表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/14

0003・模様替えと訓練とトイレ




 Side:イシス



 「ちょっと待て、人間じゃないってどういうこった? 明らかに俺は人間だろう!」


 「<生物修復装置>で前任者が改造している為、既に普通の人間ではありません。肉体を欠損しても肉や骨の元を補給すれば修復されますし、塵になっても<時空の狭間>で蘇生されます」


 「<時空の狭間>?」


 「この場所の事です。ここは<時空の狭間>といい、あらゆる時間と空間から切り離されています。ですので、ここに居る限りにおいて時間は進みません。旅先から戻ったとしても、旅先の時間は進まないという事です」


 「マジか……トンデモ過ぎて意味不明だわ。つまりアレか? 旅先で強大な敵が現れて勝てないってなったら、勝てるまで修行してから戦っても良い?」


 「はい、構いません。というより、それが<時空の旅人>の基本的な戦い方です。敵を倒せる力さえ有ればいいですが、無い場合もあります。そんな時には勝てるまで修行をするのが正しい対策でしょう」


 「うわぁ……。ズルい! 凄くズルいが、それが使えるのは俺だけだから問題なし!! 敵が持ってたら嫌過ぎるが、自分が持ってる分には存分に利用させてもらおう。それはともかく、俺は何をしたらいい?」


 「まずは前任者が置いていった拡張鞄を開けて下さい。中にある物を確認しておきましょう」


 「拡張鞄?」


 「中の空間が拡張されている鞄の事です。それなりに大きな物ですので、沢山の物が入れられます」


 「おお! 何か知識の中にあるぞ! 確かマジックバッグとかアイテムバッグというんだっけ? なかなか良い物を置いていってくれたんだなぁ。ちょっとだけ感謝しよう。ちょっとだけだが」


 「確かになかなか良い物ではあるでしょうが、イシスは魔術で物を持ち運べますよ? 今は無理なので練習しなければいけませんが」


 「なん、だと……?」



 魔術が使えればアイテムバッグと同じ事が出来る? それってストレージとかアイテムボックスの事か? ………マジかー。何か急にアイテムバッグの価値が下がったな。何だよ、それ。俺の感動を返してくれ。



 「ちなみにアイテムバッグでは中の物は腐敗しますので気を付けてください。魔術で作りだした空間は時間を停止させる事が可能です。ただし訓練を経なければ使えませんし、常時魔力を消費しますので運用は考えなければいけません」


 「常時魔力を消費するって、それ僅かな時間しか使えないだろう。それじゃストレージの意味が無いじゃないか」


 「ストレージ……? ああ、魔術での空間拡張の事ですね。消費魔力と回復する魔力が釣り合えば問題ありません。魔力の総量を底上げするには幾つか方法がありますが、一番良いのは魔力増強用の薬を作る事でしょう」


 「魔力増強用の薬?」


 「はい。魔力を持つ物を大量に使用すれば、<物品作製装置>で作れます。それを飲んだ後に<生物修復装置>で最適化すれば、魔力の総量は適正な形で増えます」


 「ふーん……。まずは魔力増強用の薬、まあポーションだな。それを作らなきゃいけない訳かぁ。ところで<時空の旅人>って色々な所を旅するんだろ? やっぱり魔物っていうかモンスターが居る星とかあるわけ?」


 「あります。というより、主にそういう星に行く事になります。理由は、そういった星の生態系を破壊する為ですね。一度綺麗にして、新たに住みやすく改造するのだと思われます」


 「誰が?」


 「世界がです」



 ………世界、ねえ。まあ、この辺りは聞いても無駄な気がするから聞かないでおこう。



 「まずは<時空の狭間>を変更しましょう。今の<時空の狭間>には訓練に使える場所などがありませんし、石造りの場所ばかりです。おそらく前任者がそうしていったのでしょうが、使いやすくもありませんし不便でしょう」


 「え? ここ自由にカスタマイズ出来るの?」


 「はい、可能です。ただし新しく作る際には色々と材料が必要ですが、現在の部屋割りなどを変更するのは難しくありません」



 …

 ……

 ………



 俺はヌンと共に色々と「あーでもない、こーでもない」と言いながら変更し、そしてとりあえずの形に落ち着いた。


 床はよく分からん白いのだ。何でもこれが元々の床だったんだそうだが、前任者が沢山石を集めてきたので石造りの場所になっていたらしい。俺としてはむしろ白い床や壁の方がマシだ。石だと閉じ込められている気分になる。


 惑星に行く為の魔法陣部屋は最南。そしてそこに行く通路の西に訓練場と、東に通路の先にベッドがある4つの部屋にした。


 そして北の扉を開けると左右と突き当たりに扉があり、西には<生物修復装置>、東には<物品作製装置>の部屋を置く。突き当たりは天蓋ベッドの寝室だ。俺しか居ないのだからコレで十分である。


 つまり地図を描くと、こうなっている訳だ。



 ―――――――――――――――


   F

  D□E

   □ C C

  B□□□□□

   □ C C

   A



 □:通路

 A:魔法陣

 B:訓練場

 C:ベッドのある個室

 D:生物修復装置

 E:物品作製装置

 F:寝室


 ―――――――――――――――



 ちなみにヌンと初めて話した魔法陣部屋だが、アレは登録の為に必要なのであって、登録された現在は必要ないらしい。ヌンとは何処に居ても会話が出来るので問題なし。


 あくまでも<時空の狭間>の中なら可能で、各惑星にはついて行けないとの事だが、ついて来れたらついて来る気かよ。それもどうなんだ?。


 それはともかくとして、俺はこれからヌンに習って色々と覚えなきゃいけない。何と言っても魔術の使い方もそうだが、まず戦い方が分からん。それらは必死になって覚えるしかない。


 死んだって蘇るとはいえ、誰も好き好んで死にたくなんてないしな。アイテムバッグの中に武器とか防具とか食料とかが入っていたので、とりあえずそれで過ごせるだけ過ごしつつ特訓だ。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 あれから大凡おおよそで3日か4日ほど経ったと思うが、流石にそろそろ食料がマズい。剣とか槍とかの使い方も分かったし、魔術の使い方もしっかりと教わったので大丈夫だ。


 というか、この体には前任者が勝手に<生物修復装置>で覚えさせていたようで、剣とか槍とかを自然に振れるんだ。魔術も知識を植え付けられたからか、割と簡単に使えた。ストレージだけは苦戦したけど、それでも使用可能だ。


 とはいえ使っていると魔力が減ってくる感覚がするので、やはり維持し続けるのは今の時点では無理みたいだ。ちなみに空間を大きくすればする程に魔力を消費するらしく、とてもじゃないけど今は使えない。使えるけど、使えない状態だ。


 流石にそれは駄目なので、アイテムバッグの存在はありがたかった。前任者には感謝してやらん事もない。


 それと、訓練場とベッドのある部屋と寝室にはトイレを付けた。すっかり作るのを忘れていたが、催してきて初めてトイレが無い事に気付いて慌てたわ。ちなみに石で出来た洋式トイレで、何とも言えない冷たさを感じるものだった。


 尻を綺麗にするのは魔術で問題なく出来たのだが、水がある事を知ったので、慌ててヌンに話して温水洗浄器付き便座にしてもらった。何を動力源にしているか知らないけど、何故か音声で綺麗に洗ってくれて、温風で乾燥までしてくれる便利仕様だった。


 どうもトイレを使っている本人の生命力? とやらで動いているらしい。イマイチ分からないが、聞くのが恐いので聞かない事にした。ちなみに出た物は自動で<時空間のひずみ>に捨てられて、その先で消滅するらしい。恐ろしい仕様のトイレだ。


 さて、そろそろ魔法陣部屋に行って、どこかは知らないけど惑星に降り立たないとな。そうでないと食料が無い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ