⒈F
Fside
昔から、そう。
両親は上辺だけの愛で愛し合っていた。父親が母親に貢いで、母親は父親の言うことを聞く。だからか、ろくに私の面倒は見てくれなかった。私達、と言った方がいいか。飯は本当に時々、父親が500円を置いといてくれる。でも、双子の弟達もいる中そんな金では全然足りなくて。
「おにいちゃん、おなかへったぁ、、」
「おれもぉ、、」
「お腹減ったね。ちょっとまっててね?」
弟達は体が小さく、弱いから、ちゃんと食わせないとダメだ。服も貰えず汚い服のままだった。
「おはよう」
いつも機嫌がいい母親。それはそうか、金は父親から貢いでもらってるから、溢れるほどあるだろう。私の家は普通に金持ちだった。金持ちが暮らすような家で育ったけど、父親が用意した部屋はボロくて倉庫のようなものだった。
後もう1つあるんだよ。うちの母親の機嫌がいい理由
「また汚い服きて、、ほらぁ、おいでぇ。紫音」
私の名前は、紫音。
本当の性別は弟たちが言っていたように、男。俺だけ、母親は俺だけを、、女性にしようとしていた、実際私は、性同一性障害。見た目は女子でも、心は男性だった。母親は見た目だけではなく心まで女子にしようとしていたのだ。
「そんな睨んじゃダメだってば、ほらほら、女の子、でしょ?紫音」
るせぇよ、、クソ親が。
「すいません」
「いいの〜。あなたは身長が低いからちょうどいいわぁ。あら、でも、、」
弟達を舐めますかのように見て、、ターゲットを決めたのか、双子の兄の方に近づいて
「あなたも案外女顔ねぇ、紫音より向い」
「弟に手は出すな。そういう約束だろーが。」
「,,,んふっ。もちろん!嘘よ嘘!約束を破るのは女らしくないわっ!」
母親からは性的暴力と、私を女性のように生活することを強要してくる。
父親からは暴力、暴言。金の権力があるのは父親だから、父親に従うしかなかった。そうじゃないと、弟達が死んじゃう。
「お前は、要らない子だからな。ちゃんと分かってるんだろうな。」
「,,,はい。」
「じゃあ今日もお仕置の時間だ。」
気を緩めたら死んでしまうんじゃないかと思うくらい強い力で何発も殴られる。
よろけたふりをしながら避けて、死なないようにする。
たまに、死のうとするとそこで終わって、そのまま放置される。
父親はちゃんと分かっているのだ、避けていること、死にたいと思ってること、、多分、GEと会っていることも。
さすがに家に帰らないと怪しまれるし、弟達が心配だったため数日に1回帰してくれた。まぁ、帰りたくはないが。あくまで、弟達のために。
帰る度に父親からは殴られ蹴られ、母親からはやはりと言っていいのか、性的暴力。
両親からの愛は貰うことも無く生きてきた私にとって、全てが分からなくて、、凄く憧れのものだった。それをくれたのが、彼だった。
「おぉ〜!五川じゃないか!」
彼は奴隷スパイではなさそうだった。
「おぉ、、」
「相変わらず人に興味が無いなぁ、って、、その子供は誰だい?」
「あー、、拾った?」
「え?!人に興味が無い君が?!」
「うるさい、、で、何か用か?」
「え、たまたま会ったから声掛けた」
「,,,」
GEはものすごく迷惑と言わんばかりの顔をして彼の方を見ていた。
「あははwそんな怖い顔しないでくれよ。この子供、名前は?」
「F」
「簡易だな、、まぁいいか、Fくんか!」
「う、ん、、?」
「こいつ喋れるのかい?」
「まぁ、、頭は相当いいみたいだぞ、」
「へ〜。なぁ、Fくん!」
「何、、?」
「あー!こいつよりは怪しくないから安心して!」
「お前の方が怪しいだろ?!」
「何を言ってるんだい?」
「えぇ、、俺がおかしいのかよ、、」
物腰は柔らかいくせにすげぇ煽ってくるし、性格絶対悪い。今のGEみたいな感じだ。
「GEさん、この人、誰?」
「ん?あぁ、、頭おかしい人だ。」
「へー、、」
「,,,頭いいようには見えないんだが?!」
「んな大声で言うな。ガキ相手だぞ、、」
「君には言われたくない、が、言いすぎた。ごめんな。」
「,,,」
よく分からない奴とは喋るなって、GEが言ってたなぁ、、その当時は本当にGE以外頼れる人間がいなかったからGEのことは全部信じてた、、そりゃバカになるわ。うん、、いやまぁ、小中高とどれも行けてないから頭は相当悪いんだが
「あ、そろそろ時間だ、じゃあな〜!」
その次の日も、次の日も、ずっとずっと彼は来た。
「なんでそう毎日毎日来るんだよ、、」
「次はこれ〜。」
「無視??」
勉強を教えてくれた。ちょっとずつ、仲良くなっていった、、幸せとは、一生続く訳では無いらしい。
彼が、目の前にいるのに、喋れない。何故か冷たくなっている彼を見ながら、GEに視線を向けた。
血塗れでナイフを持っているGEの姿。
まだ幼かった俺でも理解した。あぁ、死んだんだ、と。殺されたんだ、と。
心の底から尊敬していた人物を、拾ってくれた恩人に殺された。
ただ、悲しかった。裏切られたのかもしれない、でも、そんな事はどうでもよかった。その日から突然GEの口調がおかしくなった。
彼の言葉を真似したような喋り方で、服装で、声で、おかしくなってしまった。
「GEさん、、」
「どうしたんだい?Fくん」
気持ち悪い。素直にそう思った。ただ、GEも無理をしているのが分かった。
「GEさん、それやめて、、」
「,,,さん付けをやめてくれ。君にそう呼ばれる筋合いがない。後、今回の件はすまなかった。もう僕は君から離れるよ。」
あぁ。また、離れていっちゃった。
数年たって、だいぶ口調が荒れていた。彼の事も、GEのことも、忘れてはいなかった。
それは、ある日突然現れた。
「Fくん、、?」
急に袖を掴まれて、勢いよく顔を上げる。するとそこには、GEと思わしき人物が居た。
「え。」
「え、Fくんだよな?」
「,,,GE」
「あ、あぁ、、」
「何か用か?」
「いや、、すまない、急に話しかけてしまって。」
「,,,」
「see you」
「,,,see you」
その日から、何かよく分からないsee youという言葉を別れ際に使うようになった。いつの間にかそれは2人の時だけの合言葉のようなものになっていった。
彼は私の人生を否定してくれた。
彼は、真剣に私の話を聞いてくれた。
恩人だった。尊敬してた。
奴隷のボス?直々に奴隷スパイになれと言われた。
「奴隷スパイになれ!」
「はぁ、、」
「そして、最強となれ!!」
「,,,は?」
最強と言えばGEが当時付いていた地位だ。
「あ、今日から教えてくれるやつはここに居る。ここに行ってねー。」
「,,,」
圧とか、そんなものは全く感じられなくて、ただ陽気な人というイメージが強かった。
でも、違った。その頃の私にただ人の圧を感じることが出来ない。無知であっただけだった。
ここと言っていた場所に行くと、そこにいたのは、、GEだった。
「や、、やぁ、Fくん。」
「は??」
「あ〜、、まぁなんだ、、ちょっと教えるだけだから、そんな気にしないでくれ。」
「,,,彼のことはもういい。別に気にしてはいるが、GEに責任があるとも思えん。」
「,,,最低限で関わろう。」
「分かった、、GE」
「なんだい?」
「許す」
「,,,うん、ありがとう。」
「あぁ。」
2人とも背を向けて、
「「see you」」
離れていった。数ヶ月たったらもうそんなことは忘れているのか、よく喋るようになった。今も隠しているのは、無理しているのは、変わらないが。
私はお前がよくわからない。案外お前も、私を分からないものなのか。
そんなことは誰にも分からないか。
私の人生は、分からないことだらけだな、、
もうこんな人生、飽き飽きだ。
いつになったら、私の計画は成功するのだろうか。
うわぁぁぁ!!!!
F「今回名前が決まりましたー、ばいばーい」
<br/>「いやいやいやいやいや」
GE「名前はなんだい?」
<br/>「いや、GEさん??」
はい!!名前みんなで揃えて?!!変人三人衆!!
<br/>「誰が変態三人衆なんだよ!!!!」
F「変態だったか?」
GE「変人だったかと思うが、」
<br/>「んな事どっちでもいーんだよ!!!」
GE「いいか?」
F「良くはねぇだろ、、」
もうとりあえず言って?!!
GE、F、<br/>「,,,」
え???
<br/>「いやまぁ?」
GE「たまには?」
F「お前に?」
GE、F、<br/>「いいとこあげようと思って」
,,,マジ?!!君達っ!!!いい子じゃん!!!今までクソガキとか思っててごめんね?!!
F「いや、んな事思うなよ??」
<br/>「その通りだな、」
GE「早く名前言わないか??めんどいん、、早く帰りたいんだが、」
<br/>「あんま変わってねぇよ??」
GE「あぁ、、」
F「あぁ??」
名前はァァァァ!!!!いもでぃ!!
GE、F、<br/>「ん??????????」
GE「え?え?そんなダサい名前なのかい??嫌なんだが???」
F「帰っていいか?」
<br/>「よーし、病院行ってこい、おまえ。」
なんなん、ちょっととぼけただけじゃん、最低、すぐ揚げ足とって、酷い、許さない、一生呪う
F「段々ヒートアップしていってるな、、」
GE「こっわ、、」
<br/>「おれこいつと関わるの辞めよ。」
F「いや、ってか本当に名前は?そろそろ引き伸ばしすぎて怒られるぞ??作者が、」
GE「作者が怒られようが僕たちには変わらないからな。」
F「確かに」
<br/>「んで?名前なんなんだよ」
せーのっ!!!
GE、F、<br/>「」
いや言えよ!!!どこまで引き伸ばす気なんだよ!!作者!!
GE「とりあえず言うか、次にするか、」
F「作者あれなんだろうな、これ書いてる時にはまだ考えついてないんだろうな、」
<br/>「まあ空気読んで次回発表にしてやるか。」
んー、、まぁいっか、、