One Under Full Ⅰ
「お兄!! 何してんの遅れるよ!!」
小和田高校の正門が閉まるのは、朝8:00。別に高校生なら当然、誰でも起きれる時間のはず…
だがしか~し彼普通の人間とは違うのだ、
中二全開のセリフも、夢なら別に誰かに聞かれるわけでもないので、言いたい放題だ、、
「おきt…」
「起きて…」
ミシッ、何かが壊れる音した、
「起きろっつってんだよ!!!」
せんべい布団なので、あるあるのベットから落ちてドサッなどという音は聞こえず、ファッサッという聞きなれないような音がする。
「はっはっはっふぁ?!ごふぇっ?!」
妹は顔をしかめる。なんだこいつ、きっしょみたいな顔で彼をみた。
「フフフ、君を確実に破滅させることができるならば、公共の利益の為に僕は喜んで死を受け入れよう。」
彼は、ニヤリと妹を見た。
「じゃあ、公共の利益の為に死ぬか、かわいい妹が作った朝ご飯を食べに起きるか選ぶ?」
「起きるか、」
俺の名前は、蓮夜。まあ、今はしがない高校生というものをやっている。自分で言うのもなんだが、顔は悪くはないほうだと思う。階段を降りると食卓があるが、その前に毎朝の日課である、”鏡を見る”を実行した。
顔を洗うためでもあるが、父親に似たおかげのいい顔立ちを眺めるためでもある。ありがとう、父さんなどと考えていたら、ベーコンの焼けるにおいがした。そろそろご飯のできる時間だ。さっきは、夢と現実との区別がつかなくなって、変なテンションでシャーロックホームズの名言をつい口走ってしまった。などと考えながら、食卓に向かった。両親は共働きで海外にいるという何ともなテンプレな感じだが、まあ特にこれと言って後ろめたいことは起きない。その後、テーブルを前にして悟った。なんと、妹は豪華な朝食なのに対し、俺の飯は、緑茶一杯置いてあるだけだった。
「あれ?俺ってもうご飯食べたのに寝ぼけて忘れたのか?」
俺のほうを少しごみを見るような目で見た後、ガン無視だ。これだから妹は、まったく。俺が何をしたってんだ。
「はい、弁当ここに置いとくから。」
急ぎ足で家を出て、あっという間に家は一人になった。
「うまい。」
以外にも緑茶だけで腹は膨れた。おっと、紹介が遅れたが、ちょっと生意気な妹の名前は、安。顔は俺に似て美形だ。
「そろそろ行くか、」
戸締りをして、家を出た。