8.守る術
夏休み中に更新すると言っていたのに、私の都合で休載してしまい、申し訳ありません。
不定期更新で頑張る所存ですので、これからもどうかお付き合いのほどをお願い致します。
驚愕に染めた顔で俺を、いや、俺の目を見つめるラインハルト。
これが皇帝夫妻や皇太后に知られれば、俺はまた殺されかけることになるだろう。
だが、それと同時に、彼女たちを守る盾にもなれる。
だから俺は、
「決めた。」
続きを言わないでくれ、と懇願するような顔でラインハルトがこちらを見る。
(すまんな、もう決めたんだ。)
決意の意味を込めてラインハルトを見ると、彼は顔を真っ青にしながらも呆れたような表情でうなずいた。
きっと今、胃が痛いんだろうなと思いつつ、俺はテティア妃に向き直り、膝をついた。
「テティア様、私が保護致します。 二人の姫様とテティア様は、私が住む離宮の一角でお過ごしください。 王太子派の力を持ってして、あなた方をお守り致します。」
妃は涙に濡れた顔を上げ、
「本当に?」
と言った。
俺が安心させるようにうなずくと、ホッとしたように口を開きかけ、思い出したようにサッと青ざめた。
「だ、駄目、いけないわ・・・」
「なぜですか?」
「この隊に迷惑がかかってしまう。 エトランゼに私たちが戻らなかったら、ここの人たちが罰を受けてしまう。 それだけは、絶対に駄目・・・」
そう言って、また震え始めてしまった。
クソみたいな男爵をどう料理してやろうか考えながら、俺はラインハルトの方を決して、そう、絶対に見ず、口を開いた。
「良いことかどうかは分かりませんが、一つ、この旅芸人の隊を含めた全員を守る方法があります。 ほとんど諸刃の剣ではありますが、まあ何とかしましょう。」
妃はパッと顔を上げ、すがるような目でこちらを見てきた。
・・・ついでに横から射るような視線も。
旅芸人を皇家専属にすることができれば、全員守ることができる。
ただ、理由付けが難しい。
その時、ふと妃の言葉を思い出した。
『ところで、ラインハルト君はキアラのこと、好き? 良ければ貰ってほしいのだけれど』
妃はそう言っていたではないか!
そうと決まれば話は早い。
「ラインハルト、まずは姫殿下たちの保護が先だ。」
「ああ、で?どうするんだ?」
「ラインハルト。」
「ん?」
「これも彼女たちのためだ。」
「うん?」
「犠牲になってくれ。」
「ああ、お前が言うのなら何でも・・・って、んなわけあるかボケェ!! なぁんで俺が犠牲にならないといけないんですかねぇ、えぇ!? そもそも何の犠牲だよっ!!」
一瞬の躊躇いもなく堂々と言い切ったが、自分が聞いて発言したことに違和感を持ったのだろう、途中でキレていた。
「うわビックリした、いきなり大声を出すな。」
「誰のせいじゃ思ってんねん、カス!!」
「皇太子に対して目に余る無礼・・・不敬だぞ。」
「ミンチにしてやろうか!?」
「あーあー分かった分かった、脱線するな。」
「だーれーのーせーいーだーとー!!」
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