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0014・夜の狩りの終了と武器強化の結果




 Side:イシス



 「うん? ………日が昇ってきたのか。ついに朝になったんだが、これまだ二日目なんだよな。惑星に来て二日目の割には、メッチャ内容が濃い気がする。どれぐらい魚が獲れたのかは覚えてないが、未だに魚に気付かれるぞ。こいつらどんだけ魔力に敏感なんだよ」



 思わず愚痴が出てしまったが、あれからひたすらに魚を獲っていたにも関わらず、タヌキやうり坊が出てくる事は無かった。もしかしたら珍しい奴等に見つかったのかもしれない。でも、野生動物だって水を飲みに来るよな?。


 夜行性なら夜に川の水を飲みに来る筈なのに、魔力を放射して調べていたが、他に近付くヤツは居なかったんだ。他の所で飲んでるんだろうか? それならそれで楽だから助かるが。


 朝日が顔を出すのを見つつ、俺は一旦<時空の狭間>へと戻る事にした。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 「お帰りなさい、イシス。今回は今までで最長の時間、惑星に居ましたね」


 「ああ、そうだったのか。魚を刺しては、川に魔力を薄く放射。魚を刺しては、川に魔力を放射。それを繰り返してたからじゃないか? 俺の時間感覚も麻痺してたかもしれん。限りなく薄くしている筈なんだが、何故か感付かれるんだよなぁ。むしろ俺が感付けるかどうか分からない」


 「そこまで薄くしても見つかるのですか……。それでも練習と経験は得て悪いものではありません。今はしっかりと技術を磨くべきでしょう」


 「分かってる。ちなみに戻ってきたのは、向こうに朝日が昇り始めたからだ。薄い魔力の放射と、武器に魔力を流すだけだったから、大して魔力を消費しなかったのも大きい」


 「武器に魔力を流していたのですか。あまり魔力を頻繁に流すと、素材の劣化が早くなるので注意してください」


 「えっ? ………マジか。<物品作製装置>に放り込んで作り直した方がいいかな?」


 「素材の劣化が酷いと<時空間のひずみ>に自動廃棄されるので、狼の牙自体は減っていきますよ。あまり頻繁に武器を強化するのは良い事ではありません。強化しなければ倒せない相手に使いましょう。もしくは強化も薄く行うかです」


 「魔力が劣化を早めるなら、その魔力の量を減らせば劣化は遅くなるか。とはいえ、それなら流さない方がマシなんじゃないか?」


 「確かにそうですが、ほんの僅かでも流れていると違うものですよ? 切れ味にしろ耐久力にしろ、魔力無しと魔力有りでは違いが出ます。そこは自分で感じる方が分かりやすいでしょう」


 「そうなのか。………なら鉄製の装備って大した事がないんじゃないのか?」


 「魔力を流し難いという事は、防具に使えば魔力に対する抵抗を手に入れられるという事です。ちなみに鋼はもっと流し難いですから、そちらの方が防具としては優秀でしょう。代わりに強化は出来ませんが」


 「成る程な。防具も強化出来る以上、強化出来る素材の方が良い事も当然のようにあるわな。その辺りは多分だけど、出てくる魔物によっても変わるんだろう」


 「そうですね」



 俺は<物品作製装置>のある部屋に着いたので、箱の中にどんどんと魚を入れていく。数えたらなんと57匹も獲ってたよ。こんなに獲ってるとは思わなかった。


 ついでに狼の牙の槍を箱に入れ、新しい狼の牙の槍を作る。劣化がどこまでだったかは分からないが、早めに狼を持って帰ってきておいた方が良いな。予備も作っておいた方が良いかもしれない。


 そう思って確認するも、もう一本を作る材料は無かった。やはり早急に狼を倒さないといけないな。思い切って森の中に進むべきか? 帰るのは難しくないし、魔法陣で再びスタート地点から始められる。


 そう考えると、遭難する事は無いんだよな。ただし死ぬと困った事になるので、絶対に死ぬ事は出来ない。アイテムバッグをまだ作れない以上、森の中で死ぬとアイテムバッグを完全に失ってしまう可能性がある。それは相当にマズい。


 魚と同じように魔力で気付かせてもいいんだが、魚と比べて感度が低い奴等ばっかりなんだよな。もし気付かせようとしたら、かなりの魔力を使う必要がある。それは効率が悪い。どうしたもんかな?。



 「とりあえず魚の塩焼きと栄養剤が出来た。こいつを飲みたくはないが、飲まないと体が危険に晒される恐れがある。………仕方ない、腹を括ろう。……いざ!」



 俺は今回も鼻を摘み、無理矢理に飲み込んで終わらせた。ただ、鼻は摘んだままで離そうとはしない。ある程度の時間が経ってからじゃないと、再び地獄に突き落とされるのは確定している。


 俺は鼻を摘みながらも水を飲み、左手でフォークを使って魚の塩焼きを食う。味が分からないが気にしない。地獄の激臭を味わうくらいなら、食い物に味が無い方が遥かにマシだ。


 食べ終わった俺は狼肉のステーキも作り、鼻を摘んだまま更に食べる。硬いというか、噛み応えのある肉という感じか。二度目だからか、それとも鼻を摘んでいるからか、肉の食感を強く感じる事が出来ている。


 狼肉のステーキも食べ終わったので、流石にそろそろ大丈夫だろう。そう思った俺は、鼻を摘んでいた指を少しずつ離して確かめる。



 「大丈夫かは、実際に息をして確かめるしかないな。すぅー………おえっ。とはいえ少し込み上げる程度で済んだか。という事は、鼻を摘む用の洗濯バサミでも作れば、指で摘まなくてもいいな」



 俺は<物品作製装置>で洗濯バサミを作り、鼻を摘んでみた。少々バネが強いがコレで良いだろう。ちなみにバネ部分の鉄は、かつてあったドアノブを再利用している。今のドアは総木製で、押して開けるタイプの物だ。


 そもそも拠点である<時空の狭間>には、生きている生物は俺一人しか居ないし、何よりヌンは何処ででも見ている。なので俺にプライベートなどというものは無い。だから誰でも開けられるドアでも問題無いのだ。自慢にもならないが。


 俺は寝室まで戻ると装備を外して服を脱ぎ、それぞれと自分の体を【クリーン】で綺麗にする。終わったら服を着てベッドにダイブし、ゆっくりと眠るのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 スッキリと起きた俺は、鎧などを身に着けて準備を整え、魔法陣部屋へと行く。ここからは朝の時間だ。木を入手する事もあるが、他にも色々と手に入れないと栄養剤が作れない。クソ不味いが、だからと言って飲まない訳にはいかない物だ。


 苦労してでも草木は手に入れておく必要があるし、それは狼もだ。とりあえずの目標を決めたら、魔法陣に乗って転移。惑星へと移動する。


 惑星に降り立つと朝日が昇り始めた時間だった。俺は間伐する形で地面を柔らかくし、木を押し倒して抜いていく。アイテムバッグに入れたら木を探して歩き、良さ気な木を押し倒して入手。それを繰り返す。


 そうやって木を手に入れていると、放射した魔力に反応があった。どうやらこの薄さでも、俺はまだ感じ取れるらしい。素早く森から出ると、俺は小石の多い河原で槍を構えて待つ。


 穂先を森へと向けていると、森から二頭の狼が現れた。まさか二頭も現れるとは思わなかったが、すぐに腰元のナイフに干渉して持ち上げる。それを見ていたからか、狼二頭は素早く左右に展開。俺に向かって唸る。


 俺は左の狼に槍を向けつつ、右の狼には空中に浮かぶナイフを見せる。これによって同時攻撃を防ぐ事が出来る筈だ。実際にナイフを見ている狼は少し右に動いたが、それに追尾するようにナイフを動かすとその場に止まる。


 迂闊に動けない形を作ったからか、唸るだけになった狼。膠着状態に陥ったかに思えたが、左の狼が一吠すると右の狼が動き出す。俺に対して真っ直ぐ攻めて来たので、魔力を多く篭めてナイフを頭に突き刺してやった。


 深くまで突き刺さったナイフは脳にまで達したのか、前につんのめって倒れた狼はピクリともしなくなっている。魔物に突き刺さったままの物は干渉が非常にしづらくなるので放置。俺は左の狼と正対する。


 後はコイツを倒すだけだが、油断はしない。


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