多分物書き界隈で一番風評被害を食らっているあの方からのお叱りの言葉(擬人化作品)
ヤオヨロズ企画参加作品です。
色んなものを読んでいる中で「あ、また風評被害が…」と思う事が多かったので代弁してみました。
短いですが、正体見破れるでしょうか?
よう、俺だ。
今日はお前ら物書きに言いたい事がある。
いや、世の中全員にだが、特に物書き連中。お前らには声を大にして言いたい。
お前らよ。
一体俺を何だと思っていやがる
断っておくがな、俺は「死ぬ」なんて事とは無縁な存在だ。
それがお前、何かったら俺が関わってるみたいな言い方しやがって。
大体な、俺を見た事があるか?
見た事無いだろう?
俺がどんな物なのか、気にした事があるか?
気にした事もないだろう?
そのくせ、俺の名前だけは拝借して死の象徴としやがる。
ふざけんなって話よ。
俺に出来る事なんてのは、ピカピカ光る事と、くるくる回る事だけだ。
走ったり、過ったりなんてできないんだぜ。
どうだ、死ぬなんて事とほど遠いだろ?
どんなに逆立ちしたって、それで死ぬ奴ぁいないさ。
……それでも俺を死の象徴とするか?
はぁ。俺をもっと良く知ってくれよ。
今は便利な時代さ。ちょいと検索してみれば、俺が言いたい事は分かるはずだ。
俺はただ、お前らに綺麗な物を見せたいだけなんだよ。
何?
ここまで言っても俺の名前が分からない?
かーっ!鈍ちんだねぇ。
俺の名前を知らないってか!
いいか、俺の名前を、耳かっぽじって聞きやがれ。
俺の名前はな。
「走馬燈」ってんだ。
「走馬燈」ってなかなか綺麗なものですよ。なかなか実物を見る機会はありませんが。
しかし誤用が多いものでもありますな。
「走馬燈が見えた」→見えません。
「走馬燈が走った」→走りません。
「走馬燈が過った」→過りません。
「走馬燈のように過去が見えた」→正しい。
もう「走馬燈」で通じる時代なんだから、そんな重箱の隅を突くような…と言われればその通りなんですがね(^^;