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0008・杭の使い方と死体判別法




 Side:イシス



 <時空の狭間>で休憩した俺は、再び惑星へと戻ってきた。そして木を伐り倒すんだが、その理由は木材ゲットの為だ。で、木材を手に入れる理由は繊維を獲得する為でもある。


 繊維っていうのは使い道が色々とある。ロープにしたり布にしたり服にしたり。とはいえ俺が一番求めているのは紙だ。拠点である<時空の狭間>には全く紙が無い。言い換えれば書く事もケツを拭く事も出来ないんだよ。


 そうなると色々と困るし、木は木で武具に必要な物だ。流石に金属製の全身鎧、つまりプレートアーマーなんて着たりしないけど、それでも木製の鎧ってだけで十分だ。おそらくだけど革よりは防御力が高い筈。


 槍だから盾は持たないけど、素材として持っていて悪い事は無い。ちなみに<物品作製装置>だが、アレ実は無限に入る倉庫でもあった。ビックリしてヌンに何回も聞いたけど、本当に何でも無限に入る倉庫らしい。


 俺が喜んだストレージ以上の怪物が拠点にあった件。


 まさにそう言うしかない状況で、引き攣った笑いしか出なかったわ。あの拠点、最強すぎるだろ。時間と空間も断絶されてるし、どう考えてもトンデモ過ぎる存在だ。


 とりあえず思考は投げ捨てて、伐り倒した木をアイテムバッグに回収する。魔物が居ないかはキチンと調べているので、今のところは居ないと思う。木は何本あっても良いからゲットしていくが、下草もナイフで刈ってアイテムバッグへ。


 何かやってる事が地味過ぎてアレだけど、草は大量に必要なんだ。野菜系の栄養素が全然摂れてないが、草なんかを材料にする栄養剤が作れるのは知っている。それさえ作れれば当座の栄養問題は解決する筈だ。


 ヌンも栄養の偏りなどは気をつけてほしいって言ってたし、俺も変な病気とかは嫌なので頑張って草を刈っている。もうちょっと簡単にゲット出来ないもんかと考えているんだが、良い案は思い浮かばない。


 まず木を伐り倒すのが先だし………そういえば残った切り株はどうしよう? このままで良いんだろうか? でも新しく生える木の邪魔にしかならないよなぁ……。どうにかするなら土を掘り返して……!!。



 「そうだ! 【魔術】で土を掘り返せば良いじゃん!!」



 今ごろ気付いたが、そもそも土を動かして柔らかくし、木を押して倒せば伐る必要なくね?。


 よーし! 思いついたら、即実行!! ……ズゴゴゴゴゴ! うんうん、土はこれで大丈夫だ。次は木を、よっこいしょ! ……ズーン!!。


 ………マジか、こんなに簡単に木って手に入るんだな。何か今まで斧を振ってたのがバカバカしくなる。何だろう、文明の利器を超える何かを手に入れた気分だ。


 って、よくよく考えたら【魔術】なんだから、文明の利器を超えてるのか。魔力さえあれば何でもアリだからなぁ、そう考えると既に反則級の力は持ってるんだよ。魔力が少なくて大した事は出来ないけど。


 よし! 気を取り直して、今まで伐った木の切り株をゲットするのと、新たに間伐っぽく木を手に入れていこう。木の根元の土を柔らかくして、押し倒してしまえば安全に木が手に入る。完璧だ。


 俺は木を押して倒しつつ、魔力をドーム状に放射して魔物が居ないかを確認する。最初にウサギに殺されたけど、そこまで魔物の密度は濃くないのかもしれない。森だから魔物が多いと勝手に思い込んでただけかも。


 そんな事を考えながら木を倒していると、上5メートル付近の所に魔力の反応があった。慌てて俺は川の方に走り、川を背にして槍を構える。……よく考えたら俺、背水の陣だな?。


 反応は5メートルくらいの高さにあったにも関わらず、今は「ガサガサ」と地面から音がする。俺は地面を這うように魔力を放射したが、先ほどよりも反応は近付いていた。


 さっきまで上に居たのに、今は地面から来るって何だ? そう俺が考えていると、ようやく反応の主が姿を現した。



 「シャーッ!!!」


 「通りで反応が上にあったり地面にあったりする訳だ。蛇の魔物か」



 森の切れ間から現れたのは、胴の直径が50センチを超える大きな蛇だった。長さは不明だが、結構長い体をしてるんじゃないかと思う。蛇だしな。


 俺は槍を構えつつ様子見をするが、蛇に対してどう戦えば良いのかが分からない。唯でさえニョロニョロしていて攻撃が当たり難いうえ、手持ちの【魔術】では上手く戦える気がしない。


 俺は蛇に槍の穂先を突き付けつつ、どうすれば蛇を倒せるかを考える。とりあえずこっちに向かってジャンプしてきたら避けて距離をとろう。とにかく倒せそうな方法を見つけるまで、どうにもならない。


 蛇は鎌首をもたげつつ、「シャーシャー」言って俺を威嚇している。その間にも色々と考えるのだが、やはり考えが纏まらない。追い返すだけなら、多分だけど出来る。【ウィンドボール】をぶつけ続ければ済む筈だ。


 とはいえそれじゃ倒せたとは言えない。俺の手持ちは【魔術】と槍と杭と……杭?。


 俺は思いついた事があり、杭に干渉して空中に持ち上げる。そもそも【スロー】は、単に魔力を使って物を投げるというだけだ。逆に言えば魔力で干渉して持ち上げたりは自在に出来るんだよ。


 俺は杭を二本空中に持ち上げ、更に上へと上げる。蛇は気にしたようだが興味を無くし、すぐに俺しか見なくなった。


 俺は先手必勝とばかりに蛇に槍を突き出すと、蛇は後ろの森に逃げた。俺は追う事はせず森を向いたまま後ろに下がり、川の近くまで戻った。それに気付いたのか蛇が森から出てくる。


 そして少しずつ少しずつ近付いてくる。そしてある地点まで来た瞬間、俺は空中に留め置いた二本の杭を蛇の体に叩きつけた。その瞬間だけ魔力を一気に篭めたからか、杭は蛇の体に深々と突き刺さった。


 蛇は慌てて体を捻り暴れるが、だからと言って杭が抜ける訳も無い。そもそも長さとしては20センチはある杭、それが深々と体に突き刺さっているのだ。そう簡単に抜けたりなどしない。


 俺は痛みで暴れている蛇に近付き、頭を狙って槍を突き刺す。目と腕に【身体強化】を使用し、一気に突いたのが良かったのか、槍の穂先は完全に蛇の頭を貫く。


 その一撃でビクビク痙攣するだけになった蛇は、その後動かなくなり死亡。俺の勝利となった。



 「ふぅ………やれやれ。それにしても魔物って本当に強いな。コイツも毒を持ってるかどうかは分からないけど、倒さないと安全は確保できないし……。まあ、さっさと仕舞うか」



 俺は槍が刺さったままの蛇を、アイテムバッグに近づけて念じる。すると蛇だけがアイテムバッグの中に入った。これが死んだかどうかを判別する方法だ。何故ならアイテムバッグには死んだものしか入らない。


 なのでこうすれば死んだかどうかが判明する訳なんだが、実は死んだ後も魔力は残る為、魔力の有無では死んだかどうかが不明なんだ。


 そもそも死体の中に含まれている魔力を使って<魔力増強薬>は作られるので、死体に魔力が残ってないとそもそも作れない。説明されれば当たり前の話なんだが、だからこそ死んだかどうかの判別が難しい。


 生命力的なものを感知できれば死んだかどうかは分かるんだろうけど、その方法自体がサッパリなので、今のところは無理だ。取っ掛かりすら無い。



 「おっと。余程に集中してたんだな、俺。もう夕日が出てきてるじゃないか」



 夜になったら<時空の狭間>で休んで………ちょっと待て! <時空の狭間>では時が止まってるんだよな? だったら夜も過ごさなきゃならないのか!? この自然の中の夜を!?。


 うわぁ……気付きたくなかった。朝を迎える為には、夜を生き延びるしかないじゃん。マジかよー……。


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