表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/76

0020・訓練と成果




 Side:イシス



 狼二頭の死体をアイテムバッグに回収した俺は、一度<時空の狭間>に戻って練習をする事にした。手加減じゃないけど、威力を調節できないと上手く使えない気がする。


 目の前の景色が歪むに任せつつ、俺は色々な方法を考えるのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 「お帰りなさい、イシス」


 「ただいま、ヌン。魔力が増えていたのは良いんだが、【魔術】に一定以上の魔力を篭めると魔物に見つかってしまうんだな」


 「相手も魔力を感じられる以上、そもそも当たり前の事ですね」


 「それで、ちょっと練習しなきゃ駄目だと思って戻ってきた。特に必要なのは、手加減っていうか制御だ。今まで薄く放射していた筈なんだが、その力加減じゃ今までより多くの魔力を放出してしまう」


 「魔力の総量が増えた際に、必ずついて回る問題です。総量が増えれば増えるだけ、放出する量を制限する訓練をするしかありません。自在に魔力を操るとまでは言いませんが、それに近いコントロールは必要です」


 「俺もそれは思った。後、【魔術】を準備している段階で気付かれるんだ。だから準備は最小の魔力でやって、そして必要な量を一気に詰め込んで発射。これが敵にバレずに【魔術】を使う方法だと思う」


 「ですね。限りなく薄く、相手に見つからない量まで魔力濃度を薄くするしかありません。または相手が回避できない程に速い速度で敵に当てる、もしくは相手が回避できない広範囲を一気に攻撃するか。そのどれかでしょうね」


 「それぐらいしか方法は無いか……。よし、納得できるまで練習しよう。ここなら時間は止まってるしな。ヌンも手伝ってくれ」


 「分かりました」



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 あれから5日ほど経ったと思う。今のところ限界じゃないかと思えるぐらい薄く、そして一気に魔力を篭める事は出来るようになった筈だ。


 ついでに熊の牙の短刀とか、熊皮のジャケットを作製したりもしていた。装備は今のところはこれぐらいだ。


 兜は悩んだんだが、周りが見えなくなったり重いのは戦い辛かったので、結局箱に入れてリサイクル。その後に作ったのがジャケットだ。


 俺はそれを羽織っており、これから惑星に転移する。この5日で十分な技術は身につけられたから、後は実戦で役に経つかどうかだ。それに、そろそろ草や葉を補充しないとマズい。栄養剤が作れないんだ。


 だから現実的にも限界で、惑星に行かざるを得ないという事情もある。さて、そろそろ魔法陣部屋だ。さっさと魔法陣の上に立って行こう。


 惑星に降り立った俺は、すぐに河原を登って山の方へと向かう。熊を倒さないと話にならないからだが、まずは魔力を放射して調べよう。薄く薄く水面に波紋が広がるように放射する。


 何も感じ取れなかったので更に移動して放射。するとギリギリの範囲に引っ掛かったので、俺はその場所へと踏み込んでいく。ヌンも言っていたが、いつか踏み込まざるを得ないなら、今踏み込んでおくべきだ。


 魔力が少なかった頃ならいざ知らず、今は熊も倒せる程度まで魔力は増えている。遭難を絶対にしない、確実に帰る事が出来る以上は踏み込むべき。そう言われたので、それもそうかと思った。


 今の内に熊を出来るだけ倒し、魔力を限界まで増強しておく。そうする事で山の卒業とし、俺は山を下って人里を探す。だからこそ熊をこちらから探す為にも森や山へと踏み込む。


 森へと踏み込んで進み、魔力をもう一度放射する。やはり同じ場所に反応があるので進み、俺はそっと木の陰から相手を見る。すると、そこに居たのは狼だった。どうやら伏せて寝ているようだ。


 俺は腰元のナイフに干渉して狼の上まで持って行くと、そこから魔力を篭めて一気に落とす。狼は途中で気付いたが遅く、頭に直撃を受けて貫かれた。俺はそのまま放置し、魔力を放射して周囲を確認する。



 (周囲に魔力の反応は無し。狼を回収するか。おそらくはまだ死んでないが、それでも意識は無い筈)



 俺はゆっくりと狼に近寄り、ナイフの柄を持つと引き抜く。素早く離れたのが良かったのだろう、ドバッと血が出たが俺に掛かる事は無かった。


 俺は血の掛からない方向から狼を回収し、魔力を放射しながら進んで行く。森の中を進むとすぐに魔物を発見。しかし木の上に反応があるので蛇と判断。その木からは遠ざかる。上から強襲なんてされたくないからな。


 再び魔力を放射しつつ進んでいると反応を発見。そちらへと近付いていくと、向こうもこちらへと近付いてきた。こっちに気付いているのか、それとも偶然か。そこは分からないので進んでみるしかない。


 そして相手が視認できる場所に行くと、それが熊だという事が分かった。しかも俺に気付いている。匂いかそれとも魔力に反応したんだろうが、薄い魔力には前も反応していなかった気がするので、おそらく匂いだろう。


 俺は槍を構えて【ヒートバレット】の用意をする。極めて薄く準備をしているので、カミナリグマも気付いていない。俺はそのまま準備を完了し、発射直前に一気に魔力を篭めて発射。それによって熊は回避する事が出来なかった。



 「グォォォォォォッ!!?!」



 顔面というか右目に直撃を受けた熊は悶え苦しんでいるが、俺は躊躇する事無く動き、熊の頭に強化した槍を突き刺して抜く。


 素早くサイドステップすると、熊の頭から血が噴出。アイテムバッグを開けて何度か収納と念じると入ったので、その場を素早く離れる。


 とりあえず熊は簡単に倒せるようになった。そして森の中も何とか歩けるようになっていると思う。もちろん危険な事に変わりはないし、なるべくなら森になんて踏み込まない方が良い。


 とはいえ踏み込めないのと踏み込まないのは同じじゃない。少しでも森歩きが出来るようになるのは悪い事ではないし、今後の為にも歩く練習はしておいた方が良いだろう。踏み込まざるを得ない時は確実に来る。


 俺の人生が長い以上は避けていても必ず来るし、もしかしたらこの星でその状況になるかもしれない。なら、いつまでも避けるのは無理だ。だからこそ今回は気合いを入れて踏み込んでいる。


 魔力を放射しつつ下草を抜いてアイテムバッグに詰めていく。栄養剤の材料の確保も必要な事だから、っと、何かの反応があるな。アイテムバッグを背負って準備だ。


 俺はアイテムバッグを背負い、槍を構えながら反応の方に進んで行く。そして近付いて分かった。熊の夫婦だ。大きいのと一回り小さいのが居る。


 少し迷ったものの、俺はナイフを二本浮かべて熊の上にセット。そして二本とも小さい方の熊の頭に落とす。避けられなかった小さい方の熊は頭に直撃を受けて倒れる。


 俺は【ヒートバレット】を準備しつつ槍を構えて熊へと突撃し、熊が俺に気付いて吠えようとした瞬間、口の中に【ヒートバレット】を撃ち込む。



 「ガゥブッ!? ーーーーーーッ!?!?!」



 口の中を火傷したからか、猛烈な勢いで左右に転がる熊。俺は目と腕を【身体強化】して見切り、武器を強化して一気に頭を突き刺す。抜いた後は素早く小さい方の熊に近付き、そちらの頭も突き刺す。


 二頭の頭から派手に血が噴出するが、俺は気にせずにアイテムバッグを下ろして近寄り、収納と念じて入れていく。ナイフは抜いてから収納しているので【クリーン】を使ってから腰元に直し、再び魔力を放射する。


 すると上に魔力反応があるので、すぐにその場を離れる俺。どうやら蛇が近付いてきていたらしい。厄介なヤツだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ