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階段の司書室  作者: いす
77/84

続き

77話目です

誤字・脱字があったら申し訳ありません

雹が一冊の本を読み終えた。

それについては別に毎日ある出来事なのだが、彼女の本の表紙にはタイトルの横に小さく『4』と書かれている。

つまり、シリーズものということである。

となると、4まで読んだなら気になるのはその続き。

彼もその本を読んだことはあるが、確か4冊目は核心に迫るところで終わったはず。

凄く続きが気になる終わり方だったので、本屋にまで探しに行ってしまっていた。

そして、雹も続きが気になるらしく、深く腰かけていた椅子から離れ、手近なところからその続きを探していく。

「んー…?…?どこ…?」

だが、残念ながら目的の物は近くで見つからなかったらしく、傍の本棚や埋もれた本を掘り起こしたりして目的の物を見つけ出そうとする。

「あー…雹」

「んー…無い…図書館…?」

必死に探す彼女に一つ、伝えておかなければならないことがあり、声をかけてみたのだが、どうやら集中しているらしく反応はない。

「ひょーう。ねぇ雹」

反応なし。

あれこれ探した後ついには、司書室から出ていって図書館の方に行ってしまった。

雹…。


しばらくしてまた扉が開き、落ち込んだ雹が姿を見せる。

「おーい、雹」

「うーん…むー…」

「雹…」

にゃんこを呼んでこっちに気づいてもらいたいのだが、今日は生憎の雨。

窓からも何処からも入ってくることはなく、残念ながらにゃんこはここにはいないのだ。

どうしようかと遠が考えている間も、彼女はテーブルの下だったり、本棚と壁の隙間だったり続けて捜索に集中している。

「無い…無い…誰かが借りたのかな…?」

貸し出し履歴に手を伸ばし、ペラペラと音を立てて捲っていく。

……………。

が、もちろん無くて「むぅ…」と、小さく彼女は唸った。

「ひょーうー?」

「…?」

あ、反応した。

どうやら彼女の中での思い当たる節はほとんど潰れてしまい、集中が切れたのかこちらにやっと気づいてくれた。

首をかしげた雹はペタペタとこっちに小さく歩んできた。

「あのね雹」

「…?もしかして君が持ってる…?」

「あ、これは違うんだけど」

近くのブックカバーに包まれた本を手に取る彼女だったが、中身を見るとすぐさま元の場所に戻す。

「えっとね、雹」

「うん…」

「雹が読んでた本なんだけど、その本ね」

「…………続き…無いの…?」

言葉を聞いて察したのか、遠が言い切る前に彼女が言う。

それに対し、彼は小さくほんの少しだけ「うん…」と、頷くとじわっと雹の目に涙が漏れる。

「うぅ…うー…!」

「いやでも、ほら!来週だから!新しいの来週出るらしいから!」

「…本当?」

「ほんと」

涙が少し引いて、余った涙がポロっと床に落ちる。

本が大好きな雹にとって、あんな気になる展開で半年ぐらい待たされるのは涙ものだ。

この姿は昔からよく見てきている。

だけど、昔からと言ってもその実対策案なんて何一つ無い。

だって本というのは作者が書くものであり短い感覚で供給されるものではない。

お菓子のような、他で代用出来たりも常に新しいのがあったりもしない。

せめて策があると言えば他の本で誤魔化すぐらいだろうか。

「うー…」

「ほら、この本とかさ新しいのだし、雹も読んだこと無いでしょ?」

「……………」

最近図書館に追加された本を、仕方なくで彼女に渡す。すると、不満げにではあるが彼女はそれを受け取り、渋々席へと戻っていく。

はぁ…良かっ…あ。そう言えばあれも良いところで終わってるんだった…。

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