキヨシはみんなの目の前でまだ体操着のままだったぼくのズボンとパンツをまるで低学年の子がおしっこするときのようにひざまで引きずりおろし、そのまま腕力で押さえつけた。。
クラスのダンシたちがぞろぞろぼくに近づいてきた。
「本当に生えている、すげぇ!」
「ボーボーだぜ! エッチだな!」
「その毛,試しにつまませてくれ!」
それでも、ぼくは押さえ続けるおきゅう部の連中を振り払おうとして必死にもがき続けたので、教壇の段差につまづいてぼくと彼らは前のめりにズドーンという音を立てて倒れた。彼らは手を離したけど、その瞬間にぼくはうつ伏せの姿勢でズボンとパンツを足元まで引き下ろされておしりが丸見えになってしまった。
ぼくはその瞬間自分に何が起こったかはわからなかったけど、下の感覚とおきゅう部をはじめとするダンシたちのこれ以上もない大爆笑で自分が思いつく限りで一番恥ずかしい格好をしていることがわかった。
あとのことはあまりよくおぼえてないけど、ぼくはもうみんなの前でもなりふり構わないで立ち上がり大急ぎでパンツとズボンをなおしてから、その場にいられないのでまだ3時間目で終業じゃないのにO先生にも何も言わず走って家へ帰った。その途中ずっと泣いていたのだけは今でもはっきりとおぼえている。
(続く)