表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

0002・探索と魔法陣




 Side:???



 <物品作製装置>のウィンドウを確認していて思ったんだが、作れる物の中に<青銅の剣>とか<鉄の槍>とかがあった。


 正直に言って冗談だろうと言いたいんだが、もしかしてここでは武器が必要なんだろうか? あと<マスケット銃>というのもあって驚いた。何故かリボルバーとかマシンピストルとかは無かったが。


 それはともかく何も作れない俺は、<物品作製装置>のある部屋を出て、今度は突き当たりの扉を開く事にした。というか、そこしか行く所が無いんだけどな。


 ノブを回して扉を開けると、今度は通路が右と左に分かれていた。右には先程までと変わらない扉が左と突き当たりにあるんだが、左には灰色の四角い壁が見える。石と錯覚しそうになるが、あれは四角い壁だ。


 俺はとりあえず右の通路に行き、まずは通路の左の扉のノブを回す。中を確認すると、そこには木製のテーブルと椅子があった。ここ、木製のテーブルと椅子が多くない?。


 テーブルの上には紙があり、またもや記号だらけの代物だった。既に見慣れた為、それが文字だと分かるが。



 「えーっと………『これを手に持ち読めるという事は成功したのだろう。お前は私に代わる新たな<時空の旅人>となる。残念だがこれは強制であり、それは私も変わらなかった』。………どういう事だよ?」



 俺は何枚もある紙を1枚ずつ読んでいく。すると、何故俺がここに居るのか分かった。


 <時空の旅人>とは、あらゆる時間や空間に行ける者の事で、混沌の時空間の中でも己の位置を正しく認識、固定できる特殊な能力者の事らしい。そして前任者であるこの紙を書いたヤツは、その果てに俺を見つけたんだそうだ。


 その前任者は疲れきっており、代替わりをする為に能力者を探していたらしい。そして俺を見つけ眠らせて拉致し、あの<生物修復装置>で改造して放置した、と。


 紙には大量の謝罪が書いてあったが、前任者にとっては地獄だったらしい。能力者といっても能力に差はあり、前任者は能力が低く凄く苦労したそうだ。


 時空間を固定する能力が強ければ強いほど、様々な場所に行けるらしいが、低いと行ける場所に偏りが出来るそうで、モンスターが居る星ばかりだったそうだ。たまに悪魔の居る星もあったらしい。


 その暮らしに耐えられなかった前任者は、自分の嫁となったサキュバスと暮らす為に、最後に行けるようになった星で俺を見つけて拉致したようだ。怒りをぶつけられないのが腹立たしいが、全ての元凶が分かったのは良かった。


 ちなみに時空間を渡って行ける場所において行う事はバラバラで、その都度指令が下るらしい。誰かは分からないものの、前任者はその前の人物から<神>ではないかと伝えられていたとある。


 何故こんな事を神がやるんだよと思うも、同時に先程見た装置2つがあり得なさ過ぎて否定出来ない。あんなトンデモ装置、俺の知識には全くないぞ。


 <生物修復装置>は仮の名前で、アレは知識を与えたり頭の中を書き換えたりと、やりたい放題が出来てしまうそうだ。悪い事に使った際にどうなるかは前任者も知らないと書かれていた。恐くてそんな事をする気にならなかったとも。


 正直に言って、俺も同感だ。こんな装置を当たり前のように用意している時点で、神か技術力の非常に高い星のエイリアンぐらいだろう。それ以外には考えられない。


 それと<物品作製装置>の内容も、それぞれの星での指令を熟すと増えていくそうだ。誰かが見ているらしいのだが、その誰かは書かれていなかった。………こわ。


 それと突き当たりの部屋に装備一式があるから、それをせめてものお詫びとして置いて行くとの事。謝罪の文字ばかりだが、現物での謝罪があるなら許してやらんでもない。


 実際、もう勝手に<時空の旅人>とやらにされてるし、前任者に怒りを向けてもどうにもならないからなぁ。怒りや恨みを持っても疲れるだけだし、俺も誰かに任せて逃げればいい。……うん、そうしよう。


 俺は部屋を出ると、今度は突き当たりの部屋に行く。その部屋の中は床に大きな魔法陣が書いてあり、それは灰色で床と見分けがつきにくかった。そして、その魔法陣の中央に鞄が一つ置いてある。……あれが装備か?。


 前言撤回。前任者のヤロウ、ふざけてやがる。高が鞄一つを装備と書いたり、あからさまに怪しい魔法陣の中央に置きやがったり。マジで最低だな!。


 俺は逡巡するも、意を決して魔法陣の中央へと向かう。鞄の所までやってくると、灰色の魔法陣が輝き、赤や青やオレンジに変わっていく。そして最後には虹色に輝き始めた。



 「生体認証開始。…………クリア。これより新たな<時空の旅人>に登録します。名前をお願いします」


 「えっ? 名前? …………あっ、アセト。いや、イシスでいいか。確かどっかの女神の名だが、豊饒の神であり、魔術で生と死を司るという神だ。時空の旅なんて正に魔術としか言い様が無いからな」


 「正しく名前をお願いします」


 「正しく? ……ああ、どっちか決めてないって思われたのか。なら、イシス・アセトという名前にしよう。イシスが名前でアセトが名字。どっちも同じ神の名前だが、勝手に名乗る分には怒られないだろう」


 「登録者名<イシス・アセト>………登録。それに相応しき力を付与します」


 「は?」


 「…………エラー。強力すぎる力を現在の器には付与できません。代替措置として魔術と魔力を付与します」


 「いや、あの説明し!?」



 あ、れ……?。


 …

 ……

 ………


 う……ん? ……何だ? 冷たい床で寝てる?。



 「お目覚めですか? <イシス・アセト>。魔術と魔力を付与した結果、貴方は36分24秒前に気を失いました。現在は意識を回復しており、肉体および精神は良好です」


 「お目覚めは良好じゃないけどな。それよ………? 頭の中に知らない事が浮かんでくるんだが? もしかしてこれが魔術なのか?」


 「おそらくそうでしょう。魔術を使用し制御する為の魔術回路、および魔力を集積する為の魔力回路を作製し肉体に付与しました」


 「………うん、それは新たに得た知識から分かる。分かるんだが……魔術が使えるとか何の冗談なんだか。というか、魔術なんてものが実在する事が驚きだわ。初めて聞いたぞ、こんなの」


 「それは魔術が無く、魔力も集積できない肉体を持つ星の生まれだからでしょう。世界は広く、魔力を使う存在など当たり前のように居ます。自らがスタンダードと考えるのは止めましょう」


 「いや、まあ……そうなんだろうけどな。それはともかく、俺が話している君は誰だ?」


 「私は<時空の旅人>を管理し、サポートする為の知性体です。貴方が<イシス・アセト>と名乗るのであれば、私は<ヌン>と名乗りましょう」


 「<原初の水>かよ……。それはともかくとして、俺のサポートをしてくれると考えて良いんだな?」


 「はい。<イシス・アセト>が新たな<時空の旅人>となった為、私のサポートが受けられます。今までは登録されていなかった為、サポートは受けられませんでした」


 「ああ、そういう事か。それはともかく、俺の事はイシスと呼んでくれ。それにしてもまさか、女神イシスの名を借りたら魔術が使える様になるとは思わなかったぞ」


 「普通であれば、登録された後に希望を聞いて能力を付与するのですが、イシスは神の名を名乗りましたからね。神の名を名乗った者は、それに相応しき力を与える事が決まっています」


 「マジか……。じゃあ、名乗った神によっては凄い力が貰えるって事かよ」


 「いえ。肉体という器が足りない為、神と同じ力を持つ事は不可能です。その制限の事を考えれば、魔術回路と魔力回路を得られたイシス神の名は当たりでしょう」


 「ああ、肉体が耐えられない訳か。そりゃそうだよな、神様の力を完全に手に入れられたら人間じゃない」


 「イシスは既に人間ではありませんよ?」


 「はい?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ