【詠龍譚】英雄神授説
掲載日:2026/09/05
魔王復活の予言を受け、王は国中に使いを出した。目的は精霊の加護を受けた勇者を集めるため。
そして今、王の目の前には大勢の勇者が集められた。
精霊の加護も火、水、風、土とオーソドックスなところから。光、闇、雷、氷と強力なもの。果ては泥、病、酒なんて珍しい精霊の加護まで集まっている。
なかなかの「豊作」だ。王は満足げにほほえむ。
だが大臣たちは、これでも不安が拭えない。精霊の加護が誰に与えられるかは、完全なランダム。ゆえに戦いに向いた者へ、戦いに向いた加護が与えられるとも限らない。
これから魔王復活までに彼らを鍛え、戦場へ投入し、どれだけが生き残れるか。これもまた幸運次第となるだろう。
王権神授説という言葉がある。魔王を打ち倒し、最高の勇者となった者は王家の血に入れることとなる。王には年頃の姫もいた。ちょうど良い。
そしてその勇者の持つ加護の精霊こそが、国の神となる。
果たして次の神はいずれになるか。王は国の守護神たる光の精霊に祈っておいた。
恐らくは今のうちだろうから。




