プロローグ2
とりあえず2話だけ投稿、次回は未定です。
「うーん よーねたー)
(うーん よく寝たぁ)
腕を伸ばし、体をほぐしながらベットから起き上がると違和感があった。
「あー そーか おえでーのになーたーだっけ)
(あー そうか 俺ディーノになっちゃったんだっけ)
目に映るのは、小さくなった自分の体と見慣れない部屋だった。
(はぁ~ やっぱり夢じゃなかったか……)
溜め息をつきながら心の中で声を上げた。
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あのあと、自らに何が起こっているかを理解し、自分が二上蓮也ではなくディーノだったということに対し衝撃を受けた。
衝撃を受けたあとは放心してしまい、ディーノである自分の両親だと思われる人たちは自分を心配してパーティーは中止になってしまった。
母親と思われる女性に連れられディーノの寝室に連れられ寝かされた。
精神的に疲労したのかベットに入るとすぐ眠ることができた。
ひと晩寝たことでスッキリした頭でもう一度自分に起こったことをまとめることにした。
(俺は確かに部屋で寝たはずだ…… よくある転生物なら事故にあって目が覚めるととかだけど事故には合ってないし……)
(神様転生なら神様似合うはずだけどそんなのには合ってない……)
(あ~ もうわけわかんねぇよ! どうしてこうなった! 俺に何が起こってる!)
そこまで考えるとディーノは頭をかきむしった。
(あ~ もう! 確かなことはここにいるのは二上蓮也じゃなくディーノであるってことだけかぁ)
自分がディーノであり、今ここにあるものは夢ではなく、現実だと理解するとなぜか涙が出てきた。
(親父やお袋は大丈夫なのかなぁ? 俺はどうなったんだろうか…… まだやりたいこともあったのになぁ)
蓮也であった頃の心残りがどんどんと溢れてきた。涙は20分程度だろうか、止まることなく流れた。
泣き止み少し落ち着くと部屋の外が少し騒がしいことに気づき、扉の方を見るとディーノとしての自分の両親が入ってきた。
「ディーノ! 大丈夫か! 泣き声が聞こえたが怖いことでもあったのか!?」
「大丈夫!? 昨日のパーティの時に私たち変なことしちゃった!?」
両親は慌ててきたのだろう、寝巻きのまま少しはだけた格好で息を切らしながら聞いてきた。
その両親の様子を見るとなんだか先ほどまで不安に押しつぶされそうだった心が落ち着き暖かくなった。
「ううーん しーぱーかけてごえん なーでもないよ」
(ううん 心配かけてごめん なんでもないよ)
舌っ足らずな自分の言葉に若干うらめしく思いながら今できる精一杯の笑顔で両親に答えた。
その言葉を聞くと両親はほっと息を漏らし行ってきた。
「まだ朝ごはんには早いし、時間になったらまた呼びに来るわ それまで寝てなさい。」
「ああ 昨日は心配したんだぞ~ だからもうちょっとゆっくりしなさい。」
ディーノはその言葉を聞くと申し訳なさそうにこういった。
「あのー きのーのパーティーのつーきできう?」
(あの~ 昨日のパーティーの続きできる?)
両親は俺の言葉を聞くと顔を見合わせたあとに笑顔で答えてくれた。
「ああ もちろんだとも! なぁアニェーゼ!」
「ええ! 昨日の料理残ったままだから大丈夫よ」
「じゃあ朝ごはんの時間になったら来るからゆっくりしてなさい」
「うん!」
両親は自分の返事を聞くと部屋から出ていった。
扉が閉じられたのを見るとほっと息が出た。
(俺はちゃんと笑顔ができたか?)
自分はディーノである。それはもうどうしようもない事実で変えることはできないが俺である前のディーノはどうなったのだろうか。
本当の意味で彼らの子供であったディーノではない自分がディーノ演じることができるのか?
そのことを不安に思いながら、泣き声を聞くと慌ててきたあの二人を悲しませられないなと自分がディーノである、ディーノでいるということに決意を持つことができた。
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突然手足が短くなり違和感のあった自分の体を動かすことにようやく慣れてくると先程まで舌っ足らずだった自分の言葉もだいぶ流暢にしゃべれるようになった。
「あめんぼあかいなあいうえおー かきのきくりのきかきくけこー よーし」
それでも子供っぽい喋り方であることに変わりはないのだが……
そうしてるとアニェーゼと呼ばれた母親が来た。
「ディーノ~ そろそろ、パーティの続きしよっか」
「うん!」
我ながら子供っぽい返事ができたなぁ~と心の中で苦笑すると母親に連れられて昨日と同じように並んだ料理があった。
既に父親は席についておりあとは自分が席に着くだけとなっていた。
「よし! じゃあ昨日の続きだ! ディーノ、誕生日おめでとう!」
「おめでとう! 母さんも嬉しいわ!」
「ありがとー!」
蓮也であったころの生活に未練がないわけではない。
それでもディーノになってしまった以上この優しい両親の前だけではそれを見せずに生きていこう。
そう決意した蓮也だが、彼が思う以上に厄介な世界に来ている。
そんなことも知らずに彼はパーティーを楽しんでいた。
今から書き直しをするので未定でお願いします。