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単純なお笑いシリーズ 電車の中で柿ピー食べたらカオスになった

作者: ぐわじん

力をぬいて、適当に読んでください。


いつも以上に、だらっとしてます。ツッコミはセルフでおねがいします。

 海老名駅で横浜行きの急行に乗って出発を待っている。金曜日、二十二時過ぎ、雨、いつもよりも人が少ない気がする。前から三両目、同じ車両には十人も居ない。


 眠いし腹が減った。昨日は会社で徹夜して、昼休みは会議が入って飯も食えなかったし、昼寝も出来なかった。定時後少し寝たけど、もうだめ、ねむい。

 さっき年下の同僚から、柿ピーの小袋をもらった。四袋もだ。断ったんだけど、少しでも食べた方が良いって、待ってる間も暇だし、柿ピーを食べるか。


 ムシャムシャ、バリバリ、ポリポリ、ムシャムシャ、電車が出発した。パリパリ、ムシャムシャ。少し食べたら余計に腹が減って来た。

 もう一袋食べる。さっきは急いで食べたので最後ピーナッツ率が高かったから、バランスを考えて食べよう。ムシャムシャ、バリバリ、ポリポリ。


『あのー、少しよろしいでしょうか?』

 優しい顔の白髪のおじいさんが私の前に立ち、話しかけて来た。斜め前のシルバーシートに座っていた人だな。なんだろう? あれかな、電車の中で食べ物を食べていたのが良くなかったのかも知れない。

 これは悪い事をした。私も電車内で食事をとるのはどうかと思うタイプなんだけど、お菓子なら良いかなって思ってた。ムシャムシャ。


 でも、全ての電車での食事を否定する訳ではない。通勤電車は駄目だな。でも三十年位前の東海道線の下りでボックス席で昼間の大船辺りからな弁当を食っても良い気がする。今だとどこから、どんな条件だろうな。あ、返事するの忘れた。(ここまで僅か二分位)


「あっはい。すみません。あれですよね、もう食べるのを止めますね。申し訳ありません」

 指摘される前に謝ってみた。私が朝食も昼食も夕飯も食べてないなんて、他の人には分からないだろうし。


『あっいえ、そういう話では無いんです』

 ん? どういう話だ、あれかな柿の種が欲しかったのかな。食べかけのは悪いので、新しい袋を取り出し、差し出そうとしたら。


『いやっ別に柿の種が欲しい訳では無いです』

 ん? ピーナッツか、ピーナッツだけ欲しいのかな。あっいけない、私の横の席は空いているので座るように勧める。自分だけ座っているなんてのはマナー違反だ。


『先ほどピーナッツと柿の種を一緒に食べていましたよね』

 あれか、実はピーナッツアレルギーだから、公共交通機関でアレルギー物質を食べるな、という事か、しまった。そこまで配慮が足りてなかった。


「すみません。こんなところでピーナッツを食べてしまって。もう電車内ではピーナッツ食べません」


『いやっ、そういう話でも無いんです。気を悪くしたら申し訳ございません。ただ、どうしても言いたいことがありましたので』

 そうこうしている内に、かしわ台駅に着いた。しかし会話は続く。


『ピーナッツと柿の種を同時に食べていましたよね? それって正しいのでしょうか?』


「はい? ちょっとおっしゃっている意味が分かりませんが」


『いやいや、すみません。柿の種とピーナッツを食べるタイミングについての話になります』

 意味が分からん。


『先ほどから見ていましたが、最初は何にも考えないようにして柿の種とピーナッツを食べ、二袋目は明らかに配分を意識して、柿の種二個とピーナッツ一個を一緒に食べていましたよね』


「え? そこ? すみません。ちょっと理解出来なかったのですが、柿ピーは、ピーナッツと柿の種を同時に口に入れて食べるのが最善。種二個にピーナッツ半個の割合。ただ、ピーナッツが割れてなかったら柿の種三個にピーナッツ一個の割合こそ至上と考えます」


『果たしてそうでしょうか? 私は柿の種二個を食べ、口の中から無くなったらピーナッツを一個食べます。それの交互です。同時に食べたら柿の種の辛さを台無しにしてしまうのでは?』


「いや、貴方の食べ方も正しいのかも知れませんが、それでは柿の種の辛さが突出してしまうと私は考えています」


『柿の種、単独で食べれないほど辛い訳ではないですよね?』


「まあ確かに」


『柿の種を一生懸命汗水たらして作製している人達のためにも、素材の持つ良さを最大限に生かして食べていただきたくて。血と汗の結晶ですから』


「血と汗の結晶と言われると、ちょっと食べたく無くなりますね。というか汗はともかく、血は出ないですよね?」


『世の中にあふれる程の大量の柿の種を作っているのですから、それは相当無茶をしていると思います。毎年数人は腕の一本位は無くされているのではないかと』


「えええ!? そうなんですか。知りませんでした」

 思わず声のトーンが上がった。もっと大事に柿ピーを食べようと心に誓った。



『あのーすみません。お二人とも少しよろしいでしょうか?』

 私の正面に座っていた同じくらいの中年男性が、少しイラついた顔で話しかけて来た。あれか、二人の会話がうるさ過ぎたか、ちょっと配慮が足りなかった。


「すみません。ちょっと騒がしくしてしまって、声のトーンを控えますね」


『いや違うんです。今の話は、標準的な柿の種の話ですよね? 私も普通の柿の種なら柿の種二個にピーナッツ一個を食べる派なんですけど。でもワサビ味や梅味だったら、また配分は変わりますよね』


『笑止。あっいや失礼しました。そもそも柿の種はノーマル味以外を食べている時点で論外だと考えます』

 突然おじいさんが煽り出した。


『まったく老人は頭が固いですね。多様性が世の中には必要なんですよ。いまダイバーシティーの時代ですよ』

 中年に煽り返されて、おじいさんの顔に血管が浮いて来た。


「二人ともちょっと待って下さい。落ち着いて下さい。私はノーマル味も好きですが、ワサビ味、梅味も好きです」


『ほらきた。そうそうおいしいですよね』

 中年は優越感を出してドヤ顔になった。


「ワサビ味の時も食べ方は同じ柿の種二個にピーナッツ一個ですが、梅味の時は、ピーナッツは同時に食べずに、交互ですかね」


『はあ? 何をいってるの? ワサビ味の時こそ、ワサビの辛さを味わうためにも柿の種だけで食べるでしょ。何のためのワサビ味なの?』


『(止めなって)』『(いいから任せて、言わないと分からないんだから)』

 小声で隣の女性をなだめている。清楚系な感じの若い社会人女性が、少し年上の女性に対して。対面の中年の隣に席二人分開けて座っていたが、別に短くも無いスカートだけど、そのあたりをみると覗いていると思われちゃうから、出来るだけ視線を合わせないようにしていた。


『ちょっと貴方達! さっきから黙って聞いていたら、柿の種がどうのこうのって』

 お姉さんが怒って来た。どうやら、今度こそうるさかったらしい。


『『「すみません」』』

 おじいさん、中年も、一緒に謝った。


『なんで、ツッコミ不在なの? ツッコミポイントいっぱいありましたよね? ね?』


『『「ええ~~! そこ?」』』


『すみません。すみません。パイセン(先輩)その程度にして下さい』

 清楚系の若い女性が周りに平謝りしている。ワタワタしている感じが好感度アップだ。


『こんな惰性で生きているだけの存在に、お笑いの何たるかなんて理解出来る訳もないですし、話すだけ時間の無駄ですから』

 清楚系の人から、すげー毒舌が飛び出して、思わず吹き出しそうになった。


「参考までにお尋ねしたいのですが、ツッコミポイントってどの辺りだったのでしょうか?」


『ダイバーシティとか、血の辺りとか』

 パイセンが親切にも解説してくれた。しかし清楚系が、


『ツッコミポイントが分かっても、ボキャブラリーの乏しい貴方達ではツッコめないと思いますので、質問するだけ時間の無駄ですよ?』


「結構毒舌ですね」


『彼女は毒ツッコミ界、期待の新星、現代に蘇った董卓と言われているわ』

 パイセンがフォローを入れてくれた。


「はあ。ちょっと最近のお笑いを知らなかったのですが有名な方なのですか?」


『うちの会社の管理部門の中では、もの凄く期待されている新入社員よ』


「素人なのかよ! すみませんちょっと驚いてしまって。ちなみに先ほどのトウタクって何ですか?」


『ほら、やっぱりボキャブラリーが無いじゃない。董卓位は社会人としての常識ですよ。三国志の中で出てくる、こう、あれよ、うん、悪役っぽい人よ』


「なるほど。しかし、それだけで私がボキャブラリーが無いと判断されるのは、いかがなものでしょうか?」


『貴方の事は、いつも良く見ているから全て知っているわよ』


「何それ怖い! 私達初対面ですね? ね?」


『フフフ全部知ってるんだよ、雄一さん』


「誰だよユウイチって! 俺はタカシだよ!」


『はい、ユウイチです』

 中年が手を挙げてる。


「『えええ!』」

 ボケたはずが、偶然にも隣の人の名前で慌てとる。俺も焦った。


『彼女は笑いの神に愛されているような、そんな存在よ。持っているものが違うわ』

 パイセンが満足げに頷いている。


 大和駅に着き、乗客がさらに増えて来た。いたるところで、柿の種、笑いとは、何故かタケノコキノコの話題で盛り上がっている。普通知らな人どうしでこんなに話すことは無いと思うんだけど。

 分かったぞ。そうか、みんな酔っぱらっているのか、私も思考能力が相当弱まっているからな。


 すると、いきなり毒舌董卓が立ち、私に向かって歌い始めた。

『ハッピバースデー、ハッピバースデー♪ ハッピバースデー、ハッピバースデ~♪』



『『『『『ハッピバースデー、ハッピバースデー♪』』』』』

 周りの乗客も合わせて歌いだした。私の知っている誕生日を祝う歌とは歌詞が違うが、なぜか歌っている人たちが知っている。

 きっと歌詞が違うのは、小説家になろうの規約に関わる部分だろとか、全然思わない。


 これって、もしかして。サプライズで誕生日を祝ってくれていているのか? そして董卓が片膝をついて、両手を俺に向けて、ひらひらとかざしながら、


『誕生日おめでとうございます』

 一斉に拍手が巻き起こる。みんなが俺をみて祝福してくれている。凄く嬉しい、ここは皆に伝えないと。


「あのー。今日は私の誕生日では無いのですが……」


『おめでとうございます。パイセン』


「俺じゃねーのかよ!」

 いきなり振り返って、パイセンにひらひらしだした。


『わたしも誕生日では無いわ!』

 パイセンもまさかの否定。


『ユウイチさん。おめでとうございます』


『ありがとございます』

 中年おっさんが頭を掻きながら喜んでいる。


『『「えええー」』』

 董卓、パイセン、私、みんな驚く。


『思いつきでやるのやめなさい。すべてが上手くいくわけではないのだから』

 パイセンが董卓にダメ出しをしている。しかし、疑問に思う事があるので確認しておく。


「毒ツッコミという割にはボケを担当されているようですけど」

 私の質問にパイセンが答えてくれる。


『それは貴方がボケないからよ、しっかりなさい!』


「ええ~~」

 なんか私にお叱りが飛び火した。かなり電車内は白熱した状態になっているが、希望が丘駅を過ぎたので、席を立ち、意を決して発言をする。


「あの、すみません。次で降りるので、ここで失礼しますね」


『ええー』『ぶーぶー』『逃げるの禁止ー』

 盛り上がっているところに悪いが、二俣川駅を過ぎると次は終点の横浜まで止まらない。しかし、酔っぱらったオッサンや乗客数人が私の前に立ちはだかった。


『ここを進みたかったら、俺を倒してからいけ』

 目の前の酔っぱらったオッサンに、すかさず腹へパンチを打ち込む。肘は曲げたまま。九十度の角度で殴った。殴ったと言っても三割だ。三割の力加減だ。

 分かりやすく言えば、四十台後半のおっさんが、何のスポーツもせず、怪しい腕立て伏せを数回程度しかできない筋力で、格闘技もした事が無い、そんな感じで殴った程度のダメージだ。

 人間は普段三割しか力が出せないというので、全力で腹を殴ったとしても、きっと三割の力だっただろう。うん、つまり全力ではあった。


『ぐは。いいものもってるじゃねーか。これは餞別だ受け取れ』

 ゲボボボー。酸っぱい臭いが車内に広まる。そして私のスーツの色が変色する。


「餞別感謝する」


『感謝するのかよ!』

 やっと董卓がツッコム。しかし、思ったより平凡なツッコミであった。


 もう私の降車を阻害するものは居ない。私が進めば自然に人混みが綺麗割れて、モーゼのような気分になった、そして家路につく。


 その後、あの面子を相鉄線の中で見る事がなかった。一週間ほど経過したが、皆どうしているんだろうなあ。

きっと柿ピーを食べている時に思いついた話んだろうな、と思うかも知れませんが、


その通りです。


という事は、柿ピーを食べたら小説(これ小説なのか?)が書けるって事になる。


でも会社でしょっちゅう柿ピー食べているけど、小説が浮かんだのは今回が初めてだ。


となると量か、一定量を食べると小説になるのかもしれない。


一年間で二kg位か? じゃあ、皆も二kg位食べたら、小説が書けるんだろう。


きっと同じ小説が出てきたら、皆もニkg位食べたのかも知れない。


それと、過去の小説のタイトルや、あらすじを少し修正します。


単純なお笑いシリーズとか、そういうのをつけるだけなので、内容が変わる訳じゃないです。


誤字とか気になった部分を変えるかも知れないけど、その程度です。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 躊躇の無い腹パン [気になる点] 躊躇の無い腹パン [一言] 吹いてしまったので5点つけさせて頂きます
[良い点] カレー味「私を忘れてもらっては困るな……」 チョコレート味「塩辛さと甘味の両極をあわせ持つ私が最強」 [一言] おつまみパック系の超小袋タイプだと、口あけて一袋分一気に食べる人です(笑
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