表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/21

2.アメリア視点

週一投稿になります(-_-;)すいません!



私はエトランゼ王国出身の踊り子。


母と双子の妹と共に、ある旅芸人の隊で私は踊り子、妹は楽師、母は料理人として働いている。


父は誰だかわからない。


母は、父や私たちが生まれる前の話をしたがらず、聞いても曖昧に微笑むだけで何も言わない。


でも、私たちは幸せだった。


父がなくとも兄や姉、弟妹のような存在の子がいたから。



ある日、わたしたちは隣国であるジルディアス帝国の建国祭に参加した。


この国は最近皇帝が変わったばかりの国で、これが今の皇帝になって初めての建国祭だった。


だからかとても盛大で、王都に入った時は柄にもなくはしゃいでしまった。



公演の準備をしていると、買い出しに行っていた妹たちが帰ってきた。



「おかえり」


「・・・ただいまぁ・・・」



妹に声をかけると、妹はどこか夢見心地のほわほわした顔で返してきた。


行った先で何かあったのかと思い、ほかの仲間に顔を向けると遠くのほうを見てため息をついていた。



「何かあったの?」


「・・・いや、聞かないほうがいい」


「?」



とりあえず何かあったことは間違いないので、妹のキアラに聞くことにした。



「キアラ、どうしたの?」


「さっきね、変な男たちにかどわかされかけたの。その時に助けてくれた人がいたんだけど、その人がすごくかっこよくて」


「へ、へぇ・・・」


「騎士様っぽい人だったんだけど、すごく優しくて強かったの」



(拝啓、神様・・・ナイスタイミングッジョブです・・・っ!)



というのも、キアラはエトランゼ王国の好色ドスケベ色狂い(クソ野郎)男爵に美貌と楽師としての腕を見初められ、建国祭の後28番目の妾として嫁ぐ予定だったのだ。


この男爵も見目が良ければいいのに、小太りでハゲかけた頭の、脂ギットギトの中年だから、大分キアラも嫌がった。


もちろん私や母、仲間たちも反対したのだが、脅されて何も言えなかった。


でも、これで少しは状況が改善されるかもしれない。



「良かったわね、キアラ。その人の心を掴めば、あなたはヤツのところに行かなくて済むのよ。頑張って!」


「うん!」



嬉しそうに応えた後、あっと表情を曇らせ、



「でも、そしたらアメリアが行かないといけなくなる・・・」



と、つぶやいた。なんて優しい子なんだろう、こんな優しい子なら嫁の貰い手などいくらでもあるだろう。


何としてもこの子だけは守らなければ。


でも、そうだったわね。


忘れていたわ、キアラがダメなら私を、私がダメなら母を、という話だったのだ。



(まぁ、何とかなるだろう)



と思っていると夕飯の鐘が鳴った。



「わ、もうこんな時間!今日は公演なんだから、その顔、何とかしなさいよ」


「え、そんなひどい顔してる?」


「頬がゆるみすぎ」



母のところに向かいながら話すアメリアの頭には、もう公演のことしかなかった。




それから数時間後、私は舞台に立っていた。


全体的に透けた薄い生地をまとい、かがり火をたいた広場の台の真ん中で演奏の始まりを待つ。


その時ふと、一人の男が目に入った。


王侯貴族のような立ち居振る舞いをしているのに、貴族にしては粗末な見た目をしている男。


麗しい顔に寂しげな、それでいて悲しげな表情を浮かべた人。


たくさんの人々の中で、やけに目についていた。


でも、音楽が始まったので目をそらし、いつもの慣れ親しんだ曲を踊りだした。



いつもありがとうございます!

ブクマと応援、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ