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幼馴染と私の仕草 - キーワード -

作者: 白兎

 こんにちは。

 いや、おはよう?こんばんはかな?

 まぁ、私視点ではこんにちはですね。


そして、そんな挨拶に迷う私は雛鶴 綾香。

今をときめくJKってやつです。

そんな普遍的なJKの部屋にある違和感は『これ』です。

『これ』を足でげしげしとつつきます。


「おい、なんだ。鬱陶しいぞ」

「乙女の部屋に勝手に入り浸っといて、何様さ~」


そう、『これ』とはツンツン頭で不機嫌そうなしかめっ面が板についたこの男。

私の幼馴染である、鷹原 龍。

鷹だったり龍だったり贅沢なやつめ。


私達は幼馴染のお話によくある通り、お互いの部屋をよく行き来する仲。

今日も今日とて、金曜日の放課後という1週間で最も安らげる時間を共に過ごしているのでした。

とはいえ、なんで私が寝そべってるベッドにわざわざ腰かけてるんだ、こいつは。

そこが沈んで、私が微妙にベッドの端にずれていくじゃないか。

そんな思いを浮かべつつ、つつく段階から蹴りの段階へとぐれーどあっぷ(とは言っても、優しくだけど)!


「おい、なんで段々強くなってんだ」

「そりゃあ、ペナルティはどんどん重くなっていくものだからね~」

「お前の体重みたいにか、っておい!今のは普通に痛かったぞ」


そりゃあ痛くしましたからね。

だけど、そんなことを口に出したら私がまるで図星を突かれたみたいなので口にはしない。

その代わり足が出ちゃったけど。


「ったく、もう少し運動でもしたらどうだ?」

「や」

「ガキか……」

「立派なレディです~」


私のこのぐらまらすなぼでぇが見えないというのかね、こいつは。

……いやまぁ、おうちの中で本を読んだり、お菓子を食べたりゲームしたり。

そんなことばっかのせいで、一番グラマラスになりそうなのはお腹なんですが……。

とはいっても、別にまだくびれはあるし、胸もちょっと平均より下になってるだけ。

身長もまだ150くらいだけど、これから伸びるので胸も一緒に大きくなる……予定。


「何自分で言っといて自分でしょげてんだ」

「別にしょげてない、ばか、あほ」

「こいつ……」


あ、やば。

幼馴染にだけ分かるくらいの、微妙な空気の変化。

それが指し示す答えは……。


「ったく、俺が来てんのに本ばっかり読みやがって」


少しの不機嫌なのでした。

その証拠に、上に被さるように乗っかられて、本を取り上げられちゃってます。

うつ伏せのまま読んでたのが災いして、亀さんみたいに2段重ねです。


「……重い。本返して」

「やなこった」

「ガキはどっち……」


ここで折れずに言い返すのが私流。


「ったく……減らず口しか叩かねぇな、この口は」

「十何年の付き合いなの?それくらい分かっ、んんっ……」


そして、折れずに言い返すような減らず口は、キスで塞がれてしまうのでした。

ということで、私たちは既に付き合っている仲なのです。

このお話が幼馴染がくっつくラブコメだと思いました?

残念、くっついた後のファンディスクみたいなお話でした。


と、そんなくだらないことを考えてると、舌を入れられました。

このえっちさんめ……。


「ん、ぐっ……りゅう……」


しかし、そんなえっちさんの口撃で私はとろとろにされちゃいます。

仕方ないですよね、幼馴染の贔屓目はあるかもしれませんが、その不機嫌そうな顔立ちが似合うくらいにはイケメンで、私がずっと恋心を抱いてきた世界で一番かっこいい人なので。

そんな人にキスされて舌まで入れられたら、もう白旗です。


「っ、ぷはっ……顔、だらしなくなってんぞ」

「だりぇの、せいで……」

「お前が撒いた種だ」


そう言うと同時、両手を頭の上でひとまとめにされて、片手で押さえつけられました。

体は、上に龍が乗っているので動かせないし、両手もこれじゃ動かせない。

大好きな幼馴染に私の全てを握られている。

そんな感覚から、頭がどんどんぼーっとしてきちゃいます。


「アヤ……」

「ふ、やぁっ……な、に……?」


そんな頭の時に、耳元で優しく囁いてくるのは反則です。

反則に抗議するように、私の顔は赤くなっていきます。

決して恥ずかしいからとかじゃないです。


「顔赤くなってんぞ。可愛いな」

「ひぁっ……そんな、こと、言わない、でぇ……」


……勿論嘘です。

大好きな人になら可愛いって何度でも言われたいし、言わせるためならお化粧もお洒落も頑張れます。

そして、幼馴染ならそんなことは当然分かってて。


「アヤ、可愛い。好きだ」

「んっ、にゃぁぁぁ……」


そして、ほんとは言ってほしいんだろう?みたいな問答をされるよりも、そのまま攻められ続けたいっていう私の性癖も知られてるわけで……。

幼馴染にだけ通じる無言の仕草(キーワード)

それを聞かれちゃったら最後、何度も何度も耳元でこんな言葉を囁かれ続けます。

そんなことされたら、こんな風にネコになっちゃっても仕方ないですよね。


「りゅう……りゅー……」

「ったく……普段の減らず口はどこへやらだな。ま、いつものことか」

「んにゃ……ふへぇ」


ああ、もう頭がふわふわしてきて……。

まだ陽も昇ってる時間だけど、このままシちゃっても……


「帰ったわよ~」

「「あっ……」」


お母さんが帰ってきちゃいました。

もう、せっかくいい所だったのに!!


「アヤ、起きろ」

「むぅ……分かった」


不承不承起き上がります。

上に乗ってた龍の重みがなくなって寂しさを感じてると、頭の上を撫でられる感触。


「ほら、また今度してやるからそんな顔してんじゃねぇ」

「わふ……しょうがないなぁ」


しょうがないので、そのまま龍の胸元に飛び込みます。

黙って受け止めてくれて、そのまま頭をなでなでと。

龍の体、いつの間にこんながっしりしてきたんだろうなぁ、良い匂いだなぁ、あったかいなぁ……とかそんなことを考えてると、今度は別の理由で頭がふわふわと……。


「おい、ここで寝るな」

「やぁーあ、ここ、わたしのへや……」

「はぁ、涎垂らすなよ?」

「ん……」


なんだかんだで拒否しない龍のなでなで攻撃に陥落して、私は夜ご飯の時間まで寝ちゃうのでした。


━━━━涎を垂らしたことで、夜にはお仕置きされたのはまた別の話。

読了ありがとうございました。

こちらも1時間くらいで書いた駄作というか性癖作品でした。

楽しんでいただければ幸いです。

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