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0034・夜の狩りと練習




 Side:イシス



 <ムンガ>との戦いで疲れていた俺達も、一眠りして十分に回復したので、今後の動きを少々話し合う事にした。

 なんと言っても<ムンガ>の事があるので、ヤツをどうにかしないといけない。


 とはいえ、惑星全体に散っているようなヤツを完全に滅ぼすなんて、どうすればいいのか検討も付かないんだよなぁ。

 困った事に拡散している以上は、どうにもならないというのが現実だ。


 俺とバステトは<物品作製装置>の部屋で狼のステーキを作ると、それを食べながら話し合う。



 「幾らなんでも惑星中に散らばってるようなヤツを、どうやったら完全に滅ぼせるのか分からん。少しでも存在すれば、増えていってやがて復活……なんて事になりかねんしな」


 「その可能性はゼロではありませんね。完全に滅ぼすのであれば、巨大な集積装置でも作るしかないでしょう。ただ……その<ムンガ>とやらが、本当に惑星中に散っているかは不明ですけど」


 『どういう事? あんな黒いナニカが本体なんだから、何処にでも居るんじゃないの?』


 「そうとは限っていません。簡単に言うと瘴気と呪いが混ざったような者なのです。完全に惑星中に散っているという事も無いでしょう。瘴気というのは集まる場所、もしくは集まり易い場所がありますので、そこを潰していけば良いかと」


 「成る程な、元々天然で集まりやすい場所とかがある訳だ。だからそういう場所を見つけていけば……って、どれだけあるんだよそういう場所。何十年掛かっても終わらないかもしれないぞ、そんなの」


 「そこまでは掛からないでしょう。瘴気もまた惑星を巡っているとなれば、一定以下まで瘴気の濃度を下げれば復活できませんよ。後は浄化する為の物を置いて行くだけです」


 『瘴気の溜まりやすい場所に浄化の道具を置いて行く? 確かにそうすれば勝手に浄化されていくとは思うけど……』


 「でも、それしかないよな。幾らなんでも、俺達で全て何とかしろって言われても無理に決まってるんだし、それじゃ永遠に終わらないかもしれない。流石にそれはなぁ……」


 『そうね。ずーっと、あっちこっちをウロウロさせられても困るっていうのが正直なところよ。流石にそんな事をさせられてもねえ……』


 「これから行うべき事は、浄化の為の道具作りと、瘴気が溜まっている場所を調べていく事です。イシスが作っていた<瘴気集積装置>ではなく、<瘴気発見器>を作成する必要がありますね」


 「ゲッ!? せっかく<瘴気集積装置>を作ったのに、間違ってたのかよ。やっちまったなー……リサイクルは出来るけど、大丈夫かな?」


 「そこは大丈夫でしょう。瘴気を発見する為の道具なら、そこまで難しい物ではありませんよ。集める方が難しいですからね」


 『それはそうね。見つければいいのと、集めるのじゃ全然違うし』


 「ま、そうだな。さて、食い終わったし、まずはゴブリンの集落の片付けだ。死体の所為で瘴気が増えても困るし、全て片付けて綺麗にしておく必要がある」



 俺はそう言うと、バステトを連れて魔法陣の部屋へ行き、惑星へと移動。


 ゴブリンの集落に出た俺達は、各々がやるべき事をやっていく。

 俺はゴブリンの死体を回収していき、バステトは<瘴気集積装置>で集めた瘴気を浄化する。


 手分けしてやるべき事をやった俺達は、一度<時空の狭間>に戻って<物品作製装置>に死体を投入。

 その後、<瘴気発見器>を探すと発見。<瘴気牙>と<呪骨>で作製可能だったので作っておく。


 出てきた<瘴気発見器>は、なんと方位磁針みたいな物だった。

 どうやら瘴気の多い方角に灰色の針先が向くらしい。

 何と言うか……という道具だが、気にしたら負けか。


 俺達はそれを持って一番最初の魔法陣に乗り、森と川の境目に下りる。

 もう夜が近いので、これからは魚を相手に練習だ。



 『バステト、ここの魚が魔力放射の練習相手だ。とにかく川に居る魚は猛烈に魔力に対して敏感でな、俺が薄く薄く放射しているにも関わらず、それでも魔力に反応するぐらいなんだよ。だからこその練習相手となる』


 『分かってる、何回も聞いたから。とはいえ、この辺りまでは斥候として来た事はなかった。里の西には水場があるし、わざわざこっちまでは来る事もない。まさか魚が居たなんて……』


 『ここの魚は夜にならないと動き出さない。何を食べているのか知らないが、何故か夜に活発に動くんだよな。虫を食べるなら昼間に動く筈なんだが……夜に動くものを食うにしても、不思議な生態をしてると思う』


 『魚の生態なんてどうでもいい。ここに出てくる魚が、あの美味しい物になるなら、私は狩り尽くす』



 そこまでか? とは思うものの、とりあえずはバステトの好きにさせる事にした。

 バステトは川の近くまで行き、狭い範囲に魔力を薄く放射。

 すると、すぐに「バシャバシャ」と音が聞こえたので、慌てて後ろに退く。


 魚が陸に上がってきたので、俺はナイフを浮かせて魚の頭に落とす。

 2匹はそれで倒したが、残りの2匹は俺とバステトで倒した。

 俺は槍で頭を串刺しにし、バステトは魔力を纏わせた爪で切り裂いて終わり。


 もはや魚はその程度の強さしかしていないので、俺達にとっては大した相手じゃない。

 魚を回収したら、今度は俺が川に近付いて魔力を薄く放射する。

 やはり「バシャバシャ」と音が鳴るので、俺も後ろへ退いた。


 それからも何度も魔力を薄くして放射するのだが、何故か魚には確実に見つかってしまう。

 何か理由が別にあるのかと思うも、俺とバステトでは想像がつかず不明なままだった。


 結局、薄く薄く魔力を放射する練習に没頭する俺達。

 魚が居なくなったら場所を移動し、川上の方へと行って同じ事を繰り返す。

 どんどんとさかのぼっていき、流石に森の中に入りかけた所で引き返す。


 流石に川上へと行き過ぎたので、今度は川下の方へと移動していく。

 しかし魚を獲り過ぎたのか、魔力を放射しても反応が無くなってきた。

 流石にコレは駄目だという事で、俺とバステトは森に入る事に。


 いつでも帰れるし、二人居れば流石に奇襲は察知できるだろうという考えからだ。

 それに魔力を薄く放射する練習でもある。


 俺もバステトも二度<魔力増強薬>を飲んでいるので、薄く放射する程度の魔力であれば、自然回復分と釣り合っているのだ。

 なので、放射の練習はずっとし続けられる。


 他の事で魔力は消費するものの、そこまでの消費量になる事は多くない。

 その事もあって、未だに俺もバステトも十分な魔力を残している。


 俺達は森に踏み込み、魔力を薄く放射しながら魔物の居場所を調べていく。

 すると木の上に反応があり、俺はそこへとナイフを【スロー】。

 その結果、何かに直撃して落ちてきたのだが、それはフクロウだった。



 『こんなヤツが獲れたんだが、バステトは知ってるか?』


 『そいつは<子供攫い>よ。小さな羽音で飛んで、子供を攫って食うっていう魔物。私達の里では子供を守る為に地面に穴を掘っていたぐらい厄介なヤツ。やっぱり森の中に居たか』


 『俺が居た場所じゃ、この類の鳥はフクロウという名前だったんだよ。確かに無音飛行と呼ばれる程、飛ぶ際に音がしない種類だったと思う』


 『とりあえず、魔力を放射したら見つけられる事が分かったわね。無理して探す必要も無いけど、<物品作製装置>に入れれば何か作れるかも』


 『そうだな。コイツを狩ったのも初めてだし、何か作れるようになってたら良いんだが……』



 俺はフクロウにとどめを刺し、アイテムバッグに入れたら先へと進む。

 俺とバステトは交互に魔力を放射しつつ、確実に魔物を探し出して始末し続けた。


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