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虹
虹の散った 四月の あの空に 救えない歌を歌った
ただ どこまでも どこまでも広がる あの空に
湧いて消えるあの雲に 救われない歌を歌ったんだ
憂鬱な朝 退屈な道を歩き 沈鬱と電車に揺られる
どこかへと運ばれていく誰か どこかから運ばれてくる誰か
暗い眼をしたサラリーマン 無邪気な赤ちゃん
笑いあう女の子 よぼよぼのおじいちゃん
ただ ただただ 流れ去るだけさ
ただ ひたすらに 変わっていくだけの 世界さ
今はない 過去はない 未来はない
ただ 流れ去る 芽吹かない 綿毛
四ツ谷の土手のアスファルトで死んでいた 一匹のスズメ
一匹のスズメ
何も変わらない 救われない 救えないのさ
尻尾のないネコが歩いていたよ
深夜三時 ホームレスが寝ていたよ
早朝のサラリーマン 電車に飛びこんだよ
あの女子高生 マンションから飛び降りたよ
変わらない 変わらないんだ 何も変わらない
ただ 流れ去って行く 小川の 木の葉さ
なにもない なんにもない なんでもない いったいどうしたんだい
なんでもないことだよ 大丈夫だよ なんでもないんだよ
どこまでも どこまでも広がる 四月の春の空




