王子とルミナの策略2
「……あ、あのっ! 国境が、国境が突破された模様でありますっ!」
使用人は王子とルミナに大慌てで伝えた。
王子とルミナは驚き、目を丸くする。
「国境は兵士に監視させていたはずだぞ!? なぜ突破される!?」
「まさか……兵士にもあちらの味方がいるのかしら……?」
「そんなわけあるか! もしそうだったらタダじゃ置かん!」
怪訝そうな顔をするルミナと、激昂する王子。
「だいたい、どんなザル警備をしたら国境を突破されるんだ!?」
王子は使用人に詰め寄る。
使用人はその剣幕に震えながら答える。
「そ、それが……なにやら煙幕を使われたようで……視界を奪われている隙に、脱走者と見られる人影が通り抜けていったと……」
「煙幕だと!? 小賢しい真似を……っ!」
「ですが、兵士なら煙幕を使われたからといって対応できないわけでもありませんでしょう?」
「全くだ! それくらいのことでなぜ突破される!」
「わ、私めに言われましても……」
王子は苛立ちを隠しもせずに使用人へぶつけていた。
腕組みをし、舌打ちをし、落ち着きの無い様子で使用人を睨みつける。
「……さっさと捕まえに行ってこい! 国の周辺も徹底的に探し出せ!」
「は、はいっ……!」
使用人は王子に凄まれて、逃げるように去っていった。
「あの無能どもめ!」
「兵士を責めるのは良くないですわ。あの女ですもの……姑息な手などいくらでも思いつきます」
「ルミナ……お前は兵士にも優しいのだな」
「いいえ。そんなことありませんよ」
王子はルミナを見て、愛しそうに目を細める。
「ところで、王子様」
ルミナは王子の近くに寄ると、耳元でなにやら囁いた。
王子はルミナの言葉を聞いて、唇を歪ませた。




