第12話
「遂に…。
本格的に新統合に挑んじゃうんスね…。」
と、ソルファージュのGデッキの、
シュタイガーンバオアーの中で、
あの新統合と、
本格的に戦い始める事への恐怖で言葉が震えるオイラ…。
「まあ、怖なるんは分かるけど、
あんまし意識せん事や。
大丈夫。
ロクスリー君は、ちょっと怖がりなだけで、
全然、新統合とも渡り合えるって!」
と、ミケさんがオイラに応援の言葉を掛けてくれるが、
「あ…え~っと…。
そうだと…良いんスが…。」
と、どうしても、オイラで本当に大丈夫なの⁉と、
今までのオイラの戦いの状況から鑑みて、
不安になり、歯切れ悪く、
未だにズーンと沈むオイラ…。
「大丈夫、じょぶ、
ロクスリー君の腕はともかく、
シュタイガーンバオアーの、
CAPASとかいう謎のバグプログラムは、
ホントに凄そうなんだし、きっと何とかなるよ!」
と、本末転倒な応援を送って来るユリンさん…。
「あ~…アハハ…そうっスよね…。
オイラの腕は、ともかく、っスよね…。」
と、更にズーンと沈むオイラ…。
「あ~! もう、何言ってもダメだと思うな!
自信を持てっていうのが無責任かもだろうけどよぉ!
やらなきゃ行けねぇんだから仕方ねぇだろぉが!」
と、捲し立てるケビンさん…。
「まあ、どうあれ、
先生の仰っていた、
カルナダというレジスタンスと、
足並みを揃えて行かなければなりませんしね。
ロクスリー君だけが戦う訳じゃないですし、
カルナダが協力してくれる分、
ロクスリー君の負担も減ると思いますよ。」
と、いつも通り、冷静沈着なマカロニさん。
「でも、それよねぇ、
あの人が一緒に戦えって言うけど、
そのカルナダってとこ、
本当にアテになるのかな?」
と、ユリンさんが、
皆が思ってたであろう疑問を投げかける。
「だよなぁ。
レジスタンスで、
旗印になるKGを、
1機所持してるっつっても、
オレら、5機持ってるし、そいつら1機だけだし、
G²が1機でもあるってんなら分かるけど、
KGが1機だけで、
ホントに頼りになるんスかね、姐さん?」
と、ミケさんに問うケビンさん。
「まあ、
カルマのおっさんが用意した相手やったら、腕は確かやろう。
ロクスリー君をシュタイガーンバオアーに乗せて、
戦闘データを取らせてる時点で、お古の、
うちらのKGはともかく、
シュタイガーンバオアーとロクスリー君のデータは取りたいみたいやし、
あのおっさんは、ロクスリー君が撃墜でもされたら困る立場なんやろうし、
ワザワザ、新統合に弓を轢かすなんて、
自分たちがスポンサーなんがバレて、
更に自分たちの所在がバレでもしたら、
自分たちも危ないんやろうし、何かしらの勝算が無いんやったら、
挑ませるような相手や無いやろう。
まあ、カルナダいうとこの戦力が、どの程度かは、
着いて見てのお楽しみ、言うワケや。」
と、相変わらず、隙の無い鋭い考察のミケさん。
「へいへい。
ま、せいぜい、カルナダってとこが、
足引っ張らないでくれるのを期待しますよ。」
と、軽口を叩くケビンさん。
そこで……。
「リーダー、目標地点に到着しました。
KG部隊、各自は、出撃準備をお願いします。」
と、セリアさんの通信が来る。
「ってワケや!
行くで、みんな!
出撃しても、みんな直ぐに動かず、しばらく待機するけど、
うちとケビンが先行!
ユリンとマカロニは中衛で、後方支援!
ソルファージュは更に後方で艦砲射撃!
ロクスリー君はソルファージュに追随!
最後方で待機しといてや!」
と、KG部隊各自と、
ソルファージュに指示が下る!
「了解だ、姐さん!」
「リーダー、了解だよ!」
「了解です、ミケさん!」
「ミケ、了解だ!」
と、各自が了解の意を述べる。
「おお!
最後方で待機っスか!
オイラ、俄然、ヤル気が出て来たっスよ!
ミケさん! 了解っス!」
と、最後方で、
のほほんとしていられそうな事に、
大感激のオイラ!
「いや、オマエも、
待機でも周辺警戒しとけよ…⁉
ケビン=ブロッサム! 出撃するぜ!」
「まあ、ロクスリー君の、
いつものダメっぷりは置いといてと。
ユリン=エメラルド、出撃するよ!」
「まあ、このロクスリー君のダメさが、
相手を油断させて、
良い事もあるかもしれませんがね。
ともあれ、ロイド=ノーマン! 出撃します!」
「言うた様に、出撃はするけど、
まずは、新統合とカルナダの動きを見る。
カルナダが新統合に食らいついたところを、
挟撃の陣で、
新統合を殲滅や!
ケビン、ユリン、マカロニ、おっさん、ロクスリー君、
今日からの戦闘は厳しいもんになるやろうけど、
安生、気張ってな! うちも行く!
ミケ=スターライト、出撃する!」
と、皆さんが、次々と出撃されて行く。
「りょ…了解っス!
しゅ…周辺の警戒かぁ…。
こっちに来ないでくれると助かるんスけど…。
こ…来られたら……って考えると怖くなるから…。
と…とにかく出撃っス!
ロック=ロクスリー! シュタイガーンバオアー! 出ます!」
と、オイラも出撃し、
皆さんの後方で待機しているソルファージュの、
更に後方に待機するオイラ。
そこで、
「うん? どうした? 通信が乱れている?」
と、目標の新統合の軍の、
SGのダギナスたちの中、
ダギナスたちとは違う、
こげ茶と黄土のカラーリングの、
重量級のKGっぽい機体、
それに乗った、青い制服の、
静かな声音ながら、強い凛とした感じがする声の、坊主頭の人が、
ミケさんたちの仕掛けたジャマーのせいで不通になった通信の為、
オープン回線で他のSG部隊に話掛ける。
その部隊は、演習部隊という事でか、
前の、アルセカーナでの50機もの部隊の占領部隊と違って、
10機ほどの少数の部隊だった。
「ハッ! ザイル少佐!
何者かがジャマーを起動させた模様です!」
と、答えるSGの壮者さん。
「ふん。大方、どこかのレジスタンスか。
未だに、我ら、
救い人たる新統合の救いが分からぬと見える。
だが、その様な無知蒙昧な者たちも、
救ってこそ、我ら新統合!
我らの救いに気付く様に、
教えを広めるのも、また一興ではある!」
と、何だか良く分からない、
自己陶酔をする、
新統合の少佐さん…ッ⁉
何…この人…ッ⁉
と、そこで…。
「自分たちの蛮行を救いだなんて認識してるなんて、
オマエたちの様なダメな奴らが、
グランヴァルニアに陶酔するから、
ティアナが衰退して行ってるのが、
分からないのか…ッ‼」
と、カルナダのKGの壮者と思われる、
栗色の髪で、ショートのマッシュルームヘアーの、ショートマッシュ。
青のジーンズに、黒のクロース、赤のジャケットという出で立ちの人が、
オープンチャンネルでザイル少佐に対して、
怒りを露にして通信し、
新統合の部隊の南側に、
その壮者の乗っていると思われる、
見た事の無い、中量級の黄色い機体を先頭に、
ゲズや、ジーナや、ガトナスや、ザヌスなどの、
FGの混成部隊が10機ほど、
進撃して行く!
「フ…ッ。
救世の主、
グランヴァルニア様の考えが分からぬ凡夫か。
だが、
我らと合い対峙した事を、
光栄に思う時が、貴様らにも来よう。
自分たちの考えの浅はかさ。
そして、
グランヴァルニア様の、
大いなる慈悲の御心を、
貴様たちも、撃墜され、捕虜になれば、
どんどん知って行く事になろう!
SG隊、
オマエと、オマエ、2機を残し、南へ!
私は後方で不測の事態に備える!
さぁ、
無知蒙昧な蛮族たちに、
真の救済を行ってやるのだ!」
と、相変わらずの良く分からない電波っぷりだが、
カルマさんの考え通り、
南から展開して来るカルナダに対抗して、
取り巻きを残し、
SG部隊を南側に展開させ、
自身は北側で待機するザイル少佐。
「そうやって、自分は先陣を切らず、
部下に面倒な事は任すなんていう、
愚昧な事をするような奴に、
ボクたちカルナダは、負けてやれない!
みんな! 頼むよ!
ライコノフ=エギータ! 百鬼丸!
この先制打で! コンテナミサイル!」
と、百鬼丸と呼ばれたKGっぽい機体が、
まずは牽制で、
背中から背部誘導垂直ミサイルを撃った…!
と思ったら…ッ⁉
「な…何だ…ッ⁉
撃って来たミサイルの中から、複数の小型ミサイルが…ッ⁉」
百鬼丸から飛ばされたミサイルから、
小型のミサイルが100機以上、出て、
ザイル少佐と、その取り巻き含みの、
南側と北側の両方に展開した、
部隊の全てに、降り注ぐ…ッ!
「クッ…!」
「うわぁぁぁぁーーーッ‼」
「こ…こんな数…ッ⁉」
SG部隊の方々が悲鳴を上げる!
凄まじい数の爆発音と煙幕…ッ!
…だったんだけど……ッ⁉
「あ…アレ…?」
「なんだ…? 大した損傷が無いぞ…?」
と、見た目の派手さに反して、
百鬼丸ってのが使ったコンテナミサイルっての、
FG相手なら効いたのかもだけど、
堅牢なSGの装甲相手には、
全然威力が足りない…ッ⁉
「フッ…。
やはりレジスタンス如きの機体の性能など、その程度か…。」
と、嘲笑するザイル少佐。
「今のは挨拶代わりだ!
これから、オマエたちは、本当の地獄を見る事になる!」
と、仲間のFG部隊の後方からの、
ミサイルやレーザーライフルなどの援護射撃を背に、
右腰部から少し小ぶりな実弾マシンガンを取り出し、
SG部隊に掃射する…ッ‼
「クッ…!
たかがレジスタンス如き…!」
と、百鬼丸たちの攻撃をシールドでいなしつつ、
逆に背部垂直ミサイルで反撃しようとする…ッ!
それを、
カルナダのFG部隊も、
シールドでいなして、
ザヌス隊が大型バズーカ等を撃ちつつ、
その中でガトナスたちが接近し、
百鬼丸が、その援護とばかりに、
さっき右腰部から抜いた小型マシンガンで、
SG部隊の、
FG部隊へのミサイルの迎撃に掃射しまくる!
両者、混戦の態を見せ始めた……んだけど…‼
「チッ…!
何だと言うのだ…!」
「向こうのミサイルは普通に飛んでくるのに、
私たちのミサイルだけ、何か、ちゃんと相手に飛ばないモノがある…⁉」
「それに、相手に飛んでも、炸裂しないモノも無いか…⁉」
「何なのだ、この戦場は…⁉」
と、
ミサイルの威嚇が、
何か上手く行かないらしく、
ミサイルの斉射は、
それでも辞めないけど、
あの高出力レーザーライフルを使い始める、
SGの皆さん!
SG部隊のミサイルの不具合は、
どうなってるのかは良く分からないけど、
お陰で、
あの高出力レーザーライフルを使い始めた恐怖はあるけど、
本気を出せれないで、自軍や友軍が圧倒されるより、
本気を出した上で、直撃コースで、
マトモに、バズーカやミサイルを交えられてる、
相手の攻撃が、何故か逸れたり、
着弾時に爆発しないのも何故かある今の状態の方が、
全然良いし、
あの百鬼丸ってのの、壮者さんも、
FG部隊の皆さんも、
何か、戦い慣れていらっしゃる御様子!
なんて頼もしい!
「チッ…。
レジスタンス如きに後れを取るな!
KGは牽制で繋ぎ止めておけ!
ガトナスに回り込まれたり、
ザヌスに射抜かれたりするなよ!」
と、さっきの危険な陶酔具合とは、
打って変わって、
意外とマトモな指示を出す、ザイル少佐!
「撹乱はボクがやる!
ガトナス隊は、もっと切り込んで!
ザヌス隊! 砲撃の手を緩めないで!」
と、叫んだかと思うと、
百鬼丸が、小型マシンガンを乱射しながら、
左肩部のレーザー砲っぽいのを発射する!
「クッ…!
パルスレーザーか…ッ⁉」
「チッ…後方のザヌスの砲撃も厄介だな…‼」
「KGの足止めもできず、
ガトナスたちが寄って来る…‼」
と、さっきの折角のザイル少佐の指示が、
丸で役に立って無い様子の、
SG部隊の皆さん。
だったんだけど…ッ!
「クッ…舐めるなよ、レジスタンス!」
と、SG部隊のうち1機が、
自陣に切り込んでくるガトナスのうち1機を、
レーザーライフルで牽制した上で、
逆に近づきレーザーソードで、
腹部を串刺しにしようとする…ッ⁉
「くぬぅ…ッ‼」
と、ギリギリでレーザーソードを躱すガトナスと、
「それで終わり程度なら、
新統合は、
ボクたちカルナダには勝てない!」
と、小型マシンガンを右腰部に戻しながら、
ガトナスに切り込んだダギナスの1機に、
百鬼丸が突撃し、
バルカンで牽制しつつ、
左腰部から抜き出したレーザーブレードで、
相手のレーザーライフルを持つ右手を切り裂き、
そのまま右回し蹴りで吹っ飛ばしつつ、
左外腕部からグレネードミサイルを放って、
ダギナスの1機を撃墜する…ッ‼
その間に、
カルナダの後方支援の、
ザヌスのミサイルとバズーカの掃射も続き、
突っ込んだガトナスの他の、
ゲズやジーナ隊の斬り込みも行われ、
その洗練されたカルナダ部隊の攻撃に、
「こ…コイツら…ッ‼」
「思った以上にヤル…ッ‼」
慄きの声を上げるザイル隊だったが…ッ!
「だが…ッ‼」
ザイル隊も、
SGという、
通常の部隊では用意など出来ない様な、
超高性能量産機の意地で…ッ!
「クッ…。
オレのガトナスの左腕が…ッ!」
「こっちも、メインカメラがやられた…ッ!」
と、目くらましの、
背部垂直ミサイルに頼らず、
レーザーライフルとレーザーソードを果敢に使って、
どんどんと、カルナダの戦力を削って行き、
戦場は、更に、混迷の色を呈して来た…ッ‼
「クッ…。
レジスタンス如きに、これほど足を止められるなど…!」
と、ザイル少佐が苛立ちを見せる。
そこで…‼
「今だ! TSたち!
ほとんどの部下たちは、こっちに引きつけた!
今からなら、君たちが作戦通りに挟撃してくれれば、
コイツらは、ザイル少佐の救出に間に合わないはずだ!
武運を祈る!」
と、百鬼丸の壮者さんが、
オイラたちに叫ぶ!
「OKや!
みんな! 行くで!
手筈通り、安生、気張りや!」
と、ミケさんが指示を出し!
『ハイ…ッ‼』
トロイメンカッツェ部隊の全員が声を合わせる!
「クッ…!
TS部隊だと…⁉
レジスタンスたちめ!
グランヴァルニア様の有難い救いの教えも分からず、
トチ狂って、盗賊と手を組んだというのか…ッ⁉」
と、驚愕の顔を見せるザイル少佐!
「クッ…。
交戦中のダギナス隊!
至急、私のボーデンの下に戻れ!」
どうも、ボーデンというのが、
ザイル少佐のKGの名前の模様。
焦りの色を見せながら、
交戦中のダギナス隊に帰還を命ずるが!
「やらせるか!
FG部隊の、みんな!
SGたちを合流させちゃダメだ!
ここで食い止めるんだ!」
と、百鬼丸が、
帰還しようとするダギナスたちに回り込み、
「オマエたちには、
ここで釘付けになって貰う!」
と、レーザーブレードをはためかせ、
手負いなれど熟練の腕のガトナス隊が後ろから迫り、
その後方からザヌスが砲撃を続ける!
「クッ…!」
呻くザイル少佐のボーデンに!
「行くぜ相棒! アリーエルスラスター!」
と、アリーエルスラスターからの、
Aトライバレルのレーザーで、
先陣を切るケビンさんのラーゼンレーヴェ!
「チィ…ッ!」
と、ザイル少佐が、
ラーゼンレ-ヴェの超加速攻撃を前に、
「このボーデンを舐めるなよ!」
左腕からレーザーシールドを展開し、
Aトライバレルのレーザーを防ぐ…⁉
更に、バルカンで牽制しつつ、
右外腕部の、
短距離誘導水平ミサイルランチャーポッドを、
発射する…ッ⁉
防御しきれる、
あのボーデンてKGの防御力も凄いけど、
あの攻撃に反応できる反応速度も凄い…ッ!
ザイルさんの腕が、凄いのは分かったけど、
あの機体、重量級なだけじゃなく、
重量級の上で、強襲型だったんだ…ッ‼
「でもやなぁ…ッ!」
と、ミケさんのタイニーダンサー追い付き、
既にチャージしながら進軍していた様で、
トライバレルのチャージレーザーで、
短距離誘導水平ミサイルランチャーポッドを撃墜した上で、
トライバレルのバレットでボーデンを追撃し、
「お楽しみはこれからだぜ…ッ‼」
と、ケビンさんがAトライバレルのバレットを撃つ!
「クッ! だが…ッ!」
と、レーザーシールドの連続展開をするザイル少佐だが…!
「その隙を見逃す程、ボクは甘くないですよ?」
と、マカロニさんが、
左腰部から遠距離用大型バズーカを抜き、
ザイル少佐のボーデンに砲撃し!
「そそ! ユリンちゃんも混ざっちゃうし!」
ユリンさんもLトライバレルのバレットで追撃する!
更に!
「セリア!
ソルファージュ、敵部隊に艦砲射撃!
3連装大型レーザーランチャー!
垂直、水平ミサイル、掃射!」
「了解!
艦砲射撃に入ります!
3連装レーザーランチャー、
垂直、水平ミサイル、
発射します!」
ソルファージュの援護射撃までオマケで付いて来る!
「しょ…少佐…ッ!」
「わ…我々が盾に…ッ!」
と、ザイル少佐の周りの取り巻きのダギナスの方々が、
身を挺してシールド防御し、
ザイル少佐のボーデンへの被弾を防ぐ代わりに、
自分たちの機体が被弾する…ッ!
「お…オマエたち…! クゥ…ッ!」
と、部下たちに指示の声も出せないザイル少佐…!
「これは楽勝になりそうだね!」
と、ユリンさんが喜び、
「相手は機体も人員も悪くねぇが、
うちの戦術勝ちって奴だな!」
と、ケビンさんも勝ち誇る!
「まあ、運が悪かったと思って、
諦めて、撃墜されて下さい。」
と、マカロニさんも宣言し、
「オマエたちも、相応の覚悟があって、
新統合なんぞに居るんだろう?
こういう状況もあるって知れて良かったな!」
と、バーダック艦長が言い、
「オマエらはオマエらで、
背負ってるモンがあるんかもやけど、
うちらも負けれへん理由があってな。
悪いけど、勝たせて貰うで?」
と、ミケさんのタイニーダンサーが、
ボーデンに向けて、トライバレルを構える!
でも…そこで…ッ!
「リーダー!
ソルファージュ後方、北部より、
機影多数!
うち1機は未確認の機体ですが、
他の機体はダギナス!
新統合の機体たちの模様です!」
と、セリアさんから恐怖の伝達が来る…ッ⁉
「えーーーーッッ⁉
ソルファージュ後方、北部って言ったら、
今、オイラしか居ないんスよ…ッ⁉」
と、戦々恐々《せんせんきょうきょう》のオイラ!
「な…ッ⁉」
「クッ…‼」
「ど…どうなってんのコレ…⁉
リーダー…⁉」
と、トロイメンカツェの皆さんが、
驚愕の声を上げる!
「まさか…。
読まれてたのか…?
この作戦が…ッ⁉」
と、この脅威に、
震えながら問う百鬼丸の壮者さん!
「これは、これは、ザイル少佐!
先程は、私のブレンネンが、整備不良を起こし、
整備が終わるまで待って頂きたいと言い、
整備後に、改めての演習を、
そちら様の意気を組まず申し込み、
不快な想いをさせて申し訳ありませんでした。
貴殿たちに、
我々を待てぬと言って頂き、
こうして、マシントラブルの修理終了まで、
これ程の長い時間を掛けてしまったせいで、
意図せず、この様な、
挟撃の陣を敷きましたが、
どうか、遠慮なさらず、我々を宛てにして下さい。
貴殿たちが、
快く、我々、メイフェス隊を頼り、
共に、レジスタンスを破ったとなり、
我々が事態を打開した上での撃墜なれば、
勝利後には、私たちメイフェス隊の、
撃墜記録が輝く事になるでしょうが、
貴殿たちも、
協同したという事で、
勲功は上げれるはず。
どうか、私を待たなかった事を思い悩まず、
気軽に、我々と組んで頂きたい。」
と、赤と黒のカラーリングの、
中量級っぽいKGに乗った、
メイフェスとかいう、赤い制服で、
亜麻色の髪のショートモヒカンという、
目立つ事、この上ない髪型の人が、
つらつらと恨み深い、
ネチネチした物言いをする…ッ⁉
何、この展開…ッ⁉
たまたま、
メイフェスさんって人のKGが、
マシントラブルで、演習に参加できなかったから、
今、遅れて着いて、
逆にオイラたちを挟撃の、
更に挟撃の陣に、
挟んだ…ッ⁉
「フン…。
そのまま、マシントラブルで演習に参加できぬままで、
以降に、この様な実戦が無ければ、
オマエたちの方が、咎を受けた事、心せよ!
だが、協力には感謝する。
今直ぐ、その母艦と、
その周辺の1機だけの殿を倒して見せよ!」
と、ザイル少佐が、言ったかと思うと…!
「フッ…。
相変わらず、お堅いお方だ。
良いでしょう。
我ら、メイフェス隊の、
見せられなかった力、
存分に、お見せしましょう!」
と、メイフェスさんという人のKGを筆頭に、
10機ほどのダギナスが、
こちらに向かって来る…ッ⁉
「ど…どど…どうしましょう…ミケさん…ッ⁉」
と、驚天動地のオイラ!
「姐さん、
流石にアイツ一人じゃ…!」
と、ケビンさんも焦りの声を上げ、
「私とマカロニだけでも下がった方が良いんじゃない?」
と、ユリンさんも、ザイル隊に砲撃しつつ聞き、
「そ…そうですよ…! ミケさん…!」
と、マカロニさんも、砲撃で追随する中、
「ロクスリー君!
そのまま、殿で、
ソルファージュの護衛、一人で頼む!」
と、ミケさんがムチャ言い出した…ッ⁉
「えーーーーッッ⁉」
ミケさんのムチャ振りに、
更に慄くオイラ!
「な…ナニ言ってるんですか…⁉
姐さん…⁉」
と、ケビンさんも、同じ反応で、
「ロクスリー君は、スペシャルっぽいって言っても、
まだシュタイガーンバオアーもCAPASも未知の戦力なのよ?
そんな中で、ロクスリー君に、単独で戦えなんて、
リーダー、それはムチャじゃない…ッ⁉」
と、ユリンさんも、声を荒げ、
「そ…そうですよ…ミケさん…‼
それは、ムチャ過ぎですよ…‼」
と、マカロニさんも慄くが、
「せっかく、カルナダが、
戦力を削ってまで追い込んでくれたのに、
ここでザイル少佐を逃したら、
元の木阿弥や。
ザイル少佐は、うちらがきっちり撃破するんや!
それに、
こういう不測の事態でも、
うちは、仲間を信じたい!
悪いけど、ロクスリー君にも、
みんなにも、頑張って貰うで!」
と、ミケさんが、
オイラにも、皆さんにも、
ムチャ振りを更にする…ッ⁉
「クッ…! ロクスリー! 何とかしろ!
本当にスペシャルだったオマエなら何とかできる…ッ!」
と、ケビンさんもムチャ振りして来る…⁉
「もう…リーダーは、
言い出したら聞かないんだから!
ロクスリー君! もう一人で何とかするしかないよ!
こっちはこっちで頑張るから、とにかく頑張って!」
と、ユリンさんも…ッ⁉
「とにかく、完全なデータは取れてませんが、
シュタイガーンバオアーと、CAPASに、
ロクスリー君が適合し、
スペシャルな能力になるのは、
状況証拠が揃っているのです!
後は、更なる状況証拠を増やして下さい、
ロクスリー君!」
と、マカロニさんまで…ッ⁉
「まあ、みんな、オマエに期待してるってこった。
気張って、ソルファージュを守ってくれよ、
ロクスリー!」
と、さっきまで無口だったバーダック艦長までですか…ッ⁉
「何だ?
あの機体の壮者が、スペシャル?」
と、迫りつつ、
こっちのオープンチャンネルの通信を聞いてたメイフェスさんが呟く。
それに対し、
「大尉、
軍のデータベースによりますと、
このTSたちは、
アルセカーナの統治時に、
指名手配されていた、
トロイメンカッツェというTSで、
アルセカーナの自警団たちの証言から、
そのトロイメンカッツェのトップエース機は、
カラフルな色合いのカスタムされたゲズとの事。
その様な機体が、今、出撃しておらず、
他の機体は、タイニーダンサー、ラーゼンレーヴェ、
エンジェルシード、フェストゥングと、
データベースに既に存在する機体ですが、
あの、殿の機体だけは、
データベース上にありません。」
と、何か、嫌な予感のする事を言い出してる…ッ⁉
「ほう、
トロイメンカッツェのタイニーダンサー。
あのアヴァドンのミケとかいう…。
その上で、他の機体がトップエース…と。
つまり、あの殿の機体の壮者が、
アルセカーナで、カスタムゲズに乗っていた、
トップエースだという事だな?」
と、メイフェス大尉の目が光る…ッ⁉
「ハッ! 間違い無いかと!」
と、答える部下のダギナスの方…⁉
「よし、オマエたちは近隣で待機!
アヴァドンのミケを超えるというトップエースは、
私が、このブレンネンで一人で落とす!
さぁ、オマエたちTSの、
トップエースの力とやら、
見せて貰おうか…ッ‼」
と、やる気マンマンのメイフェス大尉…ッ⁉
「イヤイヤイヤイヤ!
オイラなんか、ホント、雑魚っスから!
ホント、狙う価値なんて全然無いっスから!」
と、全力でイヤイヤするオイラに向けて、
「まずは小手調べだ!」
と、メイフェス大尉のブレンネンとか呼ばれた機体が、
標準型の背部垂直ミサイルではなく、
水平方向に飛ぶ、両外脚部水平ミサイルを放つ!
「ク…ッ! よ…避けなきゃ…ッ‼」
と、とにかく回避の為に、思考を集中しなくちゃ…!
と…想ったのに…!
思った矢先に…‼
ズデン…ッ!
「何だ…コイツ…⁉」
メイフェス大尉が呆気に取られる程、
豪快に滑って転んで、水平ミサイルを全弾、
背部装甲に受けるオイラのシュタイガーンバオアー…!
「あ…く…うぅぅ…。
だから、オイラなんかだけじゃ無理って言ってるのに…ッ‼」
と、何とか起き上がり、
「でも、でも、
ここで凌がなきゃ、ソルファージュは…!
だから…オイラは…ッ‼」
と、レーザーライフルを乱射する、
オイラのシュタイガーンバオアーだが、
「陽動の、つもりなのか⁉
何か狙いがあると言うのか…⁉」
と、明後日の方向に飛ぶ、オイラの射撃に、
逆に動揺するメイフェス大尉だったが、
「まあ良い、誘いに乗ってやる!」
と、左外腕部の小型のマシンキャノンを掃射し、
更に、右外腕部のシールドを構え、
そのシールドの中からレーザーランチャーを放つ!
が、オイラのシュタイガーンバオアーが更にコケて、
牽制のはずのマシンキャノンが、
全弾、背部装甲に当たり、
本命のレーザーキャノンは、
回避地点を読もうとして放ったみたいで、
逆に、外れてしまう!
「くぅ……。
でも、この間の、
メイフェス大尉の攻撃も、
CAPASがドライブだからか、
ずっと、見えてはいるんだ…!
でも…オイラの思考通りに動くのがダメ過ぎて…!
くぅぅぅ……ッ!」
と、呻くオイラに、
「ほう、私の動きが見えるのか?
今のも、敢えて、こちらの攻撃を背部に受け、
本命の射撃を外したと?
フン!
では、本当なのか調べる為に、
G戦術の授業を始めよう!」
と、メイフェス大尉のブレンネンが爆ぜ、
シュタイガーンバオアーの前に立ち、
右拳で頭部を殴り、
左拳で腹部を叩き、
右回し蹴りで、
シュタガーンバオアーを吹っ飛ばした…ッ⁉
「グゥゥ……ッ‼」
相手もKGとはいえ、
こちらもKG、
殴られただけだから何とかダメージも少ないけど、
こんなにやられっぱなしなんて……ッ⁉
「フン…。
どうやら見込み違いのクズだった様だな。
オマエたち、
コイツは、どうでも良い雑魚だ。
私はザイル少佐の援護に回る。
オマエたちは、この雑魚を倒した後、
こいつ等の、この母艦を沈めておけ。」
と、部下のダギナス部隊の皆さんに、
指示を出すメイフェス大尉。
「了解です、大尉!
では、行くぞ、TS!」
と、部下のダギナス隊の方々が、
シュタイガーンバオアーを囲む…ッ!
「クッ……何とか持ちこたえて…、
ソルファージュを守らないと…!」
と、レーザーライフルと、
背部垂直ミサイルを展開するオイラだけど、
相変わらず、全然違う場所に飛びまくる…ッ⁉
「この相手…本当に雑魚…なのか…⁉」
「本当にKGに乗っても、
この程度なのか、この壮者は…⁉」
と、未だに、
何かオイラがスペシャルではと伺うのか、
背部垂直ミサイルで、
牽制を続けるダギナス隊の皆さん!
「クァァァ…ッ‼」
と、ミサイルを喰らい、
機内の振動に、呻き声を上げるオイラに、
『マスター!
シュタイガーンバオアー内のCAPASがドライブ状態で、
マスターの壮者能力は向上しているはずですが、
現状、マスターの思考は、機体を無駄に動かすように、
雑念が多く混じり過ぎています!
CAPASを、
外部から強制できないかも試しましたが、
上手く行きませんでした!
ですから、これも上手く行くかは未知数ですが、
CAPASを、私の中に取り込み、
マスターのCAPASに働きかける脳波を、
私が、自分の制御エリア内で、演算、予測、補正し、
現状のマスターの本当に取りたかった行動を、
取れる様に補正する事を提案します!
ですが、その上で、
CAPASが、機体内に残ると、
私の中と機体の中の内外両方にCAPASが存在し、
競合し、より不具合を起こす可能性がある為、
これも、上手く行くかは不確実ですが、
私の中に取り込むCAPASを残し、
シュタイガーンバオアー内のCAPASを消す事を提案します!』
と、この絶望的の中で、
矢継早に、提案をして来る、38!
「何でも良いから、
何かできるなら、早くしてくれ!」
と、叫ぶオイラ!
『了解です! マスター!』
と、答える38!
「メイフェス大尉は雑魚なだけだと仰ったが、
これ程の雑魚の様な相手でも、
実際に殿を任されている。
気は抜けんな…!」
と、レーザーライフルを掃射し始めるダギナス部隊の皆さん!
「クッ……PBLH…ッ‼」
と、PBLHで、何発かは防ぐが、
展開時間うんぬんどころか、
防ぐ位置にPBLHのある左手を持って行けず、
数発が、胴体部に着弾し、機体が揺れる!
「TS如きが、
レーザーシールド…ッ⁉
やはり…何かあるのか…ッ⁉」
と、PBLHを使った、
オイラのシュタイガーンバオアーに、
更に警戒を強めるダギナス隊の皆さん!
「とにかく、何かある相手でも仕留めねば、
奴らの思うままだ!
ここは仕留めさせて貰う!」
と、ダギナス隊の皆さんが、
再度、レーザーライフルを、
掃射して来る…ッ⁉
「クッ…見えるのに!
見えた通りに!
本当に動かしたい通りに…動いてくれよ…ッ‼
シュタイガーンバオアー……ッッ‼
クゥッ……PBLH…ッ‼」
と、この最悪の状況の中、
何とか自分の本当に動かしたい様に、
PBLHが動く動きを思い描く!
『CAPASの取り込み!
シュタイガーンバオアー内のCAPASの消去!
マスターの脳波の補正!
完了しました!』
と、38が何か話した瞬間に…ッ⁉
「な…何だ…ッ⁉」
ダギナス隊の方々が、
こちらに驚愕の様子を見せる!
シュタイガーンバオアーの、オイラのPBLHが、
展開時間内に、
ダギナス部隊の皆さんのレーザーライフルを、
全弾、弾いた…ッ⁉
「え……あ…ッ⁉」
と、
今までの、オイラの動かしたい通りに動かすのに、
逆に、オイラの動かしたい動きに過敏に動き過ぎて、
本当に動かしたい通りに動かない状況から、
自身の、本当の本当にイメージする、
動かしたい通りに動かせた事に、
逆に動揺するオイラに、
『マスターの脳波は、私が補正してます。
さあ、マスター!
マスターの思うままに、動いて下さい!』
と、この動きは、
何か38が補正とかしてくれてるらしく、
こ…これは…ッ⁉
「そんな雑魚に何をしている…ッ⁉
早く片付けて、奴らの母艦を叩け!」
と、ユリンさんたちの方に向かってた、
メイフェス大尉が立ち止まる!
『ハッ…!』
と、答え、
命令を聞きつつも、
「な…何かの間違いなのか…?」
「今までの動きと違うが…?」
「さっきまでは、
確かに雑魚だった様だが…?」
と、更に、レーザーライフルと、
背部垂直ミサイルも織り交ぜ、
シュタイガーンバオアーに掃射するダギナス隊の皆さん!
「クッ…! じゃあ…!
見えてる通りに動かすぞ、38!
補正っての、頼む!」
と、オイラが言い、
『イエス! マスター!』
と、38が答えたと思った、
その瞬間から、
「クッ…!
PBLHと、バルカンで!」
と、飛んできたレーザーライフルをPBLHで、いなし、
背部垂直ミサイルを、
バルカンの掃射で、全弾防げた…ッ‼
更に!
「見えてるオイラの、
思う通りに本当に動くのなら!」
と、左腰部からバトルアックスを抜き、
一番、間近のダギナスを、
バルカンで牽制してから、
バトルアックスで殴打し、
右回し蹴りで蹴り飛ばした上で、
近寄って来る1機を、
左手のPBLHで頭部を破砕し、
更に近寄って来るダギナスたちの、
レーザーライフルをギリギリで回避し、
相手が、シュタイガーンバオアーを囲んでいた為、
オイラに回避された味方のライフルに当たり、
囲んで居た相手の1機が、右腕部を損傷する!
「な…何だ…⁉ 何なんだ…ッ⁉」
と、驚愕するダギナス部隊の方々!
「な…何なのだ…アイツは…ッ⁉」
と、ザイル少佐も、驚嘆の声を上げ、
「やっぱし、オマエはスペシャルだよ、兄弟!」
と、ケビンさんが声を掛けてくれ、
「ホラホラ!
ロクスリー君とシュタイガーンバオアーは、
やっぱり相性バッチリなんだよ!」
と、ユリンさんが喜び、
「これは…。
確かに…、
こういう補正の仕方もありましたね…。
流石です、38さん!」
と、オイラより、
補正ってのをしてくれた38を褒めるマカロニさんと、
「何にしても、コレは助かるぜ!
ロクスリー! ソルファージュ周辺の後方の敵は頼む!
ソルファージュは、引き続き、ザイル小隊に艦砲する!」
と、バーダック艦長が言い、
「まあ、こういうパターンとは、
正直、思ってなかったんやけど、
38は、流石やね!
ロクスリー君を良く知っとる!
さぁ、反撃の時間やで、ロクスリー君!」
と、目を輝かせて話すミケさん!
「え~い!
そんな雑魚に何をやっている…ッ⁉
退け!
私がその雑魚を仕留めてやる!」
と、明らかに動きがさっきと変わったはずの、
オイラの動きを見ても、
自身が雑魚と断じた相手なのが尺に障るのか、
ミケさんたちの方に行くのを辞めて、
こちらに戻って来て、今まで使わなかった左肩部のパルスレーザーを照射しつつ、
背部水平ミサイルを掃射し、
右外腕部のシールド内のランチャーを放つ!
「今のオイラは!
見えた通りに対処できるんだ!
この程度…ッ!」
と、敵部隊ミサイルを誘導して、
相手のパルスレーザーの射程の中に入り、
実質的に自機に当たりそうな場所だけ、
PBLHでブロックし、
敵部隊のミサイルを、
無駄に撃たれたパルスレーザーの照射で、
相撃ちさせ、
時間差で来たランチャーも、
きっちり、展開時間内で防ぐ、
オイラのシュタイガーンバオアー!
「こちらの味方のミサイルを、
同時に放った私のパルスレーザーで、
同士討ちさせるだと…ッ⁉」
と、驚きの声を上げるメイフェス大尉に、
「今の、
見えた通りに動けるオイラなら!」
と、背部垂直ミサイルを展開し、
相手の上に降らせ、
それをレーザーライフルで撃ち抜き!
「自機のミサイルを煙幕にするだと…ッ⁉」
驚愕で、
動きが遅れるメイフェス大尉のブレンネンに!
「食らえよ…ッ‼」
と、PBLHで、
頭部を握りつぶし、破砕させてから!
「ここからだぞ…ッ!」
頭部のメインカメラがやられ、
動きの鈍ったブレンネンの左右の腕部を、
レーザーライフルで狙い撃ち、次々に無力化して行く!
「クッ…それでも…ッ‼」
と、最後の意地とばかりに、
両外脚部水平ミサイルを、
展開するブレンネンに…ッ!
「今のオイラは!
こういう事だって……出来る…ッ‼」
と、ブレンネンの前面に位置していた、
オイラのシュタイガーンバオアーが、
ブレンネンの頭部の有った箇所を飛び越え、
ブレンネンの背後に回り、
そのせいで、追尾誘導していたミサイルが、
ブレンネンに誤射で降り注ぐ…ッ!
その、ほぼ全弾が腹部に集中して当たり、
ブレンネンの腹部がむき出しになる…ッ!
「そ…そんな…事が……ッ⁉」
と、戦慄する、
メイフェス大尉のブレンネンに!
「このまま投降しろ!
オイラの思い通りに動くから!
逆に、手加減が効かないかもしれないぞ!」
と、レーザーライフルをチャージしながら、
メイフェス大尉に勧告するが、
「クッ……! 私が…!
TS如きに……ッ‼」
と、振り返り、
シュタイガーンバオアーに右前蹴りを放つブレンネン!
「この…! 分からず屋が! だったら!」
と、回避しつつ、バルカンで、
更にブレンネンの腹部の損傷を広げ!
「コイツが本命だ!」
と、ブレンネンの腹部の中にレーザーライフルを突っ込み!
「喰らえ…ッ!」
これが…! ゼロ距離射撃どころかの…!
「マイナス距離射撃だ…ッ‼」
あのザ・パーフェクトのシュメルも仕留めた、
チャージレーザーでのマイナス距離射撃で、
銃撃した反動でブレンネンの中でライフルが破損しつつも、
ブレンネンの腹部を貫く、
オイラのシュタイガーンバオアー…ッ!
「私は……?
雑魚と戦っていたんじゃなかったのか……ッ⁉
いつから私は……敵のトップエースと戦っていたんだ……ッ⁉
クッ……ブレンネン……マルム=メイフェス……脱出する……ッ‼」
と、自身の驚きを感じさせる捨てゼリフを残して、
ブレンネンの胸部脱出ポッドでメイフェス大尉が脱出する!
それを見て、
「あの機体を殿に回したのは、
こういう時のための保険か…ッ‼
クッ……!
だが、レジスタンスと、
TSの、
混成部隊などが、
正規の部隊たる我が隊に、
そうそう敵うモノではないと教えてやる……ッ‼」
と意気込むザイル少佐。
だが、メイフェス大尉のブレンネンの撃墜に、
メイフェス小隊の残りの部下たちは…!
「メイフェス隊長を撃墜する様な化け物に、
私たちが勝てるワケがないじゃないか…ッ‼
に……逃げるぞ…ッ‼」
と、逃走する。
「バカな…ッ⁉ ここに来て敵前の逃亡など……ッ‼」
と、狼狽するザイル少佐。
だが、ここで!
「みんな、そろそろ撤退だ!
ボクらの損耗率が、
かなり高い!
これが、
新統合の本隊を倒すための戦いなら、
戦闘を続行するところだけど、
たった1部隊を叩くための戦闘に、
これ以上の損耗率を出すのは下策だ。
陽動は十分にやった!
あとはTSたちに任せよう!」
と、百鬼丸の壮者さんが、
カルナダの部隊に指示を出す!
「良い判断や!
後は、うちらに任し!
戦果は、後で聞いての、お楽しみやと思っとき!」
と、ミケさんが、
百鬼丸の壮者さんの提案に答える!
「まあ、
うちにはスペシャルな兄弟も居るワケだし!」
と、ケビンさんが指を突き立て、
「そそ!
更に、ロクスリー君だけじゃなく、
ユリンちゃんたちも控えてるワケだし!」
と、ユリンさんがウィンクし、
「後は、我々、トロイメンカッツェに任せて下さい!」
と、マカロニさんも答え、
「まあ、色々あったが、ここまでくりゃ何とかなるだろ!
キッチリ任されたぜ!」
と、バーダック艦長も言う。
「ありがとう! 戦果を期待する!」
と、百鬼丸の壮者さんが、
FG部隊たちと、下がって行く!
「クッ……!
だが、レジスタンスが退いたのならば、
TSの前面に部隊を展開できる…ッ!
TS風情に、
正規の部隊たる我が隊が落とせるものか…ッ‼」
と、ザイル少佐が叫び!
タイニーダンサーに向けて、
背部垂直ミサイルを発射し、
右肩部のロケットランチャーを発射しつつ、
レーザーライフルも同時発射!
「残念ながら、
TSも、
結構やるんやで…ッ!」
と、PBLHで、
レーザーライフルの軌道を曲げ、
ロケットランチャーに向かわせ相殺し、
ミサイルを、ギリギリの位置で躱すタイニーダンサー!
「クッ…! だが、ここは!
ここは何とか! 少佐を守るぞ!」
と、カルナダと交戦していた、
ザイルさんの部下のダギナス隊の皆さんが、
ミケさんたちの所に何とか駆け付け、
牽制で、
背部垂直ミサイルを掃射するが!
「その程度がどうしたよ…‼
オレの相棒のチャージレーザーなら…‼」
と、ケビンさんのラーゼンレーヴェの、
Aトライバレルのチャージレーザーで、
撃たれたミサイルのほとんどが無力化され!
「良いで、ケビン! アレやるで! アレ!」
と、タイニーダンサーが、トライバレルをチャージし、
「了解です、姐さん!」
ラーゼンレーヴェも、再びレーザーをチャージし、
『合体攻撃…ッ‼ ガンスリンガーパレード…ッ‼』
いつもの、あの、合体攻撃が放たれる…ッ‼
「アアッ…‼」
「レジスタンスとの交戦での損傷個所に…ッ‼」
「クゥ……ッ‼」
と、カルナダとの交戦での損傷個所に、
更なる打撃を与える…ッ!
「だが!
そっちの青い機体は強襲型のはず!
そろそろ、補給が持つまい! 活路は、そこにある!」
と、目ざとく話すザイル少佐だったが、
「は~い、ここでユリンちゃんの本気エンジェルな、
エンジェルシードが、弾薬もENも、
ラーゼンレーヴェに補給の巻~~。
また暴れちゃって、ケビン!」
と、いつの間にか、エンジェルシードが、
ラーゼンレーヴェの横に並び、
例の、ラジエールコンデンサーと弾薬パックで、
ラーゼンレーヴェに、素早く補給を済ます!
「な…ッ⁉」
と、絶句するザイル少佐と、
「弾薬も、ENも、
補給できるKGなんて…!」
「あんなの反則だ…!」
と、口々に叫ぶダギナス隊の皆さん!
「助かったぜ、ユリン!
よし、相棒! また暴れるぜ!」
と、ケビンさんのラーゼンレーヴェが、また爆ぜ、
Aトライバレルのレーザーとバレットが、
次々と、ダギナス部隊の皆さんに掃射され!
「クッ…!
演習と、レジスタンス戦で、
逆に、こちらの補給物資が…!」
「ここまでの継戦を強いられるなんて…!」
と、ダギナス部隊の皆さん、
オイラたちと逆で、
演習と、カルナダとの混戦の後で、
補給物資が足りない模様!
これはチャンス…ッ‼
「良し! みんな!
雑魚たちの足止めは任せた!
うちは頭を抑える!」
と、飛空状態から、地上に降りるタイニーダンサー!
「了解です! 姐さん!」
「おッ任せ~~ッ!」
「了解です、ミケさん!」
「艦砲射撃も行くぞ、セリア!」
「了解です、リーダー! 艦長!」
と、トロイメンカッツェ総出の、
牽制射撃で、
ダギナス隊の皆さんに総攻撃を仕掛ける!
その中で…!
「ほんなら、そろそろトドメや!」
タイニーダンサーが、トライバレルを左腰部にマウントし、
「フランメ! 二刀流や!」
タイニーダンサーの内腕部から、
短剣の柄だけのモノ、フランメを、
左右で1本ずつ出し、両手に1本ずつ握る。
「必殺! 剣の舞や!」
タイニーダンサーが、短剣の柄を両手にそれぞれ逆手に持ち、
空を飛びつつ、機体の両腰の位置に添えて、
時計で言う2時の方角より突撃し、反時計回りに回りつつ、
下方8時の方角に右手で横周りに斬る!
「ほうらッ!」
更に、地上に降りてステップを踏み、
フランメを両腰に添えた逆手持ちのままで、
踊る様に、そのまま反時計回りに回転して、
更に左手で横周りに斬り!
「そらそらぁーッ‼」
今度は回転方向を反対に変えて、
左腰に添えた左の逆手に構えたフランメで、
時計回りに回りつつ左下から右上に斬り!
「これが…ッ!」
更に踊る様に回転して斬っている途中で、
右手のフランメを腰に添えるのを辞め、
右手をボーデンの居る方角に持って行き!
ボーデンを真正面に見据える位置まで回転し、
そこから左手のフランメも腰に添えるのを辞め、
下に潜らせる様に、6時の方角に回し、
更に3時の方角…右方向に回して、右中央に配置し!
「ホンマの…ッ!」
そこから右手を逆手のまま、左下から右上に、斬り上げ!
同時に、左手も逆手のままで、右中央から左中央に、斬るッ!
剣の舞のフランメの連撃で、
ボーデンの身体が、
大ダメージに悲鳴を上げる様によろけッ‼
「ドヤ顔や…ッ‼」
最後に、上方から、逆手のまま両手で、
下方に×の字に斬り抜く!
そして、その斬撃の嵐の後に、
ドヤッ!と言わんばかりに、決まったという顔をする‼
「こ…こんな…ッ⁉ こんなァァァーーー……ッ‼」
と、胸部脱出ポッドが発動し、脱出するザイル少佐!
その激戦の後に、
「クッ……!
ワザと雑魚と思わせ油断させ、
寝首を掻こうとするなど!
卑劣な者どもが!
次も、こうも上手く行くと思うなよ…!」
と、吠えるメイフェス大尉と、
「TS共!
今日の敗北の原因は、私の慢心だった!
だが、この経験を積んだ私が、
次も、同じ手に甘んじると思うなよ!
ここは退く……だが…TS…ッ!
遠からずオマエたちは新統合を敵に回した事を、
後悔する事になるだろう…ッ!
次に会う時は…こうは行かんと覚えておけ……ッ‼」
ザイル少佐も捨て台詞を残し、
残った部下の方々と一緒に、それぞれ、去って行く。
「おお、おお、吠える、吠える!」
と、メイフェス大尉とザイル少佐の捨て台詞に、
大いに喜ぶケビンさん。
「やったね! トロイメンカツェ! 大勝利~~ッ!」
と、ユリンさんも大はしゃぎ。
「まあ、ミケさんの本来の想定では、
ピンチになって、
シュタイガーンバオアーのCAPASがフルドライブし、
ロクスリー君が大パワーアップし、
敵を殲滅!
……という計算だったみたいですが、
いやはや、38さんの判断は凄かったですね。」
と、38を褒めたたえるマカロニさんと、
「まあ、予想外のパワーアップの仕方だったが、
想定した方より、こっちの方が、
恒常的にパワーアップするみたいだし、
良かったんじゃねぇか?」
と、バーダック艦長もホクホク顔だ。
「ホンマに、38は凄いで!
この方法は、うちもホンマ、想定外やったで!」
と、ミケさんも大いに喜ぶ。
『ありがとうございます、皆さん!
あの動きが、マスターの真に動かしたかった動きです!
マスターの真の強さを皆さんに知って頂け、
私は、とても嬉しいです!』
と、余程、嬉しいのか、
3Dアバターを出し、
感動の言葉を口にする38。
「何か、戦闘中で、ちゃんと聞けず、
いまいち、今でも原理が良く分からないけど、
38のお陰で、オイラ、これからは、
シュタイガーンバオアーを、
いつでも巧く動かせるようになったみたいだし、
本当に、ありがとうな、38。」
と、38の3Dアバターを撫でる様に、
手を動かすオイラに、
『マスター…。
マスターの真の活躍、これからも、期待しております!』
と、3Dアバターの38が、ぺこりとお辞儀をする。
「うんうん!
38の言う通り、
これからも活躍、期待するで、ロクスリー君!」
と、オイラの活躍を祈るミケさん。
「まあ、何にしても、大仕事の後だ、
まずは、全員、艦内に帰還しな。」
と、バーダック艦長が告げ、
『ハイ…ッ!』
オイラたちは、ソルファージュのブリッジに上がった……。
「皆、お疲れ!」
と、ニコニコ顔のリッドさんと、
「いま、皆の分のコーヒーを淹れるからね!」
と、コーヒーサーバーを稼働させるセリアさん。
「さっすがセリア! 気が利くじゃん!」
と、大喜びのケビンさんと、
「まあ、激戦だったが、
仕事の後の一杯を呑めるのは、良いこった!」
と、バーダック艦長も喜びの声を上げ、
「まあ、うちは、いつも通り、
ホットミルクでな、セリア!」
と、セリアさんに釘を挿すミケさんだが、
「おうおう、
相変わらず、うちのオシメ様は、
大人の味が分からん様で、
勿体ない事、この上ねぇぜ!」
と、相変わらず、
大げさに被りを振る艦長。
「ムキー!
うちが何が苦手でも、
アンタに迷惑かけてへんやろうがと、
いつも言っとるやろが!」
と、こちらも相変わらず、
怒りを募らせるミケさん。
「あ~。
平常運転に戻ったなぁって思うっスね、
このやり取り。」
と、述べるオイラに、
「まあ、リーダーたちがいつも通りで安心するのは良いけど、
今日の一件で、ロクスリー君には、
益々《ますます》、ロクスリー君が、
私たちのトップエースって噂が、
新統合に広まって、
熱烈歓迎されるってサービスが、
もれなく貰えちゃうの、忘れない様にねぇ~!」
と、ウィンクするユリンさん…ッ⁉
「ちょ…ッ⁉」
思わず慄くオイラに、
「まあ、今日で、大パワーアップした兄弟なら、
新統合の1部隊や2部隊、
ちょちょいのちょいで撃墜だよな…ッ⁉」
と、ケビンさんが無責任な事を言い、
「まだ、詳しい検査はしていないので、
本当のところは、まだ、把握できていませんが、
今日の38さんの判断で、
ロクスリー君の恒常的なパワーアップが図られた様子ですし、
38さんの判断の件が、
本当に機能しているなら、
本当に、ロクスリー君は、
ボクらのトップエースと言える存在になった…。
と、考えられますしね。」
と、メガネをクイっと指で上げるマカロニさん。
「いや、
何か、パワーアップはしたみたいっスけど、
それほど、オイラの秘めてた力とかいうのも、
そんなに強く宛てにされるほどじゃないだろう…。
っていうか…。
オイラには、
荷が勝ち過ぎる期待を、
皆さん、してらっしゃるっていうか…。」
と、歯切れの悪いオイラに、
『大丈夫です!
今日のマスターは、前マスターにも負けぬ活躍でした!
マスターの真の御力なら、これからも、
皆さんのお役に立てる事でしょう!』
と、珍しく38が、
息を荒げる様に、
強い口調でオイラを賞賛する。
「凄いよ! ロクスリー君!
あの伝説のTHの、
君のお父さん並みの強さになったって、
38ちゃんが証言してくれたんだよ!」
と、こちらも珍しく、
普段無口なリッドさんが声をあげ喜び、
「ロクスリー君の、お父さんの、
発掘の英雄、リィト=ロクスリーさんは、
それは凄い操縦テクニックだったらしいし、
その、お父さんと同じくらいなんて、
ホント、凄い事だよ、ロクスリー君!」
と、セリアさんも、
大いにオイラを讃える。
「え…いや…その…う~ん…。
父さんが、どれ程、凄かったかは、
実は、オイラ、あんまし知らないんスけど、
とにかく、オイラ、まだ、Gに乗って、数週間っスし、
あんまし過大評価はしないでやって下さいっス…。
でも、とにかく、できるだけ頑張るので、
皆さん、温かい目で見てくれると嬉しいっス!」
と、物心付いた時には、
WGの工事作業ばかりやってた父さんが、
皆が期待を寄せる程の、
超絶的な操縦テクだったってのにも疑問だし、
オイラが、パワーアップしたっぽくても、
主戦力扱いとかされたら、
死地に追いやられそうで、
ホント、怖いけど、
皆さんが、
これ程の期待を込めてくれるなら…。
オイラも…オイラだって…。
と、オイラが感慨に耽っていたら、
「あ…リーダー。艦長。
カルナダのKG、
百鬼丸が、
こちらに、向かっており、
着艦許可を願って来てます。」
と、セリアさんが、コーヒーを淹れる手を止めて、
ミケさんたちに報告する。
「来たか。
良し、着艦を許可する。
だな……ミケ?」
と、艦長が、ミケさんに尋ね、
「ああ、
色々、これからの準備もあるやろうしな。」
と、着艦許可を出すミケさん。
「ユリン。
百鬼丸の、
壮者のエスコート、頼む。
安生、連れて来たってな!」
と、ユリンさんにミケさんが指示を出す。
「OK~! まっかされたよぉ~~!」
と、相変わらず、軽めのノリのユリンさん。
ユリンさんが、Gデッキに向かった後に、
「リーダー。艦長。
カルナダの旗艦空母GSのシュヴァーンから通信です。」
と、カルナダの通信が来た事を告げるセリアさん。
そして、ソルファージュのブリッジの通信モニターに、
カルナダのリーダーと思わしき、中年っぽい男性が映し出される。
茶色のパンツに、
白のクロースという出で立ちで、
黒髪の五分刈り。
ドスが効いた見た目をしており、
一見するとステロタイプなヤクザそのものという感じ。
「TS、
トロイメンカッツェのメンバー。
今日は、ご苦労だった。」
と、レジスタンスのリーダーらしく、
威厳のある言葉を述べるが、
「君たちのお陰で、
今日の作戦は成功した。
だが、それもこれも、
百鬼丸の壮者の、
うちの息子の、ライコノフ=エギータ。
通称、ライの働きがあっての事だが、
貴君らが、それを気にする事はない!」
と、何やら、雲行きが怪しくなって来た…ッ⁉
「もう、うちの息子のライは、
操縦テクニックは抜群で、
KGの、
百鬼丸を、
手足のように動かす。
その上で、優しく素直な子で、
父である私に、いつも尽くしてくれる!
本当に素晴らしい子なんだよ!」
と、何か変なスイッチが入っちゃった様子で、
息子の自慢話を、
取り留めもなく始め出す…ッ⁉
「あ…は…ハイ。
それは…凄いですね…。」
と、柔和なリッドさんが、
思わずと言った感じで、相槌を打ってしまい、
「そうだろう! そうだろう!
そもそも、ライは、私にとって、神が与えてくれた宝でな!
朝昼晩の御飯後の歯磨きも、
綺麗に丁寧に行うし、
髪のセットも、丁寧にバッチリ!
その上で、優しく、屈託のない性格!」
と、未だに息子自慢が止まらない、この方に、
「あ…え…え~っと…。
そ…その…凄いですね…。」
と、リッドさんが、
尚も、
相槌を打ってしまい、
話がエンドレスで続きそうな所で、
「辞めろ、リッド!
このオッサンの様子だと、
付き合っていたら、日が暮れても息子自慢が続くっての…ッ!
適当に相槌を打つんじゃねぇ…ッ!」
と、ケビンさんが割って入って話を止めてくれる!
ナイス! ケビンさん!
「カルナダの。
息子の自慢話は、もう良いから、
カルナダの戦力的なデータを教えて貰えんか?
済まんが頼むぜ。」
と、バーダック艦長も、
話を元に戻そうとしてくれる!
そこに、ユリンさんが、
百鬼丸の壮者と思われる、
このモニターの人に、ライと呼ばれてたっぽい人を連れて来る。
「あ~。
また父さんが、やっちゃったみたいで、
済まないね、TSたち。」
と、頭を下げ、
「っと、
父さんから聞いてるだろうけど、
まずは自分の自己紹介からだよね。
ボクは、カルナダの主力、KGの、
百鬼丸の壮者で、
ライコノフ=エギータ。
カルナダの皆からは、ライって呼ばれている。
以後、よろしく。」
と、言葉を繋いでから、
「そして、
いま、この艦のモニターに映っているのが、
ボクの父で、カルナダのリーダーの、ドルチェ=エギータ。
TSチーム、トロイメンカッツェが、
これからも新統合と戦ってくれるのなら、
カルナダは、トロイメンカッツェと友好的な関係を築ける事を約束する。」
と、リーダーと言われた、
親バカ満載過ぎた、ドルチェさん、
と言われる方が、
褒めたたえるのも、
ちょっと納得しちゃいそうな程、
綺麗に言葉を纏めるライさんに、
「ふへぇ~~……ッ!」
と、感嘆の声を上げてしまうオイラ。
「中々《なかなか》、良さそうな奴じゃん!
よろしくな、ライって奴と、
ドルチェって、おっさんも!」
と、ケビンさんが声を掛け、
「うん! うん!
本当に、良い子っぽいよね!
でも、なんだろうなぁ~?
見た目も、性格も、中庸っていうか…。
尖ったところが少なくて、
ちょ~っと、アダム君とアダム君のヘブンを担うには、
荷が勝ち過ぎるっていうか、
何か、しっくり来ない感じなのよね…。」
と、こんなに良い人っぽいのに、
何か、ユリンさんの琴線には、
触れずに済んだ模様のライさん!
「ねぇ。彼女は何を言ってるんだい?」
と、不意のユリンさんのダメ反応に、
首を傾げて、オイラたちに問うライさん。
「あ~。
まあ、正直、分からない方が良いっていうか、
ライさんが、毒牙に掛からないのは確定したっぽいので、
安心してくれれば良いですよというか…。」
と、オイラが声を濁して対応していると、
「でも、ドルチェさんは、
アッチ系で、良い線、行ってるよ!
もう、その濃い見た目とキャラで、
総受けっぽいロクスリー君とのコラボで、
アダム君とアダム君のヘブンが、
超、グロースしまくりよ…ッ‼
もうヤバイ…ッ! ヤバイよ…ッ‼ 激ヤバ…ッ‼」
と、何か、ユリンさんの脳内で、ドルチェさんと、オイラで、
あっちの世界を構築してる模様…ッ⁉
で…出るのか…⁉ また…アレが…‼
3倍のアレ…‼ 今にも出ちゃう…ッ⁉
ブバ…ッ‼
「え…ッ⁉ えぇ……ッ⁉」
ハイ、ユリンさんの真正面に居たライさん、
例の、あの赤い迸りに…!
浸食されました…ッ‼
「ええい‼
オマエは、ホンマ!
毎度、毎度、持病を出しおって!」
と、またも、
どこから出したのか分からないハリセンで、
ユリンさんの後頭部を強打するミケさん…ッ‼
「はわっ⁉」
ミケさんのハリセンの一撃で、
頭に上った血の循環が正常に戻ったのか、
ピタッとユリンさんの鼻からの飛沫が止まった。
「ハッ⁉
出してない! 出してないよ⁉
花も恥らう純情乙女のユリンちゃんが、
鼻血なんて出してないよッ⁉」
だから、何で、アナタは、それで鼻血を隠せてると思えるの…ッ⁉
「ゴメンね、ライ君。
ユリンの、いつもの発作でね。
でも、ライ君は、
ユリンの好みから外れてるみたいだから、
これからは、そんなに被害には、
会い難いと思うから!」
と、タオルを渡しながら、
嬉しい様な、逆の意味で、何か引っかかる様な、
微妙な慰めの言葉を、
ライさんに掛けるセリアさん!
「まあ、ダメな奴だが、
こんなでも良いとこもあってな、
悪いが、うちの病人も大目に見てやってくれ…。」
と、ライさんに、
お願いをするバーダック艦長。
「いや…その……ま…まあ…。
そっちの艦長が…そう言うんだったら…。」
と、歯切れの悪いライさんに、
「まあ、まあ、ライ。
世には、多くの人がいる。
色んなマイノリティーも居るが、
それらの人々も合わせて人類だ。
これも良い機会だと思って、
たっぷり、修行を積む想いで、
そっちでやって行ってくれ!」
と、ドルチェさんが、ライさんに進言する…。
ドルチェさん、親バカ過ぎだけど、流石は、カルナダのリーダー!
ドルチェさんの大きく広い心の片鱗が見えた気がする。
んだけど…ッ!
何か、今、変な話、無かった…ッ⁉
「ライに、そっちでやってくれ、っていうのは、
ライと百鬼丸を、うちら、
トロイメンカッツェに預けて、
うちらの戦力にしろって事…やな…?」
と、ドルチェさんに問うミケさんに、
「そうだ。
まずは、今更だが名乗ろう、
私は、カルナダのリーダー、ドルチェ=エギータ。
百鬼丸の壮者のライの父だ。
我々、カルナダには、
貴君らと友好な関係を築き続ける準備がある。
そして、我々カルナダの詳細データどころか、
私の名前すら話さず、ライの話に終始してしまい申し訳なかった。
ライの話になると、つい熱が籠ってしまってな。」
と、頭を下げるドルチェさん。
「過ぎた事だ。
次からは気を付けてくれればそれで良い。
で、肝心のカルナダの戦力情報はどうなっている?」
と、ドルチェさんの謝罪を受け止め、
カルナダの戦力データの話に移行させるバーダック艦長。
「うむ。
カルナダには、
現在、20機のFG部隊が居る。
うちで戦ってくれる熟練の兵の為に、
ガトナスとザヌスが多めだが、
新兵も居る為、ゲズやジーナも、多少は居る。
そして、貴君らも見た通り、
我がカルナダの主戦力たる、
KG、百鬼丸を、
我々カルナダのエースパイロットの、
ライが駆って居る。」
と、ドルチェさんが答え、
「それらの話で、
多少の事は推察できる。
端的に、カルナダは戦力不足。
主力となるKGの百鬼丸と、
その壮者のライ。
そして、ゲズやジーナの部隊はともかく、
ガトナス隊やザヌス隊の壮者たちも、
歴戦のツワモノたち……だが…。
新統合と、
本格的に真正面から相手にするには、
主戦力となるKGの数が、
圧倒的に足りない!」
と、バーダック艦長が、
ここまでのデータからの推察を述べる!
「ご名答。
故に、
そちらに百鬼丸とライを預ける。
以降、こちらの指示があるまで、
百鬼丸とライを、
そちらの指揮下で使って欲しい。
複数のKGを駆る貴君らの下に、
百鬼丸とライが配置される方が、
これからの作戦は、何かと捗るだろうからな。」
と、説明の言葉を告げるドルチェさん。
「これからの作戦?
やっぱし、新統合に、
こっちから弓轢いたから、
更に、新統合に挑めって事か…?
でも、ザイル隊ってのの撃破で、
今回の作戦を終了したから、
これでリンガル邨の人々の治療は何とかなるんだろうし、
後は、死なねぇ程度に頑張りますかね!」
と、やんわりとカルマさんとの約束の話に、
言及するケビンさん…だったが…!
「先生は、
この作戦を行うに当たって、
『まず』と前置きしました。
ですから、恐らく、
今日の作戦を終わらせただけでは、
リンガル邨の人々の治療は行われないでしょうね。」
と、マカロニさんが、メガネを指で上げながら、
ご無体な話を述べる…ッ⁉
それに対して、
「だな…。」
「そうやろうね…。」
と、艦長も、ミケさんも、
肯定の言葉を話す…ッ⁉
「カルマの予想通りか。
アヴァドンのミケは、
今回の件も想定しているだろう、
との話は聞かされていた。」
と、ドルチェさんが告げてから、
「カルマさんから、ボクたちカルナダに、
既に、次の作戦は通達されているんだ。」
と、話し出す、ライさん…ッ⁉
「また、
野郎の掌の上かよ…ッ⁉」
「もう、あの人は、これだから…‼」
と、ケビンさんとユリンさんが、
口々に、カルマさんへの不満を述べ、
「OKや、
早よ、概要の説明を頼む。」
と、ミケさんが先を促す。
「良し。
まずは、この地図を見て貰いたい。」
と、ドルチェさんが言い、
「この地図のポイントに、
君たちと、ライのKGで、向かって貰いたい。」
と、述べる。
「セリア、地図の場所の照会データは…?」
と、セリアさんにミケさんが尋ねるが、
「特に特別な場所というデータは、
ソルファージュのOSで調べた限りでは、有りませんね。
ごく平凡な平地の様です。」
と、セリアさんが返す…ッ⁉
「相変わらず、ワケの分かんない指令だし、あの人…ッ‼」
「ホント! あの野郎は…ッ‼」
と、苛立つ、ユリンさんとケビンさんだが、
「で、どういう事なんや?
何の為に、
そんな場所に、うちらは向かわされるんや?」
と、直球勝負で問うミケさん。
「実はな。その地点は、
新統合の大規模演習地点のド真ん中でな。」
と、ドルチェさんが告げる…ッ⁉
『えぇぇぇーーーッ⁉』
と、普段、驚きやすいオイラだけでなく、
ミケさんとバーダック艦長以外の皆が、
驚きの声を上げてしまう!
「新統合の、
大規模演習地点のド真ん中に突っ込めとか、
あの野郎、ホント、何考えてやがんだ……ッ⁉」
と、更に驚きの声を上げるケビンさん!
それに対して、
「この新統合の大規模演習地点には、
うちの百鬼丸と、
貴君たちのKGが攻め込む。
そこに今日と同じで挟撃の形で、コーダという、
我々カルナダの他の反新統合のレジスタンスから、
4機のKGが向かう事になっている。
つまり、10機ものKGが、
新統合の大規模演習地点に一堂に集まり、
反攻行動に出る事になる。
そして、新統合は、
今日の敗戦の結果から、
挟撃の形を取って来る事を予想し、
挟撃の更に挟撃の形に、
攻めて来るだろう。
しかしそうなれば、貴君たちの負担は増えるが、
明らかに新統合の目を引く事になる。
そうすれば、新統合の戦闘の為の人員が、
その地点に集結する事になるのだから、
他の地点は手薄に成らざるを得ない。
そして、その間に、
我々カルナダと、コーダの別動FG部隊が、
別地点の新統合の補給部隊を強襲する手はずになっている。
つまり、次の作戦の目的は補給部隊の強襲で、
貴君たちの仕事はKG10機を総動員した、
現状で出来うる限りの大規模な陽動だ。」
と、ドルチェさんが、トンデモな説明を一気に告げる…ッ‼
「ちょ…ッ⁉
よ…陽動って言ったって…⁉
10機ものKGが仲間なのは凄いとしても…!
そう言っても、たった10機だけなんスよ…⁉
それ、ほぼ死刑宣告じゃないんスか…⁉
だ…だだ…⁉ 大丈夫なんスか、ミケさん…ッ⁉」
と、驚天動地のオイラ…ッ!
「あのカルマの、おっさんが建てた作戦なんやったら、
勝算は、ちゃんとあるんやろう。
そのコーダいうレジスタンスの4機のKGってのも、
パイロットは選りすぐり、
機体も、相当な良品質な機体たちのはずや!
OK! 了解した!
ただ、次のその作戦時に、
目標の補給部隊を、
レジスタンスのFG部隊が叩いた後に、
作戦成功の迅速な暗号通信の送信を、
必ず迅速にこちらに送る様にして欲しい!
うちらの撤退が、
スムーズに済むようにしてくれんと、
エンジェルシード1機だけでは、
うちらの機体を補給しまくろうと、
継戦を続けるのは、
次の作戦の規模のデカさやと、
流石に厳しいやろうからな!」
と、ドルチェさんに注文を述べるミケさん!
「こちらも了解した。
暗号通信は、迅速に送る様にしよう。」
と、了承の意を告げるドルチェさん。
「つ……次の作戦…。
生きて……帰れるんだろうか…ッ⁉」
と、ガクブルのオイラに、
「こうなれば、
そのコーダっていうレジスタンスの、
4機のKGってのに期待するところよね。」
と、ユリンさんが答え、
「まあ、
先生のメガネに敵う人たちのKGなのですから、
戦力的には期待できると思いますよ。」
と、カルマさんの判断を支持するマカロニさん。
そこで、
「でも、コーダってとこの、
その4機のKGが期待できるってのなら、
今回、うちに来た、ライの百鬼丸ってのはどうなんだよ?」
と、ケビンさんがオイラたちが忘れていた、本質の話をし出す!
「う~ん……。
良い機体ではあるのかもだけど、
何か、さっきの戦闘だと、
先制で放ったコンテナミサイルは、
攻撃範囲が広くて凄かったけど、
威力が…ちょっと…無かったかなぁって…。」
と、歯切れの悪いリッドさん。
「だよねぇ。
他の装備も、見た感じ、地味で、
機体本体の性能も、端から見た感じだと、
地味だったよね…?」
と、ユリンさんも言葉を濁す…。
それらの言葉に対して、
「地味じゃない…ッ‼
汎用性に優れているんだ…ッ‼
君たちのKGは、
極端に特化し過ぎていてクセがあるけど、
ボクの百鬼丸は、
汎用性に優れているから、
どんな場面でも確実に戦果を挙げられる、
万能のKGなんだ…ッ‼」
と、ライさんが必至で訴える。
「じゃあ、何か、
特殊な装備でも付いてないのか?
オレたちの、
トロイメンカッツェのKGたちの、
特殊装備たちみたいにさぁ…?」
と、ケビンさんが、そこで問う。
「良く聞いてくれた…!
ボクの百鬼丸には、
広範囲バレットジャマーという装置が付いていて、
敵部隊周辺に、コンテナミサイルを撃つ事で、
ミアイルしての威力は、ほぼ無いけど、
コンテナミサイルが着弾した着弾地点の周辺に、
百鬼丸を中心に、
1キロメートルの範囲の自機と味方機体への、
敵からの誘導ミサイル攻撃を40%の確立で逸らし、
ミサイルやバズーカとかを含む、実体弾の、
自機含む、味方機への着弾時の炸裂を、
40%の確立で阻害する事ができるんだよ…!
ただし、マイクロミサイルを使わない時は、
百鬼丸から300メートル以上から放たれた、
敵の誘導ミサイルや実態弾は効果範囲外だけどね…!」
と、胸を張って誇らしげに言うライさん。
……だったんだけど…。
「何だか、有っても無くても困らなそうな地味な装備ね…?」
と、ユリンさんに指摘されるライさん…。
それに、
「地味じゃないッ!!
汎用性に優れているんだッ!!」
とライさんが、ちょっとキレ気味に答えるが、
「40%とか微妙過ぎるだろ…!
せめて50%くらいは言えよ…!」
と、ケビンさんにまでツッコミを入れられる始末のライさん!
「40%って言えば凄いんだぞ…ッ⁉
考えてもみてよ…ッ⁉
野球とかでも3割バッターとか、
どれほど凄いか分かるだろ…ッ⁉
3回に1回以上防げるって凄いんだぞ…ッ‼」
と、更に声を荒げるライさん!
その上で、
「まあ、そこは確かにそうですけど、
自機から300メートル以内の、
敵のミサイルやバズーカなdの実弾にしか、
効果が無くて、
マトモに機能させるには、
相手陣地に、事前にコンテナミサイルを撃ち、
ジャマー範囲を強化しなくては、ダメというのは、
汎用性にも、
優れていないと思うのですが……。」
と、冷静にマカロニさんに分析されるライさん!
その無慈悲な分析の言葉に…。
「た……確かにそうだけど!」
と、言葉を詰まらせるライさん!
……だったんだけど…。
「良いじゃねぇかライ。
地味で結構。
オレたちの様な縁の下の力持ちが居るからこそ戦えるんだ。
それに、百鬼丸は、
誰が何と言おうとオレたちのトップエース機で、
ライ、オマエもトップエースパイロットだ。
それは、
オレが一番良く知っている。
だから、他の奴が何と言おうとオレとオマエが、
それを分かっていれば良いんだよ!」
と、ドルチェさんがライさんに暖かな言葉を投げかける。
ドルチェさん、
最初は、
ただの息子自慢だけの人かと思って引いちゃったけど、
ちゃんとレジスタンスのリーダーなんだなと感心するオイラ。
それは、トロイメンカッツェの皆さんも同じだったようで、
「まあ、地味だったけど、
確かに、ザイル隊を追い詰めてくれたのは、
ライの百鬼丸と、
カルナダのFG部隊の皆さんだったしね!」
と、ユリンさんが、方向転換の言葉を掛け、
「まあ、装備してた武器も、
確かに汎用型っちゃそうだったし、
さっき話を聞いた装置も、
無いよりかはある方が良いのは、
良いだろうしな!」
と、ケビンさんも、再評価の言葉を口にし、
「君たち……。」
と、お二方の、優しくなった言葉に、
感じ入るライさん!
「まあ、新統合の部隊のド真ん中で、
派手に喧嘩しようってとこに呼ばれた奴だ!
コーダってとこの4機のKG共々、
戦力として換算して良いと、オレは思うぜ…?」
と、バーダック艦長がまとめの言葉を告げ、
「ってワケや!
ライには、次の作戦では、
うちらの指揮下に入って貰う!
皆も、
安生、気張って貰うで!」
と、締めの言葉を口にするミケさん!
それに頷く、オイラたち……。
天国の父さん、母さん、
新統合の大規模演習地点ド真ん中に挑むという、
ムチャは怖いし、永遠と抜けられないデッドループに、
陥れられない事を願うばかりですが、
38のお陰で、
今日で、オイラも少しはマシになった様ですし、
ライさんの百鬼丸や、
未確認のコーダってレジスタンスの4機のKG、
新たな戦力が加わってくれるんスから、
オイラも……、
何とか……皆さんの役に立てる様に…頑張ってみます……ッ‼