始まり
「Foooooooooo!!!」
なんかようわからん!?
わからんが、最高の気分だ!!
俺の中で何かが壊れた
頭のネジが吹っ飛んだ
細胞がざわめいている
血が沸騰している
とにかくもう最古の気分だ!!
そして、目の前には変態したクソカマキリ
『うまい』クソカマキリ
腹が減って仕方がない
餌だ
俺の空腹を満たしてくれるうまい餌
ならば喰うしかない
殺して喰らうそれ以外考えられない
くう、食う、喰う
「喰ぅわせろおぉー!!!」
飛び出した俺は右腕で思い切り殴りつけた
するとどうだ、カマキリの脚の一本がはじけ飛んだ
ついでに俺の右腕もはじけたが知ったことか
続けざまに左で殴る
盛り上がった肌色の肉がはじけた
俺の左腕もはじけた、どうでもいい
上からカマキリが大きくなった鎌で俺を背中から貫いたが気にならない
まずは殺す、そして喰らう
そのためにも俺はまた右腕で殴り、左腕で殴る
そのたびカマキリの肉がはじける
俺の腕もはじける
それが愉しくてしかたがない
以前空腹だがそれ以外の何かが満ちていく
カマキリが必死に抵抗して俺を鎌で牙で滅茶苦茶にしてくるが
それすら愉しい
夢中に夢中で殴り続けた
気づいた時にはカマキリは頭だけになっていた
それでもまだ生きている
一抱えもある大きな頭、その複眼と眼球の集合体が俺を凝視している
そこに浮かぶ色は恐怖
その目に映る俺は血で真っ赤に染まりズタボロの状態で
凄絶に嗤っていた
まだ、殺せていない
だがもう何もできないだろう
いいよな、喰い殺せばいいよな
よし、喰おう
「いただきます」
くう、食う、喰う
夢中で無言で最後の一片まで貪り尽くす
あんまりにも夢中になりすぎて自分の指まで喰ってしまったがご愛敬だ
「ごちそうさまでした」
腹が満ちて思う
俺、何してたんだっけ?
周りを見る
そこら中、血や肉片でぐっちゃグチャだ
そして、美少女発見
「そうだ、美少女を守護ろうと・・・」
恐怖に歪んだ顔で俺を見ていた
目が合うと盛大に地面を濡らした
「び、美少女に失禁するほど恐怖されている!」
何とか、何とか好感度を上げなければ!
笑顔だ、こういう時は笑顔で接するんだ!!
にっこり笑ってみた
「ひぃ!?」
悲鳴を上げて思いっきりあとずさりされた
「そ、そんな・・・ガク」
人類の宝、縞パン美少女に嫌われたショックで俺の意識はプツンと途絶えた
後で冷静になって思った
血まみれで半裸のおっさんが笑顔向けてきたらそら怖いは