愛しの高坂さん
「ふぅー、仕事疲れたー!」
私は神崎由紀、デイサービスで介護士として日々働く25歳。
いつもなら仕事が終わってからスーパーへ寄り食材を買って家に帰宅。という流れだが、今日の私は真っ先に本屋さんへ向かう。
何故なら今日は楽しみにしていた乙女ゲームの発売日!
仕事中正直ゲームの事で頭がいっぱいだったが、大人なので仕事はミスなく終わらせた。
後は予約していた本屋さんへ向かうだけだ。
「ありがとうございましたー!」
無事ゲームを手に入れた私。
レジで顔がにやけると困るのでマスクをして隠しながら買ってきた。
「はぁぁー♡もうすぐ会えるね!」
はやる気持ちを抑えて帰り道を行く。
家に着いたら御飯適当に済ませて早くお風呂入ってやろう。お風呂前にインストールも済ませておかないとなー。なんて考えてるうちに家に到着。
食事もお風呂も急いで済ませてベッドに横になる。
電気も消してインストールを済ませたゲーム機を持ち耳にイヤホンを入れてからスイッチオン。
オープニングを見てから名前入力をし、ゲームスタート。
今回のゲームは学園もの。
私のお目当ては高坂さん。
数学の先生。
ドSで腹黒い学校の先生だ。
しかも声優さんが原田さんという私の大好きな方!
キャラクターも私好みで声もなんて、実に素晴らしい!
「神崎さん。授業中だよ。集中しなさい。後で放課後職員室へ来なさい。授業に集中出来ないようですから、私が直々に指導して差し上げましょう。」
ベッドの上でジタバタと悶える私。
なんていい声で言うんだろう。
ドMな私は既にメロメロだ。
明日仕事だから早く寝ないととは思っているが、高坂さんが格好良くてゲーム中断して眠れる気がしない。
こうなったら最後、エンディングまで突き進むのみ。もちろんハッピーエンドで。
「神崎さん。ここはxを代入して、、、って聞いてますか?」
「き、聞いてます!すいません!」
「次聞いてなかったら、、」
と高坂さんは私の耳元に近づく。
もちろん画面越しにだが。
「次聞いてなかったら、その時はお仕置きですよ?由紀。」
と周りに聞こえないように囁く高坂さん。
しかもダミーベッド収録だから耳元にダイレクトに響いてやばい。
「うわあぁぁぁあーーー」
耳が、、耳がーー!
そして不意打ちの名前呼び!
高坂さん、ずるいよ!
そして由紀の長い夜は続く。