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18.皇太子と従者による茶番

タイヘンモウシワケアリマセンデシタ、『王太子』デハナク『皇太子』デシタネ。

帝国ノ皇帝ノ跡取りナンデスカラ・・・・・




王宮の奥まった部分に皇太子の部屋はある。


そこに至るまでには、高度な結界が幾重にも張り巡らされているため、不審者はもちろん、皇太子の許可がない者や、素姓が分からない者は入ることができない仕組みになっている。


ちなみにラインハルトぐらいになると、結界についている非常口を探し出してそこを通ってきてしまうので、セオドアは頭を抱えている。


なぜなら、結界を通ることによって自分の部下の健康状態、安全性を確認しているからだ。


出勤と退勤の時間になると、セオドアは結界に神経を集中させて魔力の検知、精神状態を確認する。


最近はなくなってきたが、以前からたびたび部下に暗示がかけられていたり、精神操作をされていることがあったので、こうやって警戒しているのだ。


そして、今日も一人分の魔力が感知できなかった。




コンコンココンコン



「雪だるまは作れないぞ、この時期は。」


「歌う前に言うなよ。」



予想通り、感知できなかったバカが来た。



「こんのバカが! いつもちゃんと結界を通って来いって言ってるだろうが!」


「いや、だってさ、結界って通るときに体貫通する感触があるじゃん? あれが嫌なんだよ。」


「我が儘言うな。 ・・・で、どうした?」


「ん?」


「何か用があるから、わざわざ朝食直後の、きちょ~うな俺の休憩時間に来たんじゃないのか?」


「おいこいつガチで言ってんのか? 毎日姫の様子見に言ってるのに貴重だと? (貴重なお時間取ってすいません。)」


「おい、言わなきゃいけない言葉と心の声が反対になってるぞ。」



コイツほど俺に向かって、こんな失礼なことを言える奴はいない。


ホントにコイツはバカなのか、それとも自殺願望があるのか。


どちらにしろ、俺ではなく兄が主人だったら、間違いなく数日後には死んでいただろう。



「それで、用はなんだ?」


「用がなかったら来ちゃいけないのか?w」



(コイツ、あの時の会話を聞いていやがったな。)



思い出されるアメリアとの会話。


見ると朝議までには時間があったので、少しだけラインハルトに乗ってやることにした。



「えー、セオディナ、ライがいないとさみしいから、毎日来てほしいな♡(裏声)」



その瞬間、ラインハルトはその端正な顔を歪めて、下賤なものでも見るような顔で、吐き捨てるように言った。



「え、キモ。」


「ふざけんな、お前に乗ったんだよ。」


「へーへーどーも。 それで本題なんだけどさ。」


「やっとか。」


「ああ、テティア妃がお前に面会したいんだとよ。」


「面会?」



何か気に障るようなことをしただろうか。


いや、特にはやってないはずだ。


なら、何だ?


彼女が何かを言ってくるとしたら、姫君たちのことだけだが・・・



「何でも、アメリア嬢とキアラ嬢のことらしいぞ。」


「それは最優先事項だな。 何を犠牲にしても最優先だ。」


「最優先なんだな・・・」


「当り前じゃないか、テティア妃との面会だぞ? しかも、アメリア嬢とキアラ嬢のことでだ。」



するとラインハルトは、若干のジト目をしながらこう問いかけてきた。



「では、その間の公務はどうするんですかね、セオドア君?」


「・・・・・・」


「セ・オ・ド・ア・君?」



だから俺はいつもの苛立ちを全てぶつけるように、爽やかに言った。



「ラインハルト君、君を信じているよ☆」



パチン パッ



「・・・・・ふっざけんじゃねぇえ!!!!!」



爽やかな朝の王宮に、ラインハルトの怒号が美しく響き渡った。




いつもありがとうございます!

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