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すべての事は・・遥か時の彼方に・・前編(にやんこの大魔法使い・お菓子祭りと竜の虫歯)

作者: ののみやゆい(または ののちゃ のの1号 高木真弓)

にゃんこ王国で 秋の収穫祭に続き・・

お菓子な祭り(ふぇすてばる)が 開催中である


幾つか 小さな噴水には ココアに ミルクやジュースが湧いてる・・


無料のお菓子の山も あちらこちらに積まれてる

ピンククリームに銀色粒(チョコがかかったドーナッツに 


ジンジャーブレッド


ケーキももちろん


ホワイトなイチゴケーキにバターケーキにチョコケーキ


巨大なお菓子もある ビル2階建てほどの大きさの

マフイン・・・などなど


お菓子作りの大会は 毎年恒例


ここは にゃんこ族(ねこ耳、尻尾つき)が住む王国

中世欧州風の街並みが広がる 平和な街



賑やかである・・


そのすぐ近く街の離れで哀しそうに 

大きな竜がため息をついてる むし歯で お菓子が今は食べれない・・


そこには他にも 沢山の竜たちがいた


お菓子を食べる前に 沢山の竜たちが 歯磨きをしてもらってる


「そっちは済んだあ? ごめんね 手伝ってもらって・・」


ネコ耳 尻尾つき(茶色) ふんわり金に近い茶髪

の男の子・・な(にやんこ)リアは言う


「うん!済んだ!

いいよ気にしないで 魔法使いの弟子の仕事って 大変だね」


こちらは 長めの黒髪に青の瞳の綺麗系の


・・すごく可愛い子(黒のねこ耳と尻尾)の子 ナジュナジュが言う


「後で お弁当食べようね用意してきたよ!」ナジュナジュ


「そのお言葉待ってました!」嬉しそうに リアは言う


「兄たん達 頑張れええ」小さな女の子 ナジュナジュの妹 アシャアシャは言う


デッキブラシで 数匹の大きなドラゴン(竜)の歯を磨いてる


特製のハミガキ粉で磨き バケツの水で 磨く


長めの棒で 口を固定して時には 口の中に入って磨く

(たまに 竜がくしゃみをして

エライ事になる・・事もあるらしい?)


「修業の一環で 竜の歯磨きなんて・・変な話だけどね・・。」


ため息を軽くついてみる


「竜たちは 街を守ってくれたりする 仕事をしてるから・・しかし


甘党が多くて 虫歯にならないようにこうして 朝と夕方磨いてるけど・・」


「今日は朝の当番は僕・・」リア


「問題は ・・あの・・むし歯になってしまった竜だよね」



ボンヤリと竜は…足元で せっせと竜達の世話をしてる


にゃんこ族(猫耳としっぽ付きの人間)のリアをみてる


竜から見たら 小人のような彼等を見てる


ズキンズキン痛む虫歯で腫れた頬を

前足で押さえつつ



ボ~として 見てる…


あ…あの金に近い茶色の髪の子  リア・・



あの黒髪の子ナジュナジュに気があるのか?


話ってると 頬が赤いぞ 嬉しそうにしてる


あの二人はデッキブラシでほかの竜たちも歯を磨いてる


ああ・・今日は シュークリームで出来た輪を空中に浮かべ

輪くぐりをする日だったのに・・・


しくしく・・。


「ほら 元気を出して 竜のおじさん

とにかく 少しだけど 痛み止め飲んで・・」


差し出せた 大きなたらいに入った 薬を飲む


「ひとまず・・他の竜たちと一緒に ワシは 広場に行くよ」と竜


「それにしても・・師匠・・アリステア先生 遅いな・・


薬の材料を取りにあの山に行っただけど・・


あれがないと 虫歯の薬 作れないよ・・」リア


「うん お弁当 アリステア先生の分もあるよ」ナジュナジュ


「・・・師匠 アリステア先生 遅すぎる」と少し茶のかかった金の髪の少年ねこのリアは言う


「そうだね・・遅すぎる」と

こちらはサラサラ、ストレートの黒髪を肩のあたりまで伸ばした少年(?)

美人(?)なナジュナジュ・・



「・・・迎えに行こうか?」リア


「ええっ! 大丈夫なの?」ナジュナジュ


「‥怪しいけど多分  大丈夫・・かな?」リア


「アシャアシャも行くう!」ナジュナジュの妹で小さなアシャアシャ

巨大な魔力を秘めた女の子・・将来の暗黒の女王の異名を持つ 大魔法使い


「・・ど、どうしよう?」リア


「・・時々 魔法を暴走させるけど・・この子の力はすごいから・・

行くなら 皆 一緒に・・」


「魔法薬の材料の巨大カモミールの花びら・・あれがないと・・

痛み止めと麻酔が作れない・・」リア


「狂暴で危険な巨大きのことか 巨大たけのこ

とか出るから気をつけなきゃね」ナジュナジュ


「じゃあ アリステア先生を迎えに行くから ちょっと待っててね」

リアは 虫歯で苦しむ竜に向かって言う


うなずく竜


「気をつけてな!」竜


「お昼のお弁当は 山の中で食べようね」ナジュナジュ


「そうだね」リア


用意を整え 山道を歩くリアとナジュナジュとアシャアシャの三人


三人が出発して すぐ 竜の目の前に まあるい大きな光が現れる 白い光


「おっ!」驚く竜


光が消えるとそこには 一人の少女・・変わった服装・・古代の服の形・・



「う・・うんん・・」座りこけて 金の髪の少女は呟く  耳は猫みみではなく 変わった形


可愛らしい顔立ちで 瞳は 天上の深い青と金に近い茶色・・オッドアイ


「あ・・あのみしかして まさかと思うのですが・・白のエルトニア姫・・?」


「あ ことばが通じる・・うん そうだよ 僕はエルトニア エイルだよ


にこっと笑う・・


ぽかぽかの春・・いい気候・・・道ばたのお花も綺麗


「いいお天気だね」リア


「うん お弁当も持ってきたから 楽しみにしてて♪」ナジュナジュ


「デザートの焼き菓子もあるよ~ナジュナジュ兄ちゃんのお手製」アシャアシャ


「おおっ!それは楽しみ」


「ねえ・・ところで リア」


「何?」


「魔法の呪文で時々出てくる 人の名前・・というか 大昔の勇者や伝説の人達・・」


「名前なしの普通の魔法も多いけど・・よく使われるよね」ナジュナジュ


「ああ・・たいてい威力がますから・・


大昔の伝説の王とか・・まあ大きな火の魔法を使うなら

不思議な焔色の瞳を持つ黒の王であり火竜王サラマンデイアのアーシュランとか 


そのアーシュランの妹で 同じく焔の瞳を持ち 

哀れなる闇に落ちた火竜王テインタルとか・・だよな」


「水の大魔法なら やっぱり水竜の女王アルテイシアかな・・」


「・・実は アーシュランよりテインタルの方が 火の魔法の威力は強いけど・・


強すぎるから・・一大事の時しか あまり使われないな・・


魔法学校では一応 禁じ手・・皆 守らないし 先生も黙認してるけど・・」


「テインタルは 実は火竜王サラマンデイアアーシュランの異父兄妹で

妹・・白ユリに例えられる すごい美人だったらしい」


「それから 必ず彼女の名の呪文を唱える時には


美貌の哀れなる火竜王サラマンデイアとか 麗しきとか 美貌の・・とか


つけないと・・魔法が暴走したり 不発だったり・・とか・・」リア


「そこは さすがに女の人だよね」ナジュナジュ


「後・・同情の言葉も・・薄幸の人だから・・」


「本の伝承によると・・敵に捕らわれて 呪いの入れ墨されたらしい・・


後・・その時代 いにしえの黒の国では・・


兄妹婚が可能で 異父兄妹・・兄のアーシュが好きだったとの事・・


まあ 呪いの入れ墨のせいで 可哀そうに敵同士だったけど・・」リア


「面白い伝承は沢山あるよナジュナジュ アシャシャ


めったに使われないけど 召喚魔法に使われる 犬の姿の魔法使いわん子とか・・


癒しの魔法に 

たまに黒の国の王のアーシュランの薬師だったとされる魔法使いのジェンとか・・


一説では さっきの水の女王 水竜の女王アルテイシアは


炎の魔法の火竜王サラマンデイアアーシュランの所に押しかけて

無理やり 第二王妃の称号だけはゲットしたらしいとか・・


まあ・・不確かすぎる話だけど・・」笑うリア


「・・押しかけ女房・・」リア


「もてもてじゃない! 黒の王 火竜王サラマンデイアのアーシュラン?」

ナジュナジュ


「そうだね・・」ちょっとうらやましそうなリア


アシャアシャは大きなキャンデイの棒を手にして 

舐め舐めしながら 聞いている


そして・・まだこの時点では 会話の中の・・


伝説の白のエルトニア姫が出現して 街中が大騒ぎになってる事などと知らない・・


リアとナジュナジュ達


「・・今でも 黒と白の国があったとされる地では


時々 白や黒の翼やら 長い耳や変わった形の耳の子とか両生体が産まれるけど・・


その姿を一部でも受け継いだ者は 長生きで 綺麗で ほぼ魔法が使えるよ・・」

と 長々と・・リア


「ふう~ん」ナジュナジュ


いにしえのいなくなった人々・・長寿で見目美しく・・


もの凄い魔法使いだった人達・・


白の国の方は 幻獣を従える 不思議な呪術の歌とかあったらしい・・」


「・・あと 風や水の魔法で名を唱えられて


よく使えわれるのは・・レグルスと白のリアンかな・・


まあ 水のアルテイシアやアーシュランも可能みたいだけど・・」リア



「土の魔法も火竜王サラマンデイアの名を唱えれば 使えるけど・・


全部の魔法なら 全ての属性を持つ 闇に落ちたテインタルだけど・・」」


「そういえば・・光や癒しの魔法でよく出てくる エイル・・エルトニアって

オッドアイの美しいお姫様で・・


確か さっきの黒の王 火竜王アーシュランの最愛の恋人でしょう・・?


彼女の一人の為だけに 彼女の故郷 白の国を一度救ったって・・」


「結局 二人は どうなったの・・」ナジュナジュ


「ええと・・確か 本には・・」と言いかけたリア


がさ! すぐ傍から気配!


「うわっ!」


巨大きのこが 草むらから飛び出してきた!


「人間!食う!」よだれをたらす 巨大きのこ


「なめるなよ!このリア様を! お昼か夜の食材にしてやる!」


早速 魔法を使うリア


火竜王サラマンデイアたるアーシュラン!

その加護により 現れよ! 炎の魔法 火の柱!」


1本の炎の柱のような炎が現れ 巨大きのこを焼き尽くす!


シュボオオ~


「うおおんん!」バタン! 巨大きのこは倒された


きのこが焼ける いい匂い・・ああ・・美味しそう


「リア こんなに食べきれないよ」ナジュナジュ


「ひとまず 風と時空の魔法で 家に送るか・・帰ったら皆で食べよう!」


「うん!」


「時空を彷徨う麗しき銀の髪のケンタウロス レグルス

それとその友 白のリアンよ


この巨大きのこを家に送りとどけよ!」リア


すうう・・ゆっくりと・・こんがり いい匂いのきのこは消えて

リアとアリシテア先生の家へと飛び去った


「ざっと こんなもん!」えっへんと両腕を腰にかまえ 偉そうなリア


「リア しゅごおおい!(すごい)」アシャアシャ


「さすがだね リア」ナジュナジュ


「こんな もんでしょ!」リア


「さあ 急がなきゃ ナジュナジュ アシャアシャ!


アリシテア先生 


何処で巨大カモミールの花びらを捜してるだろう?」


山道をずんずんと歩く三人


「そろそろ お弁当食べない?

お昼の時間だよ」


懐中時計を見て リアは言う


「うん そうしようか?」


リュックから お弁当やらデザートのテインベリーの果実とか

取り出す


「キッシュもあるよ 飲み物はテインベリーのジュース」


長めのパンを真っ二つにして ソースをかけて

鳥肉やトマト レタス きゅうりを

挟んだもの


持ってきた魔法瓶には じゃがいものポタージュ


それらをぱくぱくと食べる


キッシュはアリステア先生の分がまだ沢山・・取り置きしてリュックの中


「そういえば 今度 さっきの山道で話してたいにしえの伝説の人達の肖像画展

あるらしいよ」とリア


「え!本当? 楽しみだね」


「黒の王 火竜王サラマンデイアのアーシュランと・・


エルトニア姫に水の女王アルテイシア姫・・あと最後の白の宗主で 片腕の王


アーシュランが死んだ後 そのアーシュランの子供を自分の跡継ぎにして


・・白と黒の二つの国の王になるリアンは


けっこういっぱい残ってるんだめど・・


妹の闇に落ちた火竜王テインタル王女は ほとんどなくって・・


幼い子供時代の家族の両親と弟と一緒の肖像画が来るらしい」


「へええ~弟いたんだ・・」ナジュナジュ


「戦争で 幼児の時に殺されたらしい アシャアシャぐらいかな?

 だから 知らない人の方が多い 名前も不明・・」リア


「可哀そうだね・・」


「ああ テインタル王女・・もう一人の火竜王サラマンデイアの実の母親

すごい美貌の黒の王妃様 アリアンって言うんだ! 描かれてるテインタル王女と面立ちはよく似てるって}


「なるほど・・道理で その母親から生まれたアーシュランは もてもてさんなんだね!」


「いや 母親は違うらしい・・人族の母親だったって・・だから


純粋な血を持つテインタル王女の方が魔力は勝っていたって・・


一説には その王妃アリアンに憎まれて 命も狙われたらしいよ」リア


「・・王家ともなれば 跡継ぎ争いとかで 親族同士の殺し合いが

白の国も黒の国もよくあったから・・魔法学校の歴史の先生が教えてくれたから


今度 アシャアシャも魔法学校に通うから 詳しく教わると思うよ


何せ その名を魔法の呪文に使うとなると その由来 性質は詳しく教えるから」リア



「・・・ついでに言うと 歴史の先生 女の先生で アーシュランの肖像画を見て


以来 大ファンなんだ・・なかなかのハンサムで 長身で 


筋肉質、細身で引き締まっててて


目つきはちょっと鋭いらしいけど 焔色の瞳が綺麗なんだって・・」とリア



「・・やっぱり モテモテだね・・はは」とナジュナジュ


「あと・・あの水の女王アルテイシアとその父親の肖像画もあるらしい


それと アーシュランの腹心で守護する一人 セルト将軍とその妻ナーリン」



「ふう~ん すごいね 僕の方の学校でもその王様達の歴史の話でるかな?


僕は リアやアシャアシャと違って 魔力がないから 普通の音楽学校だから・・」


「楽器の演奏はうまいよねナジュナジュ 料理も上手だけど」リア


「上手 上手 ナジュナジュ兄たん! 毎晩 子守り歌と楽器の演奏してくれる」アシャアシャ


「うふ・・有難うリア アシャアシャ」笑うナジュナジュ 



「忘れてた・・あと東洋の海苔つき おにぎり 中身は昆布」ナジュナジュ


「おいしいよナジュナジュ」


「うあまい~兄たん」嬉しそうなアシャアシャ


リアは おにぎりを一口食べて さらにもう一口・・と


その時では あった サッとリアとアシャシャとナジュナジュの手から 

おにぎりが消えた


「えっ?」「ええっ!」 「あ・・」それぞれ三人


バサ 近くから音がして その姿を現す


巨大ねずみ!

「チュー」声をあげ 手に持っていた3つのおにぎりを

大きな口を開け いっきに一口でパク!


「こ、こら!」リア


「あたちのおにぎり!」アシャアシャ


「ああ!食べられた!」ナジュナジュ


ニヤリ( ̄▽ ̄)と笑うと 巨大ねずみは 襲い掛かってきた!


「ちゅううー!」


「!」リア


「ええっと! 白のリアン その友レグルスよ!その力を現せ!

かまいたち!」呪文を唱えるリア


風のかまいたち が 巨大ねずみに・・とその寸前でよける巨大ねずみ


「ちっ! 外した」リア


にやりんんんと笑う 巨大ねずみ


そこに 近くにあった木の枝を拾い ぽか!と叩くナジュナジュ


しかし あまり効果がない


ナジュナジュに今度は巨大ねずみが襲い掛かる


「兄たん 危ない! 風の矢!」アシャアシャの魔法


無数の風の矢が当たり「チチュウウー」鳴き声をあげる


 巨大ねずみを撃退する


「ふう・・有難う アシャアシャ」リア


「アシャアシャ 有難う」ナジュナジュ


「えへ」とウインクして嬉しそうに笑うアシャアシャ


「じゃあ そろそろ行こう 早くアリステア先生と巨大カモミールの花を

捜さなきゃ」リア


「うん」とナジュナジュとアシャシャ


山道の抜けてゆくと・・そこには


「うわああ!すごい 巨大カモミールの花がいっぱい!」


「すごいね」ナジュナジュ「しゅごい(すごい)」アシャアシャ


早速 巨大カモミールの茎をよじ登り 花びらの根元を引っ張るリア


ぽろり 花ビラが落ちる


「やった!」ナジュナジュ 「うわーい」アシャアシャ


「じゃあ 早速 花ビラを小さく切り刻んで リュックに詰めて

今度は アリステア先生を捜そう!」リア


「うん」同時にナジュナジュとアシャアシャ


「人や物捜しに使われる 魔具のマスコットの犬の人形は・・あれ

忘れた・・しまった・・」リア しばし考えて


「ふむ・・導きの呪文 そう言えば アリステア先生に倣っていたな」とリア


「呪文使うの?」ナジュナジュ


「うん」リア


「アシャアシャも手伝うう」アシャアシャ


「有難う じゃあ一緒に・・と

その前に アリステア先生の持ち物が何かいるんだった・・」自分の額を叩くリア


「あ 僕もってる」ナジュナジュ


「これ この笛 子供時代に使ってたけど


あまり使わないからって 僕にくれたんだ」


「有難う 借りるね ナジュナジュ」


「風の呪文・・ふたつの顔を持ちたる 美しきナジュサナアリ

その力を我に与えよ この笛の前の所有者 アリステア先生の元に僕らを導け・・」


ふわりと 笛が 宙に舞い上がり 丸い光となり 向こうへとゆっくり飛んでゆく


「あっちだ・・行くよ二人とも」 「うん!」元気よくうなずく二人


巨大カモミールの花畑を抜けて 森の中の道をゆく三人


そこに ぴよんと飛び出して 道を塞ぐ 巨大きのこ!

「人間 食う!」


「また 出たな! 真っ二つにしてやる! よし風の呪文 かまいたち!」


だが 寸前でひょいと避ける

「ちっ! 外した!」 「ああ」 「ありやらら・・」


巨大きのこ

「ふふふふふ・・食ううう!」


ジャンプして 踏み倒そうとする

「うわ よけて 二人とも」 「あ はい!」

それぞれ左右に別れ 攻撃を避ける三人


くるり~んと アシャアシャを抱えたナジュナジュに向かって 大きな口を開ける

口には 鋭い牙!


「きやああ」


「!」


「ううんと・・魔法! 大地の槍いい!えい!」アシャアシャ


大地が ゴオオーっと音を立て もり上がり それは大きな槍のように巨大きのこを

下から突き刺す!ザクッ!


「うおおん!」ガク・・と突き刺されたまま 力尽きる巨大きのこ


「やったあ」 


「有難うアシャアシャ じゃあ 前に倒したきのこのように 早速 家に・・」

と言いかけて止るリア


無数の巨大な影・・


沢山の巨大きのこが現れた


「うあああ!」 「きやああ!」 「あにや・・」


「・・人間 食う!」巨大きのこ達は ほぼ同時に言う!


「うわああ~!」「きやああ~助けてええ」 多勢に無勢の三人・・

ナジュナジュはアシャアシャを抱えて逃げ出す


「きゃきゃ!」アシャアシャは楽しそうである


「えっとえっと 呪文!呪文!」


「み・・水の女王 水竜の女王アルテイシアよ!お願い!


あの巨大きのこを 水の波を起こして 流してくれええ!」


必死になって 一応の形の呪文を唱えるリア


宙から 水の塊が出現して それは波となり 無数の巨大きのこに襲い掛かる


ザブ~ン 波は巨大きのこたちを何処かへ 押し流す


「うきゃ~!」「うきゅううう~!」 「きょえいいい!」巨大きのこは押し流される


「き・き・やああ!リアああ!」「おむずう(お水)沢山 濡れたああ!」

ナジュナジュはアシャアシャを抱えたまま 巨大きのこ達と一緒に押し流されようとしていた


「しっかり 僕の手に捕まって!」


片方の腕を近くの木につかまり 空いたもう片方の手を

ナジュナジュの方に伸ばす 


アシャアシャを抱えながら リアの手を掴むナジュナジュ


それから 波が消えて・・「・・・ふう・・なんとか助かった」リア


「ごめん 大丈夫二人とも・・服も濡れちゃったね」リア


「大丈夫だよ有難うリア・・アシャアシャも防水加工のリュックの中見も無事」

ナジュナジュ


「くしゅん!」くしゃみをするアシャアシャ


「大変 服乾かさないと・・」ナジュナジュ


「魔法で乾かすよ 待ってて」リア


「風よ 癒しの金の髪のエルトニア・・風の加護により

僕らの服を乾かして・・」


ふわりと風が舞い 三人の服を乾かす


「これでいい 立てるナジュナジュ アシャアシャ?」手を差し伸べるリア


「有難うリア」ナジュナジュとアシャアシャの二人は立ち上がる


「ええっと 導きの光の玉・・あ! あった!」


三人を待っていたかのように それの上でふわふわと浮いている 魔法の光の玉


「お願い 案内を続けて・・」それに答えるように 光の玉はゆっくりと動き出す


「行くよ 二人とも」リア 「うん!」「はああい!」アシャアシャ


その後も 巨大だんご虫が丸くなって 突進して 襲ってくるわ 


巨大ミミズの大群が土から次々と現れるわ・・と大変だった


「づ・・疲れたああ」木に手を ついて言うリア


「うん・・」


「頑張れ リア兄たん!」ナジュナジュとアシャアシャ


ぐふふ・・押し殺した笑い声がする


ずさっと!と 巨大ワラビが現れて 長い茎をびゅんびゅん振り回し


その茎が ナジュナジュの足首に巻き付き 

「きやああ リアああ」 「ナジュナジュ!」 「兄たん!」


引き寄せてナジュナジュの身体をぐるぐる巻きにする

「助けて!リア!」


「ナジュナジュうう! 今助けるから くそう 呪文 何か魔法の呪文!」


「闇の巨人は? リア兄たん」アシャアシャ


「うん! だね!アシャアシャ」リア


ここは あの禁じ手・・すべての属性の守護を持つ 闇に落ちたテインタル王女・・

あのもう一人の火竜王サラマンデイア


「闇に落ちたる 悲しき麗しい人 伝説のもう一人の火竜王 王女テインタル!

その力を持ちて 出現せよ 闇の巨人!」


巨大な黒い闇の姿の巨人が現れて 巨大ワラビの茎を引っ張り ナジュナジュの身体から

その茎を引きちぎる


うきゅうう!! 悲鳴を上げて砕ける巨大ワラビ


解放されたナジュナジュ


「大丈夫か ナジュナジュ」


「う・・うん 大丈夫有難う二人とも・・」


「よかった」 


「急がなきゃね・・僕は大丈夫だから 行こう」


「うん」 ナジュナジュ 


はあい 元気のよい返事 アシャアシャ


ところがそこに 巨大たけのこが ドコン ドコンと音を立てて

土の下から 現れる 大量・・


「人間ん~うまそう・・ふっふ」 口を開ける 舌が飛び出し 襲い掛かる


「風!かまいたち! 力を貸して 伝説の白のリアン!」


風が巨大たけのこの舌を切り裂く うきゃあああ~


次の巨大たけのこの攻撃 体当たりで襲い掛かってきた 


ぶつかり 向こうに投げ飛ばされて 目を回すリア・・「・・・」きゅうう一時戦闘不能


「り・・リアああ!」涙を浮かべ叫ぶナジュナジュ


「アシャアシャが頑張るうう!」 宣言するアシャアシャ


魔法の呪文を唱える


「伝説の魔法使いの弟子のわん子たん!! 力を貸せええ!

猫の手てええ!」


空中からあらわれたのは 巨大な木の棒の先についた 猫の肉玉つきの手(前足)のおもちゃ


その猫の手のおもちゃは ブンと 巨大たけのこ達を一気に薙ぎ払う 


うきゅうう! うきゃああ! 悲鳴を上げ吹っ飛ぶ 巨大たけのこ達・・


役目を終え 消え去る 巨大猫の手のおもちゃ 


「ふふふっのふ・・やったでちゅ」 アシャアシャ


「偉い アシャアシャ!」 ナジュナジュ


そして二人は気を失なっているリアのもとに駆け寄る


パチっと目を開けるリア


「痛かったが・・大丈夫」リア  「・・大丈夫 いってて・・巨大たけのこ達は?」リア


「アシャアシャが魔法の呪文で やっけた!えっへん!」 アシャアシャ


「えらい!よくやったアシャアシャ」


「あ~痛かった・・でも 大丈夫だよ  行ける 休まなくていい」


「大丈夫 アシャアシャは?」


「大丈夫でしゅ」


止っていた 光る魔法玉がまた動き出す 追いかけて走りだす三人


たどり着いたのは 巨大なお花の花畑・・ 


そこで 光っていた魔法玉は小さくなり

笛の形に戻って 落ちてきた それを受け止めるリア


「はい返すね 有難うナジュナジュ」


「有難うリア ここにアリステア先生いるの」


「そうみたいだね」


そこに 一人の蝶の羽のついた少女(妖精)が三人の元に飛んできた


「その子供達 魔法使いでしょ! 光る魔法玉をみたわ」


「ええ そうですが・・?」


「お願い 私達の仲間を助けて! 巨大クモに 仲間が捕まって このままじゃ 食べられちゃう!


「えええっ!」 「どうするのリア?」 「助けるでしっゆ!」宣言するアシャアシャ


「そうだね ます先にその子達を助けよう」


案内されて 走り たどり着く 


そこにあったのは 巨大なクモの糸の巣・・

網に 羽のついた少女(妖精)が二人 捕まり 気を失っている


「どうするリア」 「そうだね まず・・浮遊の魔法を使うよ」


リアが呪文を唱える・・


「風よ 僕の身体を浮かせて 白のリアン 力を貸して・・」


ふありと浮き上がり 空の中で ういたまま 駆け寄る

「大丈夫か?」 靴がちょおと触れて クモの糸の粘膜に絡まれる


「・・風 小さなかまいたち!」 シュッツと靴の絡んだ糸を斬る


「あ・・」目を覚ます蝶の人 妖精・・


「今助けるね 風の刃!」


妖精の身体を傷つけぬように 外側を丸くクモの糸を斬る


ポテンと地面に落ちそうな所 リアが呪文を唱える


「風 彼女を浮かせて!」地面ギリギリの所で浮かぶ妖精


「水!彼女の身体から 糸を取り去り 洗い流せ」


一瞬だけ 水の大きな玉に包まれ 糸を取り除く


続けて リアの呪文!


「風 優しくふいて 彼女の身体を乾かすんだ!」リア


風の力ですぐに乾かされる


「あ・・ありがとう 魔法使いさん」


「どういたしまして・・次は こっちの彼女」


もう一人の妖精に浮いたまま駆け寄り

呪文を唱えようとした瞬間


巨大クモが 現れた!


「くそう! あと一歩だったのに・・」悔しがるリア


リアは手を上げて呪文


「・・炎! クモを襲え!」炎の丸い玉が現れて クモに襲い掛かる


サッと動きは早く飛び移り 炎の玉を避ける 炎の玉は勢いをなくして たちまち消え去る


「・・ここは アーシュランの名前を入れて・・威力が強すぎるか・・

しかし・・やるか!」


「炎・・偉大なる黒の王 火竜王のアーシュランの名にかけて

あの巨大く・・」と言いかけた所


「・・リア その魔法は 強すぎる・・下手をすると廻り全て焼き尽くす」


「アリステア先生!」同時にナジュナジュとリア 


「あ!先生だ」アシャアシャ


「遅くなってすまないな 心配をかけた 迎えに来てくれたのだろう?三人とも」


「巨大な昆虫どもに襲われて 少々 手間どった」


今度は アリステア先生が呪文を唱える


「水の呪文! 水の女王アルテイシア!その力を・・

氷の槍!」


アリステア先生の手から 水の丸いた玉が出現して それは細長くなり 氷の槍に変わる


「いけ!」 巨大クモに命中! 「ぎゅわああ!」



巨大クモは地面に落ち 槍が突き刺さったまま ピクピクしている


「もう大丈夫だ」 


「はい 先生じゃあ 今度はぼくが・・水と風の呪文!」


「風よ かまいたちとなり 彼女の身体を傷つけぬように糸から切り離せ!

水よ 彼女の身体から糸を取り除け!」


ます風が先程と同じように 妖精の身体の廻りの糸を切り取る


糸から切り離され 地面に落ちようとした所をアリステア先生が受け止める


アリステア先生に抱きとられたまま 水の魔法が彼女の身体を包み


アリステアが風の魔法を唱えて 彼女の身体を乾かす


「有難うございます」妖精たち 皆が礼を言う


「どういたしまして・・」 「無事でなによりです」リアとナジュナジュとアリステア


「巨大カモミールの花びらを急いで捜さないと・・」アリステア先生


「それなら 先程 巨大カモミールの花畑を見つけて GET済です」

リアのリュックの中 切り取り 小さくした花びらが沢山入っている


「よくやった」


「リア・・帰りは 川に出て 魔法の船を作って 街に帰ろう・・浮遊の呪文でもいいが・・」


「船で帰りましょう先生」「ではそうするか」「わあい お舟お舟」アシャアシャ

 ふふ 笑うナジュナジュ


四人は河原の大きな川べりにつく・・


「さて 魔法の船を・・」と言いかけてアリステア


無数の大きな黒い影が現れる・・


「・・人間・・獲物・・ぐふふ」


出てきたのは 巨大きのこと巨大たけのこ達・・大群・・


魔法の呪文を唱え・・


次々と奴らは現れ 倒しても倒しても現れる 


「くそう」リア  


「これは きっと近くに奴らの巣があるな」アリステア


「・・・ここは 川辺だし 森に火がつく恐れもない 炎の魔法 火竜王の呪文か アリステア


「アシャアシャがやるうう~」


「ええい! もう一人の闇の火竜王テインタル! 巨大な炎で奴らを焼き尽くせ!」


「ま まて・・その呪文は・・」 青くなるリアとアリステアと・・ナジュナジュ


ナジュナジュが言う 「確か・・その呪文唱える時には必ず・・」


「ああ・・必ず 同情と美貌を称える言葉が必要だ・・」青くなりながらアリステアは言う


‥何もおこらない 「よかった 不発か・・」


・・・じゃなかった! 巨大な焔の塊が 敵もリア達も同時に襲い掛かる


「うわあああ!」 「きぃやああ・・!」 「うわっ!」  

・・「呪文 暴走・・」落ちついて ぽつりとアシャアシャ


事態がわかっているのだろうか・・アシャアシャ? 将来の暗黒の女王さま


※後編 「すべては 遥か時の彼方に・・いにしえの黒の王・火竜王」 に続きます



御話は いかがでしたでしょうか? この後 後編は 別シリーズのキャラが乱入します・・

で・・乗っ取られます^^;

 

この話は 数年前に 書きかけて・・始まりの部分までしか 

書かれなかった作品を仕上げたものです・・


ふと 別シリーズのキャラクターを入れて 後半途中を先に仕上げてしまいました・・

何かが降りてきたように 次々とキャラの会話が浮かび・・必死に後を追うように書きました・・

出先でも 会話が浮かび・・メモを取るのに必死でした しかも 予定になかった続編の作品まで・・

この作品を投稿する前に書いた 雪半祭り・・主人公に追加した能力も話の大事な要素になりました・・

追加能力で・・次の作品が出来たような物です・・


続編は おかげで 骨格部分・・おおすじは出来ています・・

ただ・・作中・・別シリーズのキャラは 私が10代の頃の何十年もの付き合いがあるキャラで

その最後 末路まで 書く事となりました・・感無量・・心中は複雑です・・次の話は(後編でなく)

もっと詳しく その事を書く事になりそうです・・

更には・・コメデイ番外編も 浮かんで・・それも予定しております・・

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