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マッチ狩りの少女

作者: 砂糖醤油

2000年地図にも載ってない小さな北の国では

17月35日になると子供達がマッチを小遣い稼ぎに売り出す風習がある

その風習が生まれた訳は50年前に遡る


1948年 度重なる戦争に勝ちその国は発展していく富を持つものは富をさらに蓄え

持たないものはさらに搾り取られる

そんな国だった

その国の軍隊長をしていたロジースは妻を3年前に亡くし妻の形見とも言える一人娘と暮らしていた

娘の名前はエイミー街では父親の親しみやすい性格に似て気さくで元気な子だった

エイミーには好きな子がいたそれはルドだ

ルドは役人の息子だった

ルドはエイミーには興味がありエイミーもそれは薄々わかっていた

暖かい暖炉の前でエイミーは父親が夕食を作っている様子を見た

作っているのはエイミーの好きなトマトスープだ

「できたぞー」ロジースが言う

エイミーは走っていった

夕食を食べ終え眠りにつこうとした時窓に小さな光が見えた

近づくと一面の銀世界の中に1人の女の子が小さなマッチを燃やして温まっている

女の子は道を歩いてどこかにいったのでエイミーは気にせずに寝た


1年がたちエイミーは言葉をうまく話せるようになって学校にも行っている

最近学校では絵を描いているらしいエイミーが描いているのは1箱のマッチだ

学校にはあまり行きたがらないエイミーが最近は毎日学校に行くようになった

ライターを使う今 メアリーのマッチは古くて面白いということでルドも一緒に描くことになったらしい

ある日ロジースは戦争に行くことになった

最後になるかもしれないメアリーとの別れではロジースはいつもハグをしてから行く

しかしその日のエイミーは嫌がった

ロジースの出発を見送ると学校に行けなくなるからだ

ロジースが引き止めてもルドのことしか考えてないエイミーは学校に走り出した


エイミーがいない間報酬を分けると言う契約で叔母がエイミーと暮らした

とても優しい叔母でエイミーはとても気に入っていた

しかしエイミーに一通の手紙と紙に巻かれた何かがあった

機嫌が悪いのか舌打ちをしながらそれを渡す叔母からもらって中を見た

エイミーはプレゼントだと思い 手紙より荷物の方を見た

誰かの腕が入っていた

もはや腕かどうかすら怪しい肉片を冷や汗を垂らしながら手紙を見る

宛先はエイミー送ってきた人の名前は覚えてる戦争に行く時にロジースの隣にいた人だ

悲しむ間も無く叔母が椅子を投げた目に当たって痛かったが痛いよりも寂しかったその場にうずくまり動かなかった

報酬のために子供の世話をしていた叔母は手紙に入っていた少ない報酬を握って出ていった


ロジースの家は叔母の息子の夫婦が住むことになった

エイミーは孤児になった外は寒いので昔から使っている毛布とマッチを6箱持っていった

いつもの何倍も外が寒い

エイミーは幼く商業で知っていることは売れば買われるということだけだ

そこでたくさんあるマッチを売り出すことにした

値段も決めていないが呼べば買ってくれると思った

「マッチはいりませんか」

か細い声が銀世界の沈黙に掻き消される


何日経っただろう片目は腫れて痩せ細ったエイミーに1人の男性が近づいたエイミーは

「マッチはいりませんか」

消えそうな声で言った

男は札束をエイミーのかごに入れた

そのあとライターで燃やしたエイミーは泣きながら火を手で消そうとするしかし全てが燃えて何もなかった

エイミーは床に落ちた燃えた1つのマッチの箱しか無くなった

エイミーは怒りと悲しみと寂しさで何度も嗚咽を繰り返した

意識が消えそうな時にロジースが夢の中に現れた少し安心したエイミーはいいことを思いついた

ここら辺をずっと徘徊してるエイミーは道を熟知していた

1箱のマッチだけを持ち ある家に向かった

叔母の息子の家だ

エイミーが苦しむ理由は寒さとライターと自分を嘲笑う人だと考えた

家に入ると全員寝ていたエイミーは包丁だけを取り外に出たらマッチを1つ取り出して火をつけるエイミーは昔住んでいた家を燃やした

寒い外が暖かくなりエイミーは笑った

涙はもう出なかった

役人が来るよりも先に別の家にいった

札束を燃やした男の家だ

エイミーは周りを熟知しているのですぐに男の家がわかった

躊躇せず声を出して笑いながらエイミーは火をつける

ただ火だけでは中の人は殺せないと考えたエイミーは出てくる人を刺して殺すことにした

人が出てきた

迷わず刺した

エイミーの笑顔が崩れた

刺した人はルドだ

札束の男はルドの父親だった

ルドからはトマトスープのような血が流れ落ちて白い雪を赤く染める

自暴自棄に陥ったエイミーはたくさんの家を放火した

28軒の家に火をつけた

エイミーは大量殺人の罪で処刑された


さらに1年経ってエイミーの命日になった

その日は乾燥していつもより寒かった

ライターでタバコを吸った28軒の家は燃えた

その事件は国の王まで届いた

王はライターを一切禁じた

マッチを求めてたくさんの人が迷走する

すると火事で親を失った孤児たちが

マッチを売り出したたくさんの人に買われるようになった


そこから50年孤児はいなくなったものの子供達はお小遣いを稼ぐために「マッチはいりませんか」

と轟かせる



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