第14話
「出来ました!
前回の戦闘を鑑み、
シュタイガーンバオアーのレーザーバトルアックスを、
レーザーを纏わせた状態と、
元のレーザーを纏わせてない、
ただの鈍器状態に、
切り替えて使える様に改良しました!」
と、マカロニさんが、作業を終え、
Gデッキ内での戦闘待機で、
オイラが乗るシュタイガーンバオアーに、
戦闘前に何とか間に合わせて、
キャリアーで持って来てくれた。
「ありがとうっス! マカロニさん!」
と、感激を伝えるオイラに。
「けど、さっきの話、本当にするんか?
ロクスリー君?」
と、聞いてくるミケさん。
「ええ。
オイラ…これも逃げなのかもしれないっスし、
ただの欺瞞だって…シュメルなら笑うかもしれない…。
でも…オイラ…もう…できるだけ…殺したくない…。
だから…もう…ラストシューティングは…、
『もっと見える』状態で、先の先まで『見える』、
CAPASのフルドライブ状態の時しか…、
使わない様に…普段は封印しようと思うっス…。」
と、せっかくのオイラの、
最大の必殺技だったラストシューティングを、
封印する発言をするオイラ…。
『それがマスターの御判断ならば…、
私は何も言いません…。
そのお気持ち…、
私は分かるつもりです…!』
と、頷いてくれる38。
「まぁ。オレも気持ちは分かるぜ、兄弟。」
と、ケビンさんが慰め、
「無理に使えって言う方が無責任だしね。」
と、ライさんも賛同してくれ、
「まあ、ダイジョブ、ジョブ!
ロクスリー君の必殺技が、
ホントに中々、使えない、必殺技になっちゃうけど、
使えるとこまで、
この世界のヒロインのユリンちゃんも、
力を貸しちゃうワケだから、
ド~ンと大船に乗ってよ!」
と、相変わらずの不動の自信の中にも、
温かい言葉を掛けてくれるユリンさん。
「38…! 皆さん…! ありがとうっス…!」
無茶な願いを聞いてくれる、38と皆さんに、
感謝の言葉しか出ないオイラ…。
「ま、良いと思うぜ?
オマエもヒーロー目指すなら、
ピンチの時に活躍してこそ、
真のヒーローだしな!」
と、ガンツさんも言い、
「このバカ!
もう少しオマエは、
他人への気遣いってのができねぇのか⁉」
と、憤るシャルさんと、
「バカは狭い見解しか持てんからな。
まあ、それで、
いつも引っ掻き回される私たちは、
とんだ災難だがな。」
と、相変わらずの、
クールビューティーのマリーさんと、
「まあまあ。
ガンツはガンツなりに、これで、
ロクスリー君を勇気付けようとしたんだから、
これは、これで良いじゃない。」
と、相変わらず、
サラっと纏めてくれるルイリーさん。
そう、セイントフォースの皆さんも、
今回の作戦では、
ここ、ソルファージュに待機しているんスよ。
KDのある研究施設…。
そこへの、研究施設の破壊と、
できればのKDの鹵獲。
それを成す為に、
新統合の演習部隊を狙った奇襲をした事で、
レジスタンスは演習部隊をメインで狙うと思わせる、前々回の戦い、
更に、新統合の大規模演習地点に、
ガンツさんたち、コーダのKG含めた、
オイラたちの10機のKGで攻め入り、
その間、
カルナダとコーダのFG部隊が補給部隊を叩き、
そちらが本命と思わせ、KG部隊を陽動に使った、
前回の戦闘によって、
今回の、
このKG部隊とFG部隊の布陣を、
前回と逆の立場にする事で、
相手の動揺を誘い、判断ミスで、
今回のKD研究所の、
防衛が遅れるようにする、
という、
これまでの戦いの布石を活用する、
一連の、凄まじく考えつくされたカルマさんの作戦の為、
今回、
カルナダと、コーダの、母艦の戦艦空母には、
FG部隊を率いて、
同時刻に新統合の補給部隊を叩いて貰うので、
それぞれのレジスタンスチームの母艦が使えない為、
ライさんの百鬼丸が、
引き続き、ソルファージュに残り、
コーダのセイントフォースの皆さんの、
KGたちも、
ソルファージュで待機となったんスよ。
と、そこで、
「リーダー、目標地点に到達。
KG各機、出撃して下さい。」
「よし!
今回は、相手は演習装備やない!
やから、ライの百鬼丸の広範囲バレットジャマーも、
効きはするやろうけど、前回ほど効力は無いやろう。
やから、まずは、足の速い、うちとケビンで突入する。
次の陣で、ロクスリー君とライ。
それにセイントフォースの、みんな。
更に、前回と同じで、後方支援は、
ユリンと、マカロニにやって貰う!
ゲンブは、重そうやけど、
セイントフォースは、いざとなったら、
カイザードラグーンに、直ぐに合体できる様、
4体揃っとくのがええと思う。
やから、安生、ロクスリー君やライと一緒に、
中衛は任せた!
みんな! 頼んだで!」
と、ミケさんが号令を上げ、
『ハイ!』
と、みんなが声を上げる!
その頃…。
「へッ! 待ってろよ!
新統合の最新鋭機っぽい機体が作られてるって噂の研究所!」
戦災孤児で、
ソロのTSとして各所の町や村で、
トレジャーを盗んで売って生きて来た、
レフィル=ガーランドは、
今までの小さな稼ぎの仕事をうっちゃって、
一発、大きな仕事をしようと、
新統合の研究施設に、
新統合の最新鋭機という極上のトレジャーを盗まんと、
潜入しようとしていた。
髪は黒で、パーマで動きを付け、
髪の毛先を削いで不揃いにし、
自然な感じに纏めた、
カジュアルシャギー。
黒のパンツ。白のクロース。
赤と黒のツートンのパーカーを着ている、
見た目だけで見ると、
かなり年齢が幼く見え、ローティーンくらい。
その上で、非常にボーイッシュな姿をしている、その子。
「今までの、ショボい下済み生活とは、これでオサラバよ!
今日こそ、オレは、一発、当ててやるぜ!」
意気込みは良し。
だが、ただのしがないソロのTSに、
この新統合の最新鋭の、KD研究所が、
破られるはずは無かった…。
…はずだった…。
「ビィー! ビィー! ビィー! ビィー!」
本来、厳重であるはずの最新鋭機研究施設…。
「ヤベ…ッ‼」
レフィルが侵入しようとした時にアラートが鳴り響き、
ヤバい、バレたかッ⁉と思ったレフィルを尻目に、
レジスタンスたちが攻めて来たという、
慌てふためいた新統合軍人たちの慌て声が聞こえ、
常駐のSG部隊が出撃して行った…。
「な…何だ? どっか行った…?
でも、今、出たのに、噂のっぽいの機体は無かったか?
まあ、良いや! 新統合の兵隊が出払ったのなら!」
その中に目新しい本命機体が無い事を認めてから、
アラートという森の中に、
ソロTSのレフィルという木は、
まんまと紛れ込んだ。
目的地は研究施設最上階。
風の噂で最新鋭機があると聞いた場所。
アラートという飛びきりの異常の中では、
レフィルという小さな異常は全く目立たなかった。
難なく目的地に着くレフィル。
目的地の中央には小さな箱が一つ。
ここには最新鋭機があったのでは無かったのか?
と、レフィルは疑問に思ったが、
せっかくの飛びきりの暴挙が無駄になるよりは、
と、期待せず箱を開けた。
中には右利き用の腕輪が一つ。
なんぞこれ?と思いつつも、
一応は腕にはめてみるレフィル。
そして、付けた腕輪が外れない事に気付く。
と、そこで…⁉
「誰だ…⁉ レジスタンスか…⁉」
誰かが、この階に侵入して来た…⁉
「あ…ッ!」
そこに至って、レフィルは、
その腕輪の本来の持ち主になるはずだった人物と、
出くわしてしまう。
「貴様! その腕輪を、どうするつもりだ⁉
フェアシュテルケンを奪うつもりか⁉
このカイト=フェルミスの前で…、
よくも抜け抜けと…‼」
と、カイトと名乗った人物が、
いきなりレフィルに右拳を振り抜く⁉
「あ…あぅ…ッ⁉」
突然の暴行に悲鳴も出ないレフィルに!
「貴様! 貴様! 貴様!
その腕輪を私が装着する前に‼
何とか外せたとしても!
無駄な手術などをして外さねばならなくし!
私がフェアシュテルケンを扱えるようになるのが!
これ以上、伸びる様に、良くもしたな…‼」
と、更に左拳、右拳、と、
レフィルをボコボコにするカイト…⁉
レフィルからしたらオジさんと呼ばれる歳で、
仮にバーダックなどから見れば青年と思えるカイトが、
「私は、今回完成した、
そのドールコントローラーを、
直ぐに装着できるはずが!
フェアシュテルケンを、
直ぐに扱えるはずだったのに!
安全の為などと、
わざわざ長期の精密検査を、
ここまで受け続けたせいで、
フェアシュテルケンを扱うのが遅れているというのに!
貴様などのせいで! 更に!
この! この! この!」
と、更に凄い形相で、
怒声を発し、レフィルに襲ってくる⁉
「あぅ…⁉ あぁぁぁ…‼ た…助けてくれ…‼
だ…誰でも良い…‼ 誰か…‼ 誰か助けてくれ…ッ‼」
そう、レフィルが、
たまたま、
装着した右腕の腕輪に向かって、
話しかける様に叫んだ時だった…‼
そこで、巨大な機影が、
レフィルとカイトの居る360度を壁に囲まれた最上階を、
露天風呂の様な見晴らしの良い場所に変えた…ッ⁉
「な…ッ⁉」
その時の衝撃で、
レフィルを組み伏せようとしていたカイトは放され、
「うわッ⁉ 何だッ⁉ 怖ぇぇよ…ッ‼ どっか行けよ…ッ⁉」
と、レフィルが、
恐怖に引きつりながら言った!
すると、その巨大な機影が、
その場から離れようと動く…ッ⁉
あれ?
もしかして、コイツ、
オレの言う事を聞いているんじゃないかッ!?
と、レフィルは気付き、
右腕に付けた腕輪の真の価値に気付く…ッ‼
そして、腕輪に、
「オレを手に乗せてここから逃げろ!」
と、叫ぶレフィル…ッ‼
カイトが抑え込もうとするのを、
巨大な機影の手が阻み、
レフィルは、その巨大な手に乗り、
その機体と共に施設から、まんまと離れる…ッ‼
それを見届けて、
レフィルの口元はニンマリという表現が、
丁度合うように、
極上の笑顔を見せた…!
「オマエ、
名前なにかあるのかしらないけど、
面倒くさいからロボで決定!
これから、
オマエの事はロボって呼ぶから学習しろ!
あと、オレをボコったソイツを、
この施設ごとぶっ飛ばせ!
ただし、施設には当てて良いが、
ソイツには、いきなりは当てるな!
しばらく当てず、ギリギリで掠らせろ!
そして、オレが、
さっき喰らった様な、
じわじわ甚振られる怖さってのを、
存分に、ソイツにも味合わせろ!」
と、レフィルが、命名「ロボ」に命じる…ッ⁉
「了解しました。
主壮者。
KD試作1号機フェアシュテルケン。
これより、主壮者の命により、
自身の呼称をロボに変更。
これより主壮者から命じられた、
敵への攻撃および、目標地点の破壊を実行します。」
と、腕輪を経由してロボが言い、
これにより、レフィル=ガーランドとロボは、
晴れて新統合のブラックリストの仲間入りをする事となった…。
その頃…研究所周辺で…。
既に、研究所周辺に、
KG部隊を展開しつつも、
「クッ…!
流石に最新鋭の研究所!
FG部隊の陽動で、
他の場所からの増援は無いみたいやけど、
一般装備のダギナスだけやのうて、
強襲用も、ようさんおる!」
と、一般装備30機ほど、
それに混じって、強襲用が20機ほど、
一施設の警備にしては、
べら棒な数の、
SG部隊が配備されており、
多少、攻めあぐねる、ミケさんたち!
「姐さん!
コイツらの固さは、相当だ!
一般装備でも結構なのに、
強襲用は、かなりヒデェ!
それが、この数!
ここは、
ガンスリンガーパレードで一気に行きましょうや!
どうせ研究所は攻めるんですし、ガツンと一発!」
と、あの超攻撃、
合体攻撃ガンスリンガーパレードの、
許可を求めるケビンさんだが、
「あかん!
確かに今回の一番の目的は研究所の破壊やから、
研究所への流れ弾は、本来は良さそうに思えるかもやけど、
まずは、KDを鹵獲したい。
なのに、ちゃんと見つけんうちに、
仮に流れ弾が、そのKDに当たったら、
鹵獲できても後が面倒や!
ここは、通常攻撃で数を減らす!
って事で、ケビンだけやのうて!
ロクスリー君! ライ!
セイントフォースの、みんなも!
頼りにしてるで!」
と、自身とケビンさんだけでなく、
KG部隊の中衛のオイラたちにも、
期待を掛けるミケさん!
「ええ!」
「うん!」
「おうよ!」
「ああ!」
と、オイラたちKG中衛部隊が、
口々に叫び!
「了解…です! 姐さん…!
やり方は、多少面倒になったが…!
Aトライバレル…バレット!」
と、ケビンさんのラーゼンレーヴェが、
バレット弾を発射し!
「クッ…! シールドで…!」
と、一般装備のダギナスがシールド防御するも!
「バカな…⁉」
Aトライバレルのバレットなら、
一般装備クラスでも、シールドを破砕して、左腕を持って行く!
「良いで、ケビン!
うちも気張らなな!
トライバレル! レーザーで!」
と、トライバレルのレーザーで、
一般装備ダギナス部隊に紛れてる強、
襲用ダギナスの、うち1体の、
右足膝関節部分を狙い!
「グァ! ダギナスの足が!」
と、そのダギナスが、
頽れる中!
「こっちも行くよ!」
と、百鬼丸が、コンテナミサイルを、
広範囲に、ばら撒く様に撃つ!
その超広範囲の射撃に、
「な…、
範囲は凄まじいが…⁉」
「威力が…ほぼ無い…⁉
目くらましなのか…⁉」
と、威力が、ほぼ無い事に、
逆に、慄く、新統合たち、
「この!
妙な攻撃をしおって!
こっちを油断せる謀か!
だが、こちらがやられてばかりだと思うな!」
と、一般装備の1機が、
百鬼丸にミサイルを浴びせるが!
「な…⁉」
百鬼丸の、
コンテナミサイルによって、
範囲を広げられた、
広範囲バレットジャマーの為に、
いくつかのミサイルが逸れ、
当たったミサイルも、
一発以外が、当たっても爆発しない…!
「そっちは、そうでも、こっちのミサイルは違うんだからね!」
と、ライの百鬼丸が、
こちらは普通に飛ぶミサイルで、
一般装備に応戦する!
「クッ…何なんだ…この現象は…⁉」
自身たちのは阻害されるのに、
こちらのは普通に撃たれるミサイルを撃ち込まれ、
胴体部に着弾し、一般装備が呻く中!
「ヒュー! やるじゃん! ライっての!
地味で、真のヒーローのオレみたいに、
ヒーローっぽくは、ねぇが、
結構、強ぇぇじゃん!」
と、CGモードのまま、
スザクの空中からのレーザーライフルの掃射で、
一般装備の1機の頭部を射貫くガンツさん!
「地味じゃない! 汎用性に優れているんだ!」
と、ライさんが、
右腰部から105mmマシンガンを取り出し、
強襲用の首を狙い、頭部をヘシャゲさせ、
「なァ…ッ⁉」
驚いている強襲用に、右前蹴りを食らわせよろめかせ!
そのまま、左回し蹴りで、吹き飛ばす!
「ヘッ!
バカの話じゃねぇけど!
やるじゃん、ライ!
私も続かねぇとな!」
と、シャルさんのゲンブが、
中距離、やや後衛から、
大型レーザーキャノン砲で!
「アァァァ…ッ⁉」
強襲用の胸部をゴッソリ削り取る…ッ‼
さすが、カイザードラグーンの、ほぼ本体みたいな、
中央部機体になる重量級KGだけあって、
あの強襲用の胸部をゴッソリなんて!
単品時でも、武装も、凄まじい威力!
その中、
「例え、妙な現象があろうと!
連弾を撃てば!」
と、ミサイルと、
レーザーライフルを撃つ一般装備だが!
「スマッシャーファング!」
と、マリーさんが、相変わらず、
ビャッコのスマッシャーファングの、
鋭い連撃で、
一般装備のミサイルを斬り払いつつ!
「レーザーは、セイリュウで! ね!」
と、ルイリーさんのセイリュウが、
レーザーライフルを、
両腕のレーザーシールドで相殺する!
「しゅ…守備も固い…ッ⁉」
と、戦々恐々とする、
強襲型の1機を!
「お…オイラも…! オイラだって…!」
と、バルカンとLACバレルで、
牽制し、
「クッ…!
たかが一般用のバルカンとライフルで!」
と、強襲用が、いきり立つ中!
「ミサイルもだ!」
と、ミサイルを展開し!
「そんな目くらましなど!」
と、相手がレーザーソードで斬り払う中!
「勘違いしたっスね!
ただの一般用ライフルじゃないんスよ…ッ!」
と、LACバレルの先端に、
銃剣型レーザーソードを出し、
相手の腹部に深々と刺し!
「マイナス距離射撃だ…ッ!」
と、相手の腹部の内部からの、
貫通射撃をお見舞いする…ッ!
「ば…バカな…ッ⁉」
胸部脱出装置が発動し、
脱出する、強襲用のパイロット!
『マスター! お見事です!』
と、38が労い、
「今日は、研究所の破壊が優先目的!
まだまだ! こんなもんじゃない!」
と、意気込むオイラ…ッ!
その激戦の最中…ッ!
ボカンッ! ドカンッ! ガガガンッ! ガインッ!
と、何か、オイラたちの破壊目標で、
KD鹵獲の為の潜入目標の、
KD研究施設の屋上が、
内部から崩れて壊れて行く…ッ⁉
その荒廃の中、何か、
Gの様な手足が見え…る…ッ⁉
「ああぁぁぁぁ…ッ⁉」
と、その破壊されて屋根が無くなった屋上で、
逃げ惑う1人の男の人と、
「絶対逃がすな!
けど、まだだ!
まだ、ちゃんとは当てるなよ!
そして、もっと掠らせて、
甚振ってやれ…ッ!」
と、何か、Gの左手に男の子が乗っていて、
Gに命令して、
逃げ惑う生身の男の人を、
Gで直接、
無理に掠らせる様にして、
攻撃して回ってる…ッ⁉
「了解しました。主壮者。」
と、答える、
男の子を左手に乗せたG!
「何アレ…ッ⁉」
と、オイラが驚き、
「な…なんです…⁉ 姐さん…アレ…ッ⁉」
と、ケビンさんが惑い、
「こ…これは…⁉ まさか…ッ⁉」
と、こちらも驚きながらも、
何か、心当たりがある様なミケさん…!
「リーダー…! アレって⁉」
「ええ!
あれこそ、鹵獲目標の、
KDでは…⁉」
と、ユリンさんとマカロニさんが、
この出来事の本質を見抜く様に問い!
「だな!
どうなってんだかは、良く分かんねぇけど!」
と、シャルさんが言い、
「だが、敵の敵が味方…とは限らんが…。」
と、マリーさんが言い、
「だね、上手く行ったら、あの子、
うちの仲間になってくれるかも?」
と、ルイリーさんも言い、
「良く分かんねぇけえど、
このヒーローのオレの仲間に、
アイツもなれるかもしんねぇんだな!」
と、相変わらずのガンツさん…。
「まあ…うん…。
ちょい…うちの感が正しかったら、
あの子、ちょい、アホの子かもしれん…。
とにかく、うちは、向こうに急いで向かう…!
ケビンは、うちに追随!
他のみんなも、サポート、頼むで!」
と、ミケさんが指令を出す!
『ハイ!』
と、答えるオイラたち…!
「ひ…ひぃぃぃ~~~…ッ‼」
と、逃げ惑う男の人が叫ぶ中、
「もっとだ!
もっと甚振って、
掠らせてやれ!
行け! ロボ!」
と、ロボと呼ばれた、そのGが、
更に、逃げ惑う男の人を追い掛ける!
「了解しました。主壮者。」
と、従順なロボ。
と、そこで、
「そこの君!」
と、オイラたちの善戦で、
何とか、この研究施設にたどり着いた、ミケさんが、
そのGの左手の男の子に声を掛ける!
「な…何だ…オマエ…⁉
こ…コイツの仲間か…⁉
お…オレと…やろうってのか…ッ⁉」
と、怯えつつ、
険しい表情をする、男の子!
「心配せんでええ。
キミが、とち狂って、うちらに攻撃せん限り、
うちらはキミを攻撃したりせえへん。
けど、新統合は別や。
キミが気付く気付かんに関わらず、
KDを手に入れた上に、
そこまで研究所を攻撃したキミは、
既に新統合のブラックリストに入っとるはずやからな。」
と、ミケさんが言いのに対して、
「じゃあ、オレは逃げるだけだぜ!
オレの言う通りに動く、
こんな便利な機体が手に入ったんだ!
しかも、新統合の最新鋭機だぜ!
これさえあれば怖いものなしだ!
新統合が襲ってきても、
このロボで全部撃退してやるぜッ!!」
と、何か、
見当違いな、
無茶な事を言って来る…ッ⁉
「ハァ……。
まあ、そんなとこやろうと思っとったし、
そんな短絡思考やとも思っとった。」
と、ミケさんが言い、
「キミの間違いは3つ。
1つ目。
キミはロボと呼んでいる、
そのKDを手に入れて有頂天で、
そのKDさえあれば、
何が来ても勝てると思い込んだ。
それが1つ目の間違いや。
その機体がどれだけ強くても、
新統合には勝てへん。
何故か。
例え最新鋭の機体やろうと、
どうやったって、
たった1機という事実には勝てへん。
戦いっちゅうのはな、
1機の機体だけで、
趨勢が決まる様なもんやないからや。
そして2つ目。
キミは、独力で、
ここから逃げ出せると思っとる。
それが2つめの間違いや。
キミはここから、
独力で逃げ出す事なんかできるはずがない。
何故か。
そりゃ1つ目の間違いの説明で言うた様に、
キミは1機である事実があるからや。
どれだけ強くても個体では、
群れを成す新統合の、
SG部隊の前では取り囲まれて、
とっ捕まるからや。
そして3つ目の勘違い。
キミは、うちらの仲間になるという事を、
全く考え付きもしてへん。
それが3つ目にして、
致命的で最大の間違いで、
挽回できる間違いや。
良いか、キミ。
うちらは見ての通り、
新統合に弓引くレジスタンスや。
という事は、この場でもっとも都合よく、
キミを仲間に引き入れる事ができ、
かつ、キミという個体を救う事ができる、
唯一の群れやという事や。
ここまで言えば、
真性のアホやのうたら分かるな?」
と、ミケさんが、
あまりにもこの子が心配なのか、
捲くし立てる…!
「クッソ…!
つまり、オマエらの仲間にならねぇと、
オレは破滅って事だな…ッ!」
と、言われたのに対して、
「ザッツ・ライトや。
それが分かったんやったら、うちの指揮下に入り。
そうやね、まずは、名前を聞こうか。
おっと、聞くなら名乗るのが先やな。
うちはミケ=スターライト。
TSチーム……、
故あって今は、
反新統合レジスタンスの、
トロイメンカッツェのリーダーや。」
と、ミケさんが言い、
「ゲ…ッ⁉
アヴァドンのミケかよ…ッ⁉
そりゃ悪魔みたいに頭も回るワケだ…。
オレはレフィル=ガーランド。
こう見えて、今までソロで、
TSして暮らして来た、
凄腕だぜ…ッ⁉」
とレフィル君と名乗ったこの子が言って来る!
「ほう、ソロと来たか。
思いのほか、見込みありそうやん、レフィル君。
じゃあ、まずは、
この施設をレフィル君がやった様な中途半端やのうて、
うちらと一緒に完全に研究データが残らん様になるまで壊すの手伝い!
それが済んだらうちらの母艦まで一緒に退去や!」
とミケさんが言い!
「どうせ拒否権なんてないんだろ?
やるさ! オレはまだ死にたくないからな!
ロボ! ソイツへの攻撃は、もう良い!
とにかく、ここの施設を徹底的に破壊しろッ!!」
と、ロボに命じる!
「了解しました。
主壮者。」
と、答えるロボ!
「ケビン!
KDの鹵獲も出来た!
ここは、この施設を徹底的に叩く為に、
今回こそ、ガンスリンガーパレードや!」
と、ミケさんが言い、
「アイサ! 姐さん!」
と、ケビンさんが答え、
「レフィル君、流れ弾が、ようさん飛ぶけど、
当たらん様にな!」
とミケさんが言い、
「な…テメェら! 何する気だよ…ッ⁉
ろ…ロボ! とにかく流れ弾って奴を回避しろよ…ッ⁉」
と、レフィル君が吠え、
「了解しました。
主壮者。」
と、相変わらず、
従順にロボが答える中!
タイニダンサーと、ラーゼンレーヴェが、
トライバレルと、Aトライバレルに、
レーザーをチャージし、
施設の中に入り、背中合わせになって!
『合体攻撃…ッ! ガンスリンガーパレード…ッ‼』
と、2機が背中合わせにローリングしながら、
チャージレーザーを一気に放つ!
「う…うわぁ…ッ⁉」
と、レフィル君が呻きながらも、
思いの外、素早い動作で、流れ弾を回避するロボ!
「よし!」
と、頽れ爆砕する施設を、
見渡すミケさん!
「やりましたね! 姐さん!」
と、ケビンさんが喜び、
「な…なんて範囲と威力してやがる…⁉
こ…コイツら…普通じゃねぇ…ッ⁉」
と、レフィル君が縮こまる中、
「アァァァ…‼」
「し…施設が…⁉」
「な…なんて攻撃なんだ…⁉」
と、オイラたちが足止めしていた新統合軍が、
口々に、研究所崩落に、
苦悶の声を上げる!
「姐さん!
アイツらも、ガンスリンガーパレードで、
一掃してやりますか…?」
と、ケビンさんが聞くが、
「うちらの今日の目的は、
研究所の破壊と、KDの鹵獲。
それらは、もう果たしたんや!
タイニーダンサーはともかく、
ラーゼンレーヴェは強襲型。
後衛のエンジェルシードの補給を受けるまでに、
ENがレッドゾーンになったりしたら、
後が厄介やし、今日は、このまま、帰投する!
みんな、またサポート頼む!
みんなで、ずらかるで!」
と、ミケさんが言い、
『ハイ…ッ!』
と、答える、オイラたち!
「この!
KDを奪われ、
研究所を落とされた上、おめおめ逃がすか!」
と、強襲用の1機がミサイルを展開しつつ、
アサルトレーザーライフルを放つが!
「スマッシャーファング!」
「レーザーシールドで!」
と、ビャッコとセイリュウが、
ミサイルとアサルトレーザーライフルを、
交互に防ぐ!
「もう帰らせて貰う!
邪魔するなら、それなりのダメージは覚悟して貰うよ!」
と、ライさんの百鬼丸が、
パルスレーザー砲で牽制し、
「そうそう!
ここは、このヒーローのオレの、
凱旋なんだから、
邪魔する奴は、叩かれるぜ?」
と、ガンツさんのスザクも、
空中からレーザーライフルで牽制、
「クッ…!
弾幕が厚いが、逃がすワケには!」
と、ミサイルを撃ちつつ、
一般装備ダギナスが叫ぶが、
「百鬼丸の、
広範囲バレットジャマーが効いてる中で、
ミサイルなんて、悪手なんスよ…ッ!」
と、相変わらず、
ミサイルの誘導と、炸裂が、
一部疎外され、
こちらへの被害が減る中、
シュタイガーンバオアーのLACバレルで、
一般装備を牽制するオイラ!
その中、
「よし! コイツらが、オマエたちの仲間だな!」
と、タイニーダンサーとラーゼンレーヴェと共に、
さっきのレフィル君って子が、
ロボってのの左手に乗って、
オイラたちの戦っている中衛に合流して来て、
「待たせた! さぁ! 帰還するで!」
と、ミケさんが叫ぶ!
『ハイ!』
と、オイラたちが叫び、
次々に後衛のユリンさんとマカロニさんの下に合流し、
「よ~し!
ユリンちゃん!
今日は、ここまで出番無かったけど、
最後に一発!」
と、エンジェルシードが、
Lトライバレルの、
レーザーで牽制し、
「フェストゥングも、
最後のダメ押しです!」
と、フェストゥングも、
遠距離用大型レーザーキャノンで牽制!
「よし! 帰還や!」
と、ミケさんのタイニーダンサーが、。
ソルファージュに帰還し、
オイラたちの機体も、次々に帰還する!
「艦長、KG部隊、全機、帰還しました!」
「よし、ソルファージュ! 急速後退!」
「了解! ソルファージュ、急速後退します!」
と、ソルファージュが戦線を離脱する!
「ふぅ~! 何とかなったっスね!」
と、Gデッキ内で、
シュタイガーンバオアーから降りつつ話すオイラに、
「陽動のカルナダと、コーダの、
FG部隊が、
機能してくれたみたいで、
今日は、強敵らしい強敵も、
増援も無かったしね。」
と、ライさんも、
百鬼丸から降りつつ、言う。
と、そこで、ユリンさんが、
エンジェルシードから降りつつ、
ロボの左手から地面に降りたレフィル君の前に立ち、
「ねね! リーダー!
この子が、
KDのパイロットの子なんだね⁉
さっきまで、戦闘で、
ちゃんと姿を確認できてなかったけど‼
こ…この子…ッ⁉」
と、荒い息の前動作を始め出す…⁉
「きゃぁぁ~! はぅ~ん!
この子、何て見事なショタっ子なの⁉
もう、この子と、マカロニとの素敵セッションで、
私の脳内で、アダム君とアダム君の世界が、
グロースしまくりんぐなんですけど…ッ⁉」
と、辛抱堪らん様子で、
悶え出す…⁉
「な…何だ…コイツ⁉」
と、それらの挙動に、
恐怖するレフィル君に向かって!
「もうダメ! もう凄い‼
これは堪らんですよ…ッ‼
ハァハァ…ッ‼」
と、怯え惑うレフィル君の眼前で、
息を荒げるユリンさん!
出るぞ! アレが⁉
3倍の赤い奴‼ これは間違い無く‼
出ちゃう…ッ‼
ブバッ!
ユリンさんの鼻腔から、
通常の3倍以上の勢いで、
赤い本流がレフィル君の顔面目掛けて、
噴き付けた!
「う…うわぁ…⁉
な…何だ…⁉ 何なんだ…ッ⁉」
と、いきなりの狂乱の中でレフィル君が、
大いに怯えすくむ!
「え~い!
またなるとは思っとったけど!
会う子、会う子に病気出しおって!
いい加減、オマエのお花畑な脳は治らんのかッ⁉」
いつの間にタイニーダンサーから降りてたのか、
スパコンと、相変わらず、どこから出したのか分らないハリセンで、
ユリンさんを張り倒すミケさん。
「あぅ⁉
出してない! 出してないよ⁉
花も恥らう純情乙女のユリンちゃんが、
鼻血なんて出してないよッ⁉」
相変わらず、言い繕うユリンさん。
いや、その鼻腔からの、
赤い本流が、
物語の全てを語っていますよ⁉
もう、隠し様が無いですよ⁉
それを見て、
「何なんだコイツ…⁉ どういう奴なんだ…ッ⁉」
と、当然の反応をするレフィル君。
それに、
「いやぁー……。
あー……。
まあ何が起こっとるかは…。
正直……知らん方が良いと思うわ……。
まあ……コイツの病気や思って大目に見たって……欲しいんやけどなぁ……。」
と、可哀想な生き物を見るように、
ユリンさんとレフィル君の二人を交互に見るミケさん。
「何だか良く分かんねぇけど、
確かに、ツッコむと、
ヤブ蛇を突きそうな悪寒がするから、
深く追求するのはやめとくぜ…。」
と、レフィル君が身震いしながら言う…。
「ユリンの奴…。
明るくて良い奴かと思ってたけど…。」
と、シャルさんが顔をしかめ、
「ああ…。少々、恐ろしいな…。」
と、マリーさんが蒼白になり、
「あ~。あはは~…。」
と、乾いた笑いをルイリーさんが上げる中、
「ま、このヒーローのオレの、
真の強さの恐ろしさには負けるがな!」
と、相変わらずのガンツさん。
「ま…まあ、アイツの病気は諦めてやれ。
オレらも、相当、酷い目にあったがな…。」
と、ケビンさん。
「まあ、ボクも、
出会って初日に顔面に鼻血を被らされたからね…。」
と、言いつつ、ライさんが、レフィル君にハンカチを貸し、
「ライさんの場合は、偶然ではありましたが、
それでも、うちのユリンが、すみませんね、皆さん。」
と、マカロニさんが頭を下げる。
「まあ、ユリンの病気は、とにかく、
そろそろブリッジに行って、
レフィル君の身の上話を聞かせて貰って、
今後の作戦も、カルナダやコーダから聞かんとな。
さ、行くで、みんな!」
と、ミケさんが纏め、
ユリンさんの凶行の後ながら、
何とかブリッジに向かったオイラたち。
ブリッジに上がって来た、レフィル君の、
その、拭い切れてない顔面の血の跡に、
「あ~。ユリンちゃんが、また、やっちゃったか…。」
と、リッドさんが顔をしかめ、
「ゴメンね、レフィル君、だっけ?
ユリンが、急に変な事をしたよね…?
けど、これで、この子、良い子だから、
何とか、許して上げてね?」
と、セリアさんが、
レフィル君の持ってた、
鼻血を拭き過ぎたせいでズブ濡れの、
ライさんのハンカチを見咎めて、
更に自分のハンカチをレフィル君に渡す。
「許しはしねぇが、
追及すると、更にヤバそうだから、
コイツは無視する事に決めた。
以後、寄って来んなよ、オマエ!」
と、レフィル君が、ユリンさんに釘を刺すも、
「え~! 良いじゃない~!
ユリンちゃんに、もっと、きゅんきゅんさせてよぉ~!
ユリンちゃんに任せてくれたら!
君で、どこまでも、
アダム君とアダム君のヘブンを構築しちゃうからさぁ!」
と、懇願するユリンさん!
「テメェな!」
と、キレるレフィル君を尻目に、
「あ~。 コホン…。
そろそろ、オマエの身の上と、
どうしてKDを盗み、
研究所を破壊していたかを、
聞かせて貰えんか?」
と、促すバーダック艦長。
「チッ…!
分かったよ!」
と、ここまでの経緯を、レフィル君は語り出した。
「ふへぇ…。」
と、語られた話に、オイラが驚く中、
「無茶苦茶ですね…。」
と、マカロニさんが顔をしかめ、
「偶然にしちゃ出来すぎだけど、
良くそんな偶然が続いたな。
オマエ程度じゃ、ホントは、
こんな窮地、切り抜けられなかったんだから、
助ける判断をした姐さんに、感謝しろよ?」
と、釘を刺すケビンさんに、
「チッ…!
分かってるっての…!」
と、キレ気味のレフィル君。
「でも、
いくら暴行を加えて来た相手だからって、
Gで、甚振るなんて、
もうしちゃダメだからね?」
と、ルイリーさんが言い、
「そうだぜ。
オマエも、真のヒーローのオレみたいに、
汚い戦いはせず、真正面から、敵に向かわねぇとな!」
と、相変わらずのガンツさんと、
「バカの話は、どうでも良いが、
ルイリーの言う通りだ。
Gで生身の敵を甚振るなど、
もうするなよ?」
と、マリーさんも釘を刺す。
「あ~! 分かった! 分かったっての!」
と、面倒くさそうに答えるレフィル君。
「でも、これからレフィル君は、
どう戦うかやね?
毎回、ロボの左手に乗るんも、
戦闘中なん考えたら危険かもやし…。」
と、言葉を濁すミケさんに、
「それなら、オレは、
この戦艦からロボに命令して戦うぜ!
せっかく、このドールコントローラーとかいうの、
長いからDコンって呼ぶ事にするけど、
これで、ロボに命令するだけで、
ロボが動くんだから、
ワザワザ、死地になんか行くもんかよ!」
と、豪語するレフィル君。
「まあ、理には適っているな。」
「だね。せっかくのロボ君と、Dコンってのだしね。」
とマリーさんと、ルイリーさんが言い合う。
「まあ、そうやね、
ほな、その案で行こうか、レフィル君。」
と、ミケさんが促し、
「おうよ!
オレを甚振った、アイツの仲間たちに、
ロボで、この戦艦から、バシバシ攻撃してやるぜ!」
と、意気込むレフィル君。
「でも、まあ、これで、
研究所も破壊できたし、
KDも、
鹵獲できたんだから、
良かったよね!」
と、纏めるライさんに、
「ああ、後は、
カルナダとコーダからの通信での、
次の作戦の要綱の確認だな。」
と、バーダック艦長が言う中、
「艦長! リーダー!
カルナダとコーダより通信、入りました!
メインモニターに転送します!」
と、セリアさんが言い、
「来たか…!」
と、バーダック艦長が言う。
まず、モニターに、
カルナダのドルチェさんが映り、
「トロイメンカッツェの諸君。
ご苦労だった。
こちらも、カルナダと共に、
FG部隊を展開し、
補給部隊を殲滅。
帰還した所だ。」
と、解説する。
「ああ、
カルナダと、コーダの支援に感謝する。」
と、答えるバーダック艦長。
「まあ、そちらには、
ライが配属されているのだから、
当たり前ではあるがな。
そもそもライは……!」
と、相変わらず、ドルチェさんが、
ライさんの自慢話を熱く語ろうとする中、
「む…。 コホン…。
済まんが、息子自慢は、置いておいて貰ってだ…。」
と、釘を刺すバーダック艦長に、
「いやぁ…。済まない…。
どうもライの話になると、
熱が籠ってしまってな…!」
と、相変わらずの、
ドルチェさんだったが、
「コホン…。
では、本題に入る…。
ここからは、コーダの方に、
話して貰おう…。」
と、ドルチェさんが、コーダのガウマンさんに話を振る。
「皆、ご苦労。
まず、次の作戦だが。
次の作戦は、
実は、まだカルマ氏から指示が着ておらず、
我々コーダ、そしてドルチェ氏のカルナダ、
そして、ミケ君たち、トロイメンカッツェには、
別名あるまで待機という命令が出ている。以上だ。
まあ、しばらく羽を伸ばすと良い。
滅多に無い休暇時間だからな。」
と、伝えて来る。
「ほう。
カルマの、おっさんにしては、
珍しい話やな。
まあ、確かに、
うちらも働き詰めやったからな。
ちょっと羽も伸ばさんとやね。」
と、ミケさんが言い、
「良いね! 良いねぇ!
久しぶりの休憩で、ユリンちゃん、
せっかく、今回、来てくれたレフィル君と、
ここは、ガンツなんかとでも、
アダム君とアダム君の素敵セッションのワールドを、
グロースしまくるってのもアリだね!
うは! そういうのも良い!」
と、相変わらず、
理解しない方が良さそうな謎発言のユリンさん…。
「いや…。
いくら真のヒーローのオレでも…。
そういう世界では…流石に生き残れんというか…。
そんな世界には…オレでも行きたくないというか…。」
と、珍しく気弱な発言のガンツさん…。
あのガンツさんすら、
こうも押し込めるユリンさん…。
マジ恐ろしいっス…。
「まあ、でも、とりあえず、
今から、別名あるまで、各自、休憩って事で!
ほな、解散やね!」
と、纏めるミケさん。
天国の、父さん、母さん。
オイラにも、初めての休暇が来ました!
この休暇で、
ミケさんの素敵ナイ胸バディーに、
身を埋もれさせたりしたいですが、
そんな事したら、
ハッ倒されるのは目に見えているので、
ユリンさんじゃないですが、
オイラも、心の中で夢想して、
そんなウハウハな夢を楽しもうと思います!
天国の、父さん、母さん!
せっかくの休日、
オイラ、有意義に使うっス!
オイラ的に…ッ!