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第5話:海を泳ぐガザミ

ガザミはワタリガニのことだよ!

ああ、まさかこんなところで漂流することになるなんて――。


縦横無尽に動けるシオマネキとなった俺、勝。しかし泳ぐ力はまだ未熟で、海中の強い流れに抗えず、ぐるぐると流されていた。


「う、うおお……!なんだこの流れは!泳げない俺はただの流木かよ!」


もがいてももがいても、海中の流れは容赦なく俺を遠くへ運んでいく。完全に無力な状態だ。


そんな時、不意に小さな影が群れとなって俺を囲んだ。


「うわっ!アジの大群だと!?ヤバイ、やられる!」


俺の周りをちょこちょこと小魚の群れがぐるぐる旋回。普通のシオマネキならひとたまりもない。


しかし、俺はここであきらめなかった。


「待てよ……そうだ、あの毒をハサミにコーティングすればいいんだ!」


慎重に蓄えていた猛毒をハサミの先に塗りつける。


「これが俺の合わせ技だ!毒コーティングハサミ!」


毒に触れたアジたちはたちまちひるみ、次々と倒れていく。


「ふっ、これでようやく形になってきたな!」


力を取り戻した俺は、仕留めたアジを次々と捕食。魔力の源を大量に取り込んだ。


すると体がじわじわと変化を始めた。


「うおおっ、これが進化か!?俺はシオマネキから、海を自由に泳げるガザミになったぞ!」


遊泳脚が生え、俺は初めて泳ぐ喜びを実感する。


「これで俺は、海のどこへでも行ける!さあ、狩りの始まりだ!」


毒の力でアジの群れを撃退し、シオマネキからガザミへと進化した俺。新たに手に入れた遊泳脚を使って、今度は自由自在に海中を泳ぎ回れる。


「うおおっ、こいつは快適すぎる!まるで水の中を走ってるみたいだ!」


海底を蹴って、ふわりと軽やかに前進。縦横無尽どころか、上下左右、ぐるぐる自由自在。今までの不自由さが嘘みたいだ。


そんな俺の視界に、大きな平たい魚影がちらり。


「あれは……ヒラメ?カレイ?」


獲物を見つけるやいなや、狩りモード全開。泳ぎの自由を活かし、こっそりと獲物の背後に回り込む。


「これならハサミでしっかり掴める!」


狙いを定めて、勢いよくハサミを振り下ろす。


「キャッチ!」


ヒラメが驚いて逃げようとするも、俺の強化されたハサミは逃さない。まるで水中のピンセットだ。


「やった!今日の狩りは上々だな!」


捕まえた獲物をバリバリと食べながら、俺は満足げに笑った。


「さあ、この調子でさらに強くなって、あのクロダイにリベンジしてやるぞ!」


自由に泳げる喜びと狩りの楽しさを噛み締めつつ、俺の新たな冒険が始まるのだった。

多分半分くらい来ました。

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