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0051・北の鉱山へ




 Side:イシス



 俺達はそそくさと町を出ると、北に向かって進んで行く。

 どう見ても森というか山なんだが、鉱山なんだから当然か。

 ついでに草花も手に入れて栄養剤の素材をゲットしておこう。

 山の方に岩塩なんかもあればありがたいんだが……。


 その辺りは運が良ければって感じで、あまり期待しないでおこう。

 期待し過ぎて無かった時に凹むのも嫌だしな。

 それはともかくとして、【身体強化】で走っているからか結構な速度で移動出来ているなー。

 後ろの奴等を置き去りにするくらいには。


 そう、町を出てから後ろを尾行する連中が居るんだよ。

 っつーか、あからさま過ぎてバレてないと本気で思っているんだろうかね?

 どこのどいつか知らないが、何となく茶色の犬や長老ではない気がする。


 あそこに居た取り巻きか、それとも町中で俺達を見ていた連中か。

 どのみち俺達は犬より速いんで、さっさと森の中に入れば済む。

 後は匂いを消してしまえば良いんだが、それは犬の嗅覚をあざむかないといけない訳で……。


 正直に言って、川とかがない限り難しいとしか言えない。

 人間の匂いなんて犬達からしたら楽勝で追跡できるだろうし……森の中で獲物を狩るか、それとも採取をしていくか。

 そのどちらかによって誤魔化せるかもしれない。


 山の麓部分にある森に突入した俺とバステトは、魔力を放射して調べつつ森の中を進んで行く。

 すぐに蛇の魔物を発見したが、バステトが【ヒートバレット】であっさりと頭を撃ち抜き始末した。


 俺はその死体の首を短刀で落とし、周りに蛇の血を撒き散らしていく。

 ワザとしているし、血のにおいは強いので誤魔化しにはなるだろう。



 『せっかく綺麗に倒したのに、わざわざ汚すって何やってんのよ』


 『犬どもが後ろから追ってきてたろ? そいつらの鼻を誤魔化す為に血を撒いてるんだよ。血のにおいは強いし、時間が経つと余計にくさくなる。いちいち面倒な連中の鼻を潰したいと思ってな』


 『そういう事ね。それなら分からなくもないけど、いちいち立ち止まってしなきゃいけないのが面倒かしら。追ってきている連中も何が目的なのやら』


 『さあな。里ならともかく町の規模なら派閥は確実にあるだろ。となると自分達だけ得をしようという連中は必ず出てくるさ。俺達を排除して自分達で利益を独占しようって連中はな』


 『くっだらないわねえ。とはいえ、それで優越感を感じるならやるのかしら。私には理解できないわ』


 『理解しておいた方がいい。あくまでも、そういうバカが居るって事だけはな』


 『そうね。そういうバカの存在だけは覚えておく』



 蛇の血を撒き終わった俺は少し離れ、バステトと共に<時空の狭間>へと戻る。

 そして休憩と食事をしたら、アイテムバッグを持って薙刀から<魔力操作補佐杖>へと武器を変更。

 準備を終えたら惑星へ。


 蛇の血を撒いた場所から離れ、俺達は更に北へと進んで行く。

 蛇の血は森に入ってきた方向、つまり入り口側に撒いたので奥が北の筈だ。

 おそらくだけど。


 俺達は更に進み、今度は【ヒートバレット】のヘッドショットで倒し、すぐにアイテムバッグに仕舞う。

 なるべく匂いを残さずに進んでいき、草があれば土を柔らかくして抜いていく。


 そのまま山を登るように坂道になっていく地面を登っていき、ある程度まで進んだものの目的地には辿り着かない。

 どうも北だと言われていたが、方向が違うっぽいな。

 北じゃなくて北東か北西なんじゃないかと思いはじめてきた。


 どちらに行くか迷った俺は、東へと進む事に。

 どっちでも良かったのだが、前回の地下研究所があった建物も北の後で東に行っている。

 もしかしたら今回も、と思って東に決めただけで、それ以上もそれ以下でもない。


 俺はバステトと共に地中に魔力を放射しつつ進み、どこかに空洞か何かがないかと探る。

 今はバステトが周囲を調べてくれているが、さっきまでは俺が周囲を調べていた。

 そしてそんな折、ついに見つかる。



 『バステト、この地面の下に大きな空洞がある。あからさまに魔力の通りが違うからすぐに分かった。となると、この空洞を辿っていけば、おそらく鉱山の入り口がある筈だ』


 『分かった。イシスは空洞がどっちの方向にあるか教えて。私は周囲をしっかり調べるから』


 『頼む』



 俺は地面の下を調べつつ、その空洞がどういう方向に走っているかを調べる。

 どちらかに行けば鉱山の入り口に近付く筈だ。そう思い周辺を探っていく。

 すると存外に早く見つかった。

 それはあからさまに人工物があったからだ。



 『完全に鉱山っていうか大きな穴だし、その周囲はコンクリートか何かで固めてあるな。流石にここまでの人工物だと月日でも塞がれないか。普通なら蔦とかで入り口が見えなくなる筈だが、それも無い』


 『大きいわねえ。穴って聞いてたからもっと小さいのかと思ってたら、とんでもなく大きいじゃないの。こんな場所の中に入るって、普通なら尻込みするか逃げるわよ』


 『俺達なら<時空の狭間>があるからな。中で迷ったところで出られるし、仮に毒ガスか何かで死んでも大丈夫だ。やり直せるっていうのは大きい』


 『それはね。その部分では安心だし、中が崩落して生き埋めになっても<時空の狭間>に帰れば済むのは安心よ』



 俺達は<時空の狭間>という安心できる拠点に感謝しつつ、中に入って【ライト】の【魔術】を使う。

 光球を浮かべながら進んで行くと、早速とばかりに蛇の魔物が襲い掛かってきた。



 「「シャーーーッ!!」」


 「二匹が襲ってきてるけど、一匹隠れているのは分かってるぞ。無駄な事をするな」



 俺は壁近くの岩陰に隠れている蛇に、上からナイフを落として始末する。

 前の二匹は俺とバステトの【ヒートバレット】でヘッドショットしたので、とっくに死亡済みだ。

 俺はさっさとアイテムバッグに入れると先へと進む。


 こういう場所はコウモリが出そうだが、近くに食料が無ければコウモリも住みつく事は無い。

 しかし周りは森なので、ある程度の深さまでならコウモリが居る可能性がある。

 俺達は慎重に魔力を放射して進んで行く。


 穴は高さ6メートルで幅10メートルぐらいに広いものの、トロッコのレールとかは全くないし名残も無い。

 いったいどうやって鉱石を運び出していたのだろう?

 もしかして小型の乗り物か何かか?


 不思議に思いつつも今は横に投げ捨てておき、俺達は穴蔵の奥へとひたすら歩く。

 穴全体に広がるように魔力を放射しているので、天井付近に居る者も確実に分かるようにしている。


 穴が大きいものの、コウモリが居るなら天井の筈なので、そこまで魔力の放射を伸ばさざるを得ない。

 上から奇襲なんてされたら面倒になる事このうえないしな。


 【ライト】で前を照らしつつ進んでいると、今度はネズミの魔物が出てきた。

 コイツが鉱山の中に居るという事は、もしかしたら中には食べる物があるのかもしれない。

 それが何かは知らないが。



 「ヂューーーッ。……ヂュッ!?」



 バステトがヘッドショットしてあっさりと終わらせたが、病気などを考えたら近付かないに限る。

 ネズミっていうのは病気の温床だと考えてもいいくらいで、他に食べ物があるなら食べるべきじゃない物の一つだ。


 実際、俺達なら<物品作製装置>があるので安全なネズミ肉が食べられるだろう。

 もちろんそこまでして食べるべきかははなはだ疑問があるがな。


 それはともかく、倒したネズミをアイテムバッグに入れて先へと進む。

 それにしても銀の反応とやらが分からないので困ったな。

 土の向こうにも魔力を飛ばしてるんだが、どれがどれやらサッパリ分からない。


 この辺りは掘り尽くして何も無い可能性も高いので先に進んでいるんだが、どこまで進めばいいのか分からないのも困りものだ。


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