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0080・東への旅




 Side:イシス



 俺達は瘴気の浄化を終えたので、現在は最初の浄化ポイントから東へと旅をしている。

 当然<瘴気発見器>を使って、瘴気の集まっている所を探しながらだ。

 とはいえ、そんな場所は多くなく、今もまだ見つかっていない。


 一ヶ所目の浄化ポイントを出発して既に一ヶ月ほど経っているが、犬や猫の集落はあったものの、瘴気の集まっている場所は無かった。

 瘴気の集まる場所というのは魔力の集まる場所であり、所謂ところの龍脈というのは滅多に無いらしい。


 ヌンが言うには、おそらく惑星にあっても5~6ヶ所程度だろうとの事。

 そのうちの一個を既に見つけているだけでも優秀なようだ。

 この惑星だってそれなりに大きいのだろうし、そうそう簡単に見つかったりなどしない。


 とはいえ5~6ヶ所のうちの2つないしは3つに浄化道具を設置できれば、後は時間が解決してくれるらしいので、俺達としては後1つか2つ探し出せばいいだけだ。

 ま、それが難しいのだが。


 それでも歩き回らなければ見つからない為、こうやって旅を続けながらウロウロとしている。

 俺達は<時空の狭間>で眠ればいいので、一ヶ月と言っても移動した距離は長い。

 日中も夜中も移動している為、結果としては相当の距離を移動している。


 それでも見つからないからか、バステトはここ最近少々イライラしている事が多い。

 とはいえ見つからないものは見つからないのだから仕方ないのだが。

 そんな折、<瘴気発見器>に久しぶりの反応があった。



 「バステト、<瘴気発見器>に反応がある。今までフラフラしていた針が一ヶ所に向かって指し示してるって事は、そっちの方に瘴気溜りがあるって事だ」


 『やっと? とはいえ見つかっただけマシね。見つからなかったら未だに探し続けていた筈だもの、それに比べればやっと目的地があっただけ良かったわ。当てもなくフラフラするのって嫌なのよ』


 「誰だって嫌っていうか、そもそも当てもない訳じゃないからなぁ。ただし目的の瘴気溜りが何処にあるか分からないんだが……。正直に言って、結構近付かないと反応が無いのが厳しい。もっと遠くから見つけられる道具がないものか」


 『本当にね。もっと遠くから発見できるなら苦労はしないのに。でも、それだけ移動しないと見つからないんだから、結局は長く歩くしかないのかもね。私達は<時空の狭間>の<生物修復装置>が使えるけど、普通は無理だから体の何処かを悪くするわ』


 「俺達だって、この一ヶ月で数百キロは歩いているからなぁ。こっちの惑星の状態で言えば一日中歩き続けてるし、そうなると移動距離もそれだけ長いものになる。それにしても情報は集まらなかったな?」


 『集まらなかったって言うより、まず話を聞いてくれる集落が少なすぎよ。こっちが食べ物を融通するから話を聞かせてって言ってるのに「どっか行け」の嵐よ。嫌になってくるわ、本当。何であんなに話を聞かないのかしら?』


 「まあ、少ない数だけで暮らしてるって、あんなもんじゃないか? 自分達以外を信用していないんだから、あんなものと言えばあんなものだろ。正直に言って、それ以外に言い表しようが無いしな」


 『それはそうかもしれないけど、話が聞きたいだけだって言ってるのに、その話すら聞こうとしない。あまりにも頑な過ぎて呆れるしかないわ。余所者と話したら死ぬとでも思っているのかしら?』


 「それだけじゃなく、【念波】を使えない集落もそれなりにあったからなぁ。あれだと意思疎通が難しい。まあ、【念話】で行う方法もあるから意思の疎通は可能だけど、それも出来ない奴等からしたら奇妙なんだろうな」


 『怪しいから一切関わらないって事? それもそれでどうなのかしらねえ。あそこまで私達の話を聞かないっていうのも、むしろ何か隠している事でもあるのかって疑いたくなるわ』


 「または、自分達の支配体制が揺らぐとかか? 他の場所の情報が無ければ自分達が苦しい立場に追いやられているとは分からないからな。そういう意味では偉そうな奴等が出てきたこともあったし、間違ってないのかも」


 『そういう奴等が集落を支配しているから駄目なんだと思うけどね。とはいえ、その集落がそうやって生き残ってきたのなら何も言えないけど、いずれそんな体制なんて崩壊すると思うわ。明らかに駄目でしょ』


 「駄目というか、下の者が増えれば増えるほど上手くいかなくなるだろうな。一部の奴等が牛耳るって少数だから上手くいく形だからさ。もしくは圧倒的な武力で弾圧するか。それしか少数が大多数を支配する方法は無いよ」


 『そもそも圧倒的な武力自体があるのかしら? それ自体が結構な数よね?』


 「だから武力を持っている連中に力を奪われるんだよ。そいつらを使って上に立っていた奴等は、力を持っている奴等に奪われる。分かりやすいだろう? そもそも力があるヤツが上に立つ方が普通だから当然ではあるんだけど」


 『まあ、一番上に立っている奴が力が無いんじゃ話にならないからねえ。一番強いヤツが上に立つ方が説得力があるし、下の者達だってついていきやすいでしょ。弱いヤツについていくバカは居ないわよ』



 まあ、こういう文明度なら当然だろうし、犬や猫ならむしろ当たり前の事か。

 そう考えると人類は王だなんだと理屈をつけて権力者を作ってきたんだな。

 もちろん古代から土地の支配者層だったんだろうけどさ。


 でも、それを奪ったり奪われたりしながらも支配していた訳で、結局王という権力者が現れるまでは力で奪い合っていたのか。

 となると動物と大差無いな。

 何処かで権力というものに変わったんだろうけど、それまでは暴力だった訳だし。


 暴力は全てを解決する訳じゃないけど、原始的な物事の解決法ではあるんだよ。

 犬や猫しか知性的な生き物が居ないのであれば、この惑星ではずっと暴力こそが解決策なのかもしれない。


 やがて誰かが王になって権力を持ってとは考え辛いし、犬と猫で絶対に揉めるだろう。

 犬の王国や猫の王国なら出来るだろうけど、今度は国同士の骨肉の争いかな? 結局はそんな事になりそう。


 <瘴気発見器>が山の方に向いているから、そちらに向かってるんだけど……結構遠いんだな?

 前回のオークの集落を見つけた時は、そんなに遠くから反応しなかったんだが、もしかしたら流れによっても変わるんだろうか?



 「綺麗に魔力や瘴気が流れていると、遠くからでも反応するのかもしれないな。未だに目的地っぽい場所も見えないし、<瘴気発見器>も一方向を示したままだ」


 『なら目的地には着いてないんでしょうけど、確かに遠いわね? 前はもっと近くになってから反応したけど、アレは森だったからかしら? 森とか障害物があると反応が悪い?』


 「ヌンは自然環境の影響は受けないって言ってたけど、それは<瘴気発見器>の事じゃなく瘴気そのものの事だからな。となると、<瘴気発見器>は自然環境の影響を受けるのかもしれん。それでも見つかったんだから、ありがたいが」


 『そうね。近くを通ったのに<瘴気発見器>が反応しないなんて事になったら困ってたわよ。唯でさえ惑星一つの中に5~6ヶ所しか無いんでしょ? そんな小さなのを探せと言われても、<瘴気発見器>みたいなのがないと無理よね』


 「<瘴気発見器>でも厳しいから、もっと精度の良い物が作れるようにならないもんか……。遠くからでも反応する物が良いんだが、それは難しいのかね?」


 『さあ? どうなのかしら? 少なくとも今よりも大型にはなりそうよね。それをもって歩き回るのも大変だと思うけど……』


 「あー、その可能性もあるのか。それでもスルーしてしまう可能性を考えたら、あってくれた方がありがたいけど」



 近付かないと分からないなら、内陸の方はスルーしてしまう可能性が高いからなぁ。

 何とかならないものか。


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