表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/37

虫沼の楽園(中編)

「こ、これは流石に……」


 あまりにも恐ろしい光景に、絶句する。

 

 カナブンが闊歩し、ミミズが地を這う。

 セミが空を舞い、バッタが跳ねている。

 大量の虫たちが蠢いていた。

 

 これまでとは数が違う。

 戦うのも逃げるのも、困難なのは明白だ。


「何の策もなく、突破するのは難しそうですわね」


 ヨアケとフミカは同意見だった。

 ナギサの援護射撃で切り抜けたミミズの群れが、可愛く思える。

 それぞれの虫の数を合わせて五十……いやそれ以上にいるのではないだろうか。

 

 四人全員で突撃したとしても、全員は辿り着けない。

 では迂回路があるかというと、そういうわけではなさそうだ。

 虫集団の背後に、しおれた楔の花が見える。


「やれないこともないと思うが」


 ナギサは自信に満ち溢れた提案をし、


「あのミミズは、口から粘液を飛ばすようです。粘液塗れになるわたくしの姿を、そんなに見たいのですか?」


 意地悪な笑みを浮かべたヨアケにたじろぐ。


「……そんなつもりはない。だが、どうするんだ?」

「フミカさん。こういう時は何か攻略法があるのでは、とわたくしは思うのですが」


 話を振られて、フミカは思い返す。


「ちょっと、気になることがありまして」

「な、なんだよ……」


 ちらり、と絶望しているカリナを見る。


「さっきいたところ、なんだけどさ」


 


 フミカたちは、分断後の陸地の手前で止まっていた。

 上を見上げる。

 クモの巣が広がり、その主であるクモがいた。

 その隣にはハチが捕まり、苦しそうに悶えている。


「あれは、クマバチですわね」

「あーそうか、そういう名前でしたね」


 ミツバチよりもずんぐりとした、大きなハチ。

 近づかれて、驚いたことがある人も多いだろう。


「クマバチは、その見た目と羽音から誤解されがちですが、温厚なハチなのです。人を襲うことも、滅多にありません。こちらから危害を加えたり、巣に接近しすぎなければ。オスには針もありませんしね」

「そうなんですか……?」


 昔、クマバチに追われて逃げ回った記憶があるが、あれは逃げ損だったのかもしれない。


「で、どうするんだ?」

「助けるのがいいかと」


 ナギサがクロスボウを取り出した。

 フミカとヨアケも、メイスとナイフを装備する。

 ナギサの矢がクモに直撃し、落下してきた。

 ひっくり返った巨体を、ヨアケと協力しながら攻撃する。

 

 クモがダウンから復帰した。されど、クモの行動パターンはわかっている。

 前足を使った打撃と、鋭い牙による噛みつき、尾から放たれる糸攻撃だ。

 焦らなければ、ダメージを負うこともない。


「え、あ、待って……! 置いてかないでくれぇ……!!」


 我に返ったカリナが、小剣をクモの尻に突き刺す。

 ナギサも参戦して、滞りなく倒すことができた。


「これで……!」


 クモの消滅と同時に、クモの巣が消えた。

 自由になったクマバチが、ホバリングしながら接近してくる。

 その羽音は強烈だが、敵意はなさそうだった。

 

 フミカたちの周りを嬉しそうに飛び回ると、何かを投げ渡してきた。

 何かは、ぽとりとカリナの目の前に落ちる。

 普通サイズのミミズだ。


「ひぐうああああー!?」

「落ち着け」


 逃げ出す前にナギサが拘束し、事なきを得る。

 フミカはちょっと嫌な気分になりながらも回収した。

 飛び去るクマバチを見送りながら、テキストを確認。


〈クマバチの返礼品。虫沼の大ミミズが成長する前の姿。人の身では価値を見出せないが、それを欲しがる存在もいるだろう。与えてみるといい。きっと喜び、飛び立つはずだ〉

「これって――」


 フミカは直感的に理解した。

 アイテムをみんなと共有する。

 ヨアケは頷き、ナギサも首肯し、カリナが絶叫した。


「では、早速参りましょうか」

「ええ、行きましょう!」


 騒ぐカリナを宥めながら、楔の花へと直行。

 転送コマンドを選択した。




 美しくも、破壊された庭園の中に転移する。

 滅ぼされた洋館、そのボスエリア。

 マルフェスと戦った場所に。


「おーい、マルフェスー!」


 フミカは声高らかに呼ぶ。

 赤き巨鳥。

 エレブレ4初めてのボスにして、運び屋を担ってくれた恩義な不死鳥を。

 上空を旋回していたマルフェスが、降下してくる。


「あ、来た来た――ん?」


 様子がおかしい。

 そう気付いた瞬間にはもう、両足で攫われていた。


「え、えっ? どういうこと!?」


 困惑するフミカの真横に、ミリルが飛んでくる。


「たぶんだけどさ、アレが原因じゃない?」

「アレ……?」

「君さ、マルフェスのことぶん殴ったじゃない。だから、その報復」

「いやあれは不可抗力で――マルフェスさん、マルフェ、うわあああああ!!」


 因果応報。フミカは地面へと叩きつけられた。



 ※※※



 べちゃり、と目前で潰されたフミカの音に身を震わせる。

 何やってんだ、と思う。

 フミカに、ではない。

 自分自身にだ。

 

 カリナは、フミカたちにおんぶに抱っこの状態だ。

 いくら虫が苦手だと言っても、限度というものがあるだろう。


(せめて……画面越しだったらまだマシだったんだが)


 もしくはヌメヌメ系でなければ。

 などと現実逃避したところで、現状は変わらない。

 

 フミカが何を思いついたのかは知らないが、あの大群を丸ごとスルーできるというわけではないだろう。

 必ず戦闘はある。自分は戦えるのか。

 それとも、また……。


「全く、酷い目に遭ったよ」


 楔の花で復活したフミカが戻ってくる。

 糧花を回収し、マルフェスへとミミズを差し出した。

 

 遠くからの一瞬。

 それだけでも、身の毛がよだつ。

 

 ミミズを食らったマルフェスは、天高く飛び立った。

 そしてどこかへ向かう。

 きっと虫沼の楽園だ。


「よし、戻ろう!」

「ああ……」


 元気よく促がしたフミカに、小声で応じる。

 次の瞬間には大声が出た。

 至近距離でフミカが見つめてきたからだ。


「な、なんだよ……!?」

「大丈夫?」

「……平気だよ、あたしは」


 嘘だ。全然平気なんかじゃない。

 だが、これ以上足手まといにはなりたくなかった。

 

 ナギサやヨアケにもそうだが、何より、フミカの邪魔をしたくない。

 自分がフミカの足枷になっている事実が、受け入れがたい。


「わたくしたちは先に行ってますわね」


 空気を読んだのか、ヨアケたちが先行する。

 残されたカリナの前で、フミカは座った。


「別にいいと思うんだけどな。苦手なものがあっても」

「でも迷惑かけてるだろ」

「お互い様って言うんじゃない? こういうの」


 フミカに倣って、カリナも座る。

 庭園に咲く花の、甘い香りが鼻腔をとろかす。

 正確に言えば、花の匂いだけじゃない。

 フミカの匂いも、だ。


「完璧な人は、カッコいいと思うけどさ」

「生徒会長……みたいにか? もしくは風紀委員?」

「ナギサさんは弱点あったでしょ。生徒会長は、わからないけど。……完璧でいたいって気持ちはわかるよ。怖がる自分が、嫌な気持ちも」

「……我が儘言ってないで、受け入れろってことか?」


 口走った後に、後悔する。

 今のは嫌な言い方だ。

 自分のために、わざわざ時間を割いてくれているのに。


「受け入れるも何も、カリナはできてるでしょ? なのに、なんで悩んでいるのか不思議になっちゃって」

「……は? どこが――」

「だって、逃げられたでしょ。一人で。すごいと思うよ」

「どこがだよ――あんな情けない――」


 虫沼での奇行を思い出して、恥ずかしくなる。

 顔を背けるカリナの横で、フミカは空を見上げた。


「私、閉じ込められちゃったじゃない? 風車の村でさ。穏やかな悪夢の中はね、閉所で暗くて、不気味な場所だった。だからパニックになっちゃってさ。しかも、うまく逃げられなくて。ヨアケさんがいなかったら、たぶん、どうしようもなかったと思う」

「そういえば、怖いの苦手だったな、お前」


 苦手なくせに見るのは好き、という難儀な性格だった。


「だからさ、カリナはすごいんだって」

「お前の援護があったから、逃げられただけだ」

「一緒に包まった時も、合わせてくれたでしょ」

「だからそれは……お前が、その……」

「なら、やっぱり大丈夫だよ」

「は? 今の流れでどうして――」

「私がいれば大丈夫、なんでしょ?」

「――っ」


 にかっと笑うフミカ。

 その笑顔の眩しさに、目を奪われる。

 見惚れている間にフミカは立ち上がる。


「よし、これで行けるよ、絶対! あそこを突破したらボス戦のはず! 後少しだよ!」


 手を差し伸べてくる。

 カリナはその手を握り、二の足で立った。

 ズルいんだよ、と胸の内で思いながら。


「二人を待たせてるし、早く」

「待て。……待って」


 その手をしっかりと握りしめる。

 沼地の時は無意識だった。

 しかし今は明確に。

 自分の意志で。

 

 そよ風が二人の間を通り抜ける。

 自分たち以外、誰もいない場所で、見つめ合う。

 一瞬の静寂の後、カリナは口を開いた。


「そ、その……あたし――解放したいスキルがあってな。ポイントを貯めてたんだが、やっぱり、別のスキルを解放しようと思うんだ。向こうでいじるとなると落ち着かないから、ここで解放したい。いいか?」

「もちろんだよ!」


 二つ返事を受けて、カリナは複雑な表情を浮かべる。


「先に行っててくれ。すぐに行くから……」

「わかった。待ってるからね!」


 転移するフミカを見送って。

 カリナはスキルの項目を開き、嘆息した。


「あたしの意気地なし……」



 ※※※



「どうですか?」


 フミカはヨアケに問う。

 例の大群までの敵は、綺麗に片付けられていた。

 目につく範囲でのミミズも見られない。カリナへの配慮だろう。

 流石は風紀委員と生徒会長だ。


「マルフェスが来たようですわ」


 大群エリアの近くの木に、マルフェスが止まっているのが見える。


「やっぱキッツ……」


 おっかなびっくりな様子で、カリナも戻ってきた。


「無理しなくてもいいんだぞ。君がいなくとも、やり様はある」

「抜かせ、風紀委員。援護はできるぜ。直接は無理でも、間接的には、な」


 カリナの負けん気が戻ってきたようだ。

 しおらしいのも可愛いが、カリナと言えばやっぱりこっちだ。


「じゃあ早速――」

「……待て」


 制したナギサの視線は、大群エリアの手前に注がれている。

 誰かがいた。

 甲冑を着た騎士だ。

 

 花の紋章を施されたサーコートと、フルフェイスヘルムの上に被る花飾りが特徴的。

 クロスボウで狙いを付けたナギサとアイコンタクトを交わし、フミカが盾を構えながら接近した。


「突然の呼びかけ、失礼する。貴殿に用があったんだ」


 友好的なNPCのようだ。

 警戒を解いて近づくと、騎士は会釈してきた。 


「貴殿だろう。クマバチを助けたのは。言葉を持たない彼に変わって礼を言おう。ありがとう」

「いえいえ……」


 深々と頭を下げる騎士。誠実そうな男の声だ。

 

「さっき確認した時はいなかった」

「妙ですわね……」


 ナギサたちの囁きが気になりながらも、フミカは騎士に応対した。


「頭を上げてください。ただの成り行きなので……」

「善人である上、謙虚とは。貴殿のような人に出会うのは久方ぶりだ。クマバチは恩を返す益虫。もし見かけたら、手を貸してあげて欲しい。きっとその恩に報いてくれるだろう。そして、私もまた」

「手伝ってくれるんですか?」

「貴殿が善き行いをする度に、必ず。花の騎士カンパニュラが手を貸すことを誓おう。推察するに、この先の大群に手を焼いているようだ。貴殿さえ良ければ、私も馳せ参じるつもりだが、どうだろうか?」


 フミカは仲間たちへ振り返った。


「いいですよね?」

「わたくしたちは知識と経験がありませんから。フミカさんの考えに従います。二人も、それでよろしいでしょうか?」

「異論はない」

「あたしも従うぜ」


 三人の同意を得られたので、肯定する。


「是非に!」

「任された。貴殿の進撃に合わせて参戦する。好きなタイミングで突入してくれ」


 フミカたち三人の準備は整っていた。

 未確認の仲間に、改めて訊ねる。


「行ける?」

「ああ――もちろんだ」


 顔こそ少しこわばっているが。

 覚悟を決めた瞳で、カリナが頷いた。

 



 かくして、虫沼における大掃除が始まった。


「行きまーす!」


 先陣を切るフミカを筆頭に、ナギサ、ヨアケ、カリナの順で大群ゾーンに突入。

 同時に、虫たちも反応を始めた。

 近くにいたカナブンが寄ってくる。


「どりゃあ!」


 メイスの一撃。怯んだところをヨアケがナイフで突く。

 三体のカナブンを相手取るナギサは、涼しい顔でサーベルを振るっていた。彼女に数は関係ないのだ。

 

 カリナは後方から、炎をセミに飛ばしている。

 みんなと比べると行動は消極的。

 でも、それでいい。苦手を無理に克服する必要はない。

 

 しかしカナブンはその大きさ通り硬い。

 動きは単調だが、処理に手間取る。

 その間に、ミミズやバッタが迫ってくる。

 セミも飛来していた。

 

 ナギサはブレイヴアタックやガードを交えて、必殺の一撃で駆除している。

 しかし、フミカたちはそこまで効率よく倒すことができない。

 ヤバいかも、と危惧した瞬間、不死鳥の鳴き声が轟いた。


「マルフェス!」


 天から舞い降りたマルフェスは、大ミミズをついばんで一呑み。

 よほど味がお気に召したらしく、ミミズを優先的に喰らっている。


「花の騎士カンパニュラ――いざ参らん!」


 カンパニュラも推参した。

 花の意匠が施された剣と盾を持ち、バッタに斬りかかる。

 不死鳥と騎士という味方が増えたおかげで、ターゲットも分散した。

 

 ヨアケが暗殺者としての本領を発揮し、次々と虫の背後にナイフを突き立てていく。

 フミカはカナブンの頭を叩き潰す。負担はだいぶ軽くなった。

 セミには対抗できないが、カリナが炎で落としてくれている。


「これなら!」 


 勝機を確信した瞬間――。

 想定を打ち砕く轟音が地面を鳴らした。

 

 林の中を突き抜けて、何かがやってきていた。

 その球体は、通り道の虫をすり潰しながら現れる。

 敵の増援の姿に、フミカは見覚えがあった。


「オルドナー!? もう雑魚敵になってる!!」


 クソでかダンゴムシ。

 またの名を、装甲虫オルドナー。

 城館へと至る道で戦った、驚くほど弱いボス。

 

 かつてのボスが雑魚へ格を下げるという光景は、よくあることだ。

 過去作でもそうだった。他の死にゲーでも見たことがある。

 

 だが、数が多い。三体もいる。

 そして、オルドナーの戦法は、乱戦状態にマッチしている。

 敵味方関係なく薙ぎ倒してくる存在など、厄介以上の何物でもない。

 

 その証明とばかりに、フミカへと一体が突撃してきた。

 目の前にいたミミズを蹴散らしながら。


「うわああああ!」

「フミカ!」


 どうにか回避したフミカは、心配するカリナに叫ぶ。


「大丈夫! けど――」


 敵はいい具合に分散している。速やかに対処できれば勝てる。

 しかしそのための火力が足りない。

 後もう少しなのに。

 

 歯噛みしながらも、フミカに打開策は思いつかない。

 ……誰も犠牲にならないという、条件では。



 ※※※



 オルドナーの登場により、優勢が劣勢へと転じていた。

 ローリングの直撃を受けたマルフェスが、上空へと退避。

 カンパニュラは防御行動に移っていた。

 ナギサはさほど変わっていないが、ヨアケは回避を余儀なくされている。

 フミカも逃げ惑うばかり……と思いきや、不自然にみんなから離れて行っている。


「どこに行くんだ!」

「私がオルドナーを惹きつけるから、そのうちに!」


 フミカの策には危険が伴うと、カリナは直感的に理解した。

 所詮はゲームではある。それも死にゲー。

 死んだところでペナルティは微々たるものだし、結果としてそれで勝てるなら、むしろ積極的に行うべきなのかもしれない。

 

 だがそれは、全員が正攻法で挑んで無理だった場合に行うべきで。

 自分というお荷物のカバーで、行われるべきじゃない。


「それは早計だぜ、フミカ!」


 カリナは杖を天高く掲げた。

 現状、足りていないのは火力だ。

 足りないのならば、補えばいい。


「皆に炎を!」


 杖先を地面へと叩きつける。

 赤色の魔法陣が展開し、炎のエフェクトが皆の元に迸った。

 ナイフとサーベル、そしてメイスが赤く発光する。

 炎属性の付与魔法――俗に言うエンチャントだ。

 

 正直に言えば、カリナ好みの魔法ではない。

 ダイレクトに攻撃する魔法の方が好きだ。

 それでも。

 ……ミミズ相手には、まともに戦うことができなくても。


「あたしがいるから大丈夫だ! やっちまえ!」

「うおおおおッ!!」


 フミカが炎を纏うメイスで打つ。

 引火してカナブンがのたうち回った。

 

 炎攻撃を食らうと、虫型の敵は必ず怯む。

 ダメージ量も増えていた。

 処理速度が、明確に上昇している。


「ふむ。これなら――」


 特にナギサの暴れっぷりが顕著だ。

 サーベルの連撃で三匹のバッタを、八つ裂きにした。

 回復したのか、マルフェスも再びミミズを食らい始めている。


「これはなかなかの数。花の魔法、その一片を披露しよう」


 カンパニュラが魔法を行使した。

 地面から草花が生えてきて、虫たちを拘束する。

 見逃さなかったヨアケが、カンパニュラと連携しながら始末していく。

 気付けば虫も残り数匹となり、縦横無尽に駆け回るオルドナーが目立つ程度になっていた。


「ミミズさえいなきゃな!」


 カリナは駆け出す。魔法をセットして唱えた。


「炎よ!!」


 炎がダンゴムシへと命中し、ライフをごっそりと持っていく。

 詠唱が無駄だとは知っている。コマンド式だと。

 

 でも、いい。

 こういうのは気分なのだ。

 

 オルドナーを燃やすのは、最高に気持ちが良かった。


「よっしゃああああ!!」


 掃除を終えて。

 勝利の美酒(くさびのはなみつ)を、皆と分かち合った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ