表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/172

0062・鉱山内部・その7 巨大G




 Side:イシス



 苦労をしたもののGの死骸を全て埋めた俺達は、縦坑の一番下から伸びている支道を見ながら悩む。

 螺旋の道は右にあり、そこから北西南にそれぞれ道が分かれているんだ。



 『バステト。最初にどっちに行く? どうせ全て見て回る事になるんだけど、最初に何処へ行くかは悩むもんなんだよなぁ』


 『そう? どうせ全部見回るなら何処でもいいじゃない。………こっちに行きましょうか』



 バステトは北を選んだので、俺達は北へと進んで行く。

 今だGが全滅したとは思っていないので、必ずや何処かにGの親玉が居る筈だ。

 そういう気持ちと緊張感を持って進む。

 流石に緊張感を切らすのはマズい。


 少し慎重になりつつも進んでいき、狭い坑道の中を黙々と警戒しながら歩いていくと、また分かれ道があった。

 再び右を選んだ俺達はそちらに進むと、何故かツルハシらしき物が残っている突き当たりに到着。



 『突き当たりではあるんだが、何故かツルハシの刃だけが残っているな。長い時間が経っても金属だから残ったんだろうけど、錆びていないところを見るに鉄じゃないんだろう。いったい何で出来ているか知らないが貰っとくか』


 『そのツルハシって多分だけど掘る道具よね? となると、ここではまだ掘ってたのかしら? それとも居なくなる時に置いて行った?』


 『さてな。その辺りは古すぎるし、何より残っている道具なだけだから何とも言えん。とにかくここを掘っていこう、金属が手に入る可能性は高そうだ』



 俺とバステトは【魔術】を使って掘っていき、出てくる土などに<金属探知機>を向けて調べていく。

 金属反応が出るものはどんどんと収納していき、要らない土は圧縮して放置。


 それを繰り返して行き、十分に掘ったと思えたら止めた。

 何度か<時空の狭間>に戻ったので、それなりに金属は掘り出せたと思う。

 俺とバステトは分かれ道を戻り、次は左の道へと進んで行く。


 少し緊張感が切れているものの、それでも警戒しながら進むと、奥には綺麗な場所があった。



 『これは水晶か? こんな所で水晶が大量にある部屋があるとは……。しかし何故か掘った形跡が余りないな? となると、この部屋にぶち当たった事で掘るのを止めたのか?』


 『なんで掘るのを止めたのかしらね? この部屋があっても先を掘ればいいじゃない』


 『さあな。何故かは分からないが、周囲の壁も何もかもを掘った形跡が無い。ま、俺は水晶も頂いていくんで掘るけども、昔の人間は水晶が要らなかったんだろうな』


 『こんなに綺麗なのに?』


 『そんな状況じゃなかったのかもな。<ムンガ>のレポートにもあったが、大国から戦争を仕掛けられていたらしいし、その当時に掘っていたなら金属しか求めてなかったろうさ。おそらくだけどな』


 『そういうこと。戦ってる最中だから、武器の材料とかしか必要じゃなかった訳ね。それならこういう綺麗な物が残されていても普通……なのかな?』



 俺は疑問を感じているバステトを置いておき、水晶をどんどんと採っていく。

 根こそぎに収集したら今度は<金属探知機>を使って調べると、数ヶ所が反応したのでそこを掘って手に入れていく。


 バステトも手伝ってくれるので一気に進み、俺達は金属も根こそぎ頂いた。

 それが終わったら縦坑の下に戻り、次は西へと進む。


 こちらは真っ直ぐに進むと、すぐに突き当たりがあって終わっていた。

 僅かしか掘られていないのには理由があるんだろうか? 試しに突き当たりを掘ると壁が「ガラッ」と崩れ、奥への道が出てきた。



 『わざわざ隠していた? いったい何の為になのか知らんが、一気に怪しくなってきたな』


 『確かにね。何故いちいち隠す必要があったのかを考えると疑問しかないわ。そもそも鉱山なんて掘る人達しか来ないんでしょ? だったらわざわざ隠す意味は無いでしょうに』



 俺もバステトも怪しみつつ慎重に先へと進んで行く。

 すると、その奥には黒いプールがある以外には特徴の無い部屋があった。

 このにおい、おそらくは……。



 『何かしら、この水。異様にくさいんだけど……』


 『これはおそらく石油だ。なんでこんな所に湧いているのか知らないが、俺達はよく息が出来ているな? 何処からか空気が循環してるんだろうが……とにかくアイテムバッグに回収しよう』



 隠されていた道の先には石油が溜まっているプールがあり、だいたい25メートルプールくらいの大きさが見えている。

 俺はアイテムバッグを開けると左手で持ったまま、右手の人差し指を石油につける。


 すると猛烈な速度で石油がアイテムバッグに吸い込まれ、25メートルプールの石油は空になった。

 綺麗にとまではいかなかったが、所々に少し残っているだけで、それ以外は全てアイテムバッグに入っている。


 俺は一旦<時空の狭間>に戻って<物品作製装置>の箱に石油を流し込み、それが終わったら戻る。


 再び戻ってきたものの、石油が湧いているような気配は無い。

 おそらくここに溜まっていただけで、火を使うと危ないから封印したんだろう。

 石油があった所に下りて<金属探知機>で確認するも、何も見つからなかった。


 俺達は道を戻って縦坑の下に着くと、最後に残った南へと向かう。

 すると、すぐにGが現れたので【ヒートバレット】で処分。そのまま進んで行く。

 Gが居た以上、おそらくはこの先がGの巣だ。


 俺は<金属探知機>から火炎瓶に持ち替え、ゆっくりと進んで行く。

 Gが出てきたら即座に始末し、時間を掛けてでも確実に怪我を負わずに進む。

 そうして先へと進むと、そこには大きな縦穴の部屋があった。


 一番下を覗くと、そこには黒い池の如くGが蠢いており、その中央にバカデカいGが居る。


 俺もバステトも悲鳴を上げそうになったが、かろうじてそれを堪える事が出来た。

 それはまさしく奇跡と言ってもいいだろう。



 (おそらく中心に居た巨大なGが魔物なんだろうが、少なくとも10メートルを超える大きさをしてたぞ! あまりにもデカ過ぎるだろうし、アレ程のは想像すらしてねえよ!!)



 俺とバステトは後ずさりしながら戻り、多少戻って「ホッ」としたところでアイテムバッグから火炎瓶を全て出す。



 『いいか、バステト。俺はこの火炎瓶を一気に放り投げていく。最後の一本、いや二本は入り口に投げ込んで燃やす。そうすればGを出さない火の壁のように出来るはずだ。俺達は更に下がり、そこから出てきたGを殺す』


 『わ、分かった。………それにしても何よアレ! デカ過ぎるでしょ!! 幾らなんでも大きさにだって限度というものがあるわよ!!!』


 『もしかしたらあの巨大G,数百年は生きているのかもしれん。魔物になったら寿命が増えるなんていう可能性も無い訳じゃない。虫の中には若返りを繰り返す虫なんていうのも居るらしいしな』


 『あんなのが数百年………。それを知らずに暢気のんきに生きていたのが恐ろしく感じるわね』


 『とはいえ部屋の大きさ以上になっているから、おそらくあの部屋から出られないぞ? だから火炎瓶攻撃でおそらく焼け死ぬ筈だ。ただし、どれだけの勢いで燃えるか分からないのがなぁ……。正直に言って怖い』


 『アブラムシだからメチャクチャ燃えるかもしれないって事ね。そうなるとどこまで火がこっちに来るか分からないじゃない』


 『だから投げ込んだら一気に逃げるんだよ、じゃないと凄い熱風が飛んでくるかもしれないだろ? ………そうだな。戻るんじゃなくて、この坑道から一旦出るべきだ。縦坑の一番下までバステトは戻れ。俺は投げ込んだら一気に戻る』


 『分かった。気をつけてね』



 俺はバステトが戻っていくのを見送り、用意した火炎瓶を見る。

 果たしてこれで足りるのだろうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ