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メイドカフェではじまる恋はおかしいですか?  作者: こーへい
第1章 「狂い」
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メイ恋 第六話「二人の時間」

「ふあぁ...」と大きなあくびをして目を覚ました。時計の針は6時20分を示していた。田頭からゴールデンウィークに遊ぶに行くという話をされてからかなんだか目覚めが良くなっている気がする。

そんなことを考えながらカーテンの隙間から見える窓の景色を見ていた。


ゴールデンウィークまで後3日...絶望なのか喜んでいいことなのか自分自身でも迷うほどだ。

俺は学校に行く準備をして家を出た。

家をでて5分ほどたっただろうか、一人で通学していると前に見たことがあるような女子生徒が通学していた。そう田頭だ。


俺の頭には2つの選択肢が出てきた。簡単な選択肢である。「話しかけるか、話しかけない」かの単純な選択肢だ。

そんなことを考えながら歩いていると「あれ?上林君じゃないですか。知り合ってから通学の時にあうのはなんだかんだいって初めてですね」

選択肢など考えなくてもよかった。


「お、おう。そうだな」見つかってしまったというのが少し嫌だったのか焦りながら答えてしまった。

「せっかく一緒なのですから一緒に登校しましょうよ」

おれは別にいいが、お前の友達に見られたらどうするんだ?俺は思ったことを素直に言った。変な噂でもされたら俺も困るが、田頭も困るであろう。


「別にいいんじゃないんですか?普通の登校ですし。そもそも知らない人とは一緒に登校しません!!」


その言葉を聞き安心した。ふぅ...今日も言い一日を過ごせそうだ。


今日はいつもより1時間早く目覚めた。窓の外を見ると雲一つない快晴だ。

今日は田頭と遊びに行く日。予定は田頭がすべて決めているようだ。どこに行くか楽しみである。


時間も過ぎそろそろ田頭が迎えに来る。服装は大丈夫か。と細かい所を気にしているとチャイムが鳴った。

「学校ぶりだね。上林君」

あぁ。学校ぶり

そろそろ行こうか!


俺たちは最寄り駅に移動し街へと移動した。

しかし、いつ見ても凄いな...俺たちが住んでる所とは同じ所でも別世界のようだ。


今日は、どこに行くんだ?

「んー、決まってない!」

あぁ...そういえば田頭だった。田頭のこういう一面は知っている。


田頭の提案でゲームセンターに来た。

「わぁーー!!この猫ちゃん可愛い!」

ん?このぬいぐるみか。仕方ない一回やってみるか。

取れないとわかっていてもこの反応はやらないという選択肢はないだろう。


取れってしまった。クレーンゲームなどほとんどやったことないのに。隠れた才能か?

「え...嘘。すごいね!上林君」

あぁ...このぬいぐるみあげるよ。俺が持っていてもいみないし。

「本当!?ありがとう!大切にするね!」


俺たちはゲームセンターを後にし、クレープ屋さんに行った。

このような店に入ったことないな...。

俺はバナナクレープ、田頭はイチゴクレープを注文した。


「いやー、映えるね!インスタにでもあげよ」

田頭でもインスタやるんだな。意外だ

「私をなんだと思ってるの、このくらい普通でしょ笑」

そういうものなのか

「上林君はインスタやってるのよかったら交換しようよ」

あぁ...一応やってはいる。

交換してしまった。女子のフォロワーなんて、母親しかいないのに!?


俺たちはクレープ屋さんを出て歩いていた。

次はどこにいくんだ?

「本屋に行きたいかな。最高のメイドになるためにも参考になる本が欲しいからね!」

確かに田頭を最高のメイドにするためにも参考書になるものが欲しい。


やっぱり街の本屋は広い...しかしいい参考書が見つかりそうだ。

一緒に行動し、基本であるマナーに関する本や、良い笑顔を見せる方法、姿勢に関する本などを選んだ。

「せっかく街の本屋に来たことだし、好きな本買ってきてもいいか?」せっかくの機会だ。好きな漫画を買っておきたい。

「OK!また入口に集合ね!」


いい買い物をした。

やっぱり街ということもあり、欲しかった本も全て揃っていた。

さて入口に向かうか...と入り口に来たものの居ない。集合時間になってもいない。

逸れてしまったのか。この広い本屋でか。

とりあえず電話をかけてみたが出ない。仕方ないから歩いて探すか。


かれこれ30分も探したが見当たらない。

田頭が行きそうなコーナーにも行ったが見つからなかった。

どうしようか迷ったときに声が聞こえた。

「上林君!!」


田頭の声だ。

「ごめんなさい!!本に夢中になってて集合時間に遅れて入り口にもいないから。」

ううん、大丈夫。お互い探してて合わなかったのか。

電話したけど充電切れか?

「あ...探すのに集中しててみてなかった。ごめん!」


結果的に見つけることができて安心し、俺たちは駅に向かった。


しかしこの時には気づいていなかったが、本屋をでた後、後ろに二人の人影があるということを。


「今日はありがとね。楽しかった。最高のメイドになるための参考書も買えたし。大満足だよ。

また、ゴールデンウィーク後の学校でね!」


今日は思い出に残る1ページだ。なかなか無い体験に驚いている。

ゴールデンウィーク後、本格的に「最高のメイド」にさせるために指導に入ろう。

その前に中瀬に協力しないとな。


今日は深く眠れそうだ。


--------------第六話[完]--------



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