17.焦燥と違和感
今回はちょっと・・・いや、大分短めです。
ーーーその夜のこと
アメリアとキアラは、母であるテティアの部屋を訪れていた。
この離宮はとても広く、部屋数がたくさんあるので、彼ら旅芸人一人一人に部屋が与えられているのだった。
ちなみに、2階が男性陣、3階が女性陣の部屋となっている。
その中でも一番広く、安全な部屋がテティアに与えられ、テティアの部屋には及ばないがそれでも広く、安全な部屋がアメリアとキアラに与えられた。
そして、この事実に気付いているのはテティアだけだったりもする。
「お母様~!」
「あら、アメリアにキアラ。 どうしたの?」
「明後日ね、属性判定の儀をやるんだってー!!」
「殿下が機会を下さったの。」
「え!? ぞ、属性判定って言ったの!?」
「え?」
「で、殿下は、本当に属性判定って、言ったの?」
「? うん。」
属性判定の儀という言葉を聞いた瞬間、お母様が動きを止めて目を見開いた。
ありえない単語を聞いたかのように戸惑い、焦り、そして何かに恐怖している。
「で、殿下が・・・そう・・・」
「お母様?」
「どうしたの?」
「いいえ、いいえ・・・何でもないのよ。」
「・・・?」
「?????」
お母様は口を開けては閉じてを繰り返して何かを言葉にしようとしているが、一つも音となることはなく、微かな吐息だけが漏れている。
何かを逡巡するように、娘の私から見ても美しい顔をしかめて考え込んでいる。
そして、母は何かを恐れるように、何かを迷うように瞳を揺らしながら口を開いた。
「もし・・・もしもこの先、あなたたちの魔力属性が、あなたたちの進む道の障害になったら・・・」
「障害・・・?」
「どういうこと?」
「ごめんなさい、何でもないわ。 ちょっと疲れているみたい。 もう寝るわね、おやすみ。」
「「おやすみなさい・・・」」
顔色を悪くしたままぎこちなく笑って、寝室へ入っていったお母様を見送りながら、私たちは顔を見合わせた。
「お母様、どうしたんだろうね? 顔色悪かったけど・・・」
「そうね。 それに、魔力属性が私たちの進む道の障害になったら、ってどういうことなんだろう?」
「将来の話かなぁ?」
「うーん・・・考えてもしょうがないから、私たちももう寝ようか。」
「うん、そうだね。おやすみ。」
「おやすみ。」
私たち二人は、何か釈然としない思いと、言いようのない違和感を抱えながら、それぞれの部屋で眠りについた。
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