3.日曜日
長めです。
楽しんで読んでください。
彼に宣言した次の日、私は早速行動に移した。
「ねぇねぇ、連絡先交換しようよ」
スマホを自分の席でイヤホンをつけて音楽をきいている彼に私は声をかけた。
「……」
でも、まるで私がいないかのように無視をした。
「絶対きこえてるでしょ。ねぇ!」
すると、嫌そうにイヤホンを外してこっちをみた。
「なに」
「だぁーかぁーらぁー。連絡先交換しようよ!」
「いやだ」
即答。さすがに、傷つく。でもそんなことで私はめげたりしない!
私はまたイヤホンをつけて音楽を聴き始めた彼の耳から素早くイヤホンをとり、スマホを奪った。
「っ!おい!」
彼は私の突然の反撃に驚きながらも、私からスマホを奪おうとしてきた。
私はそんな彼から、逃げながら自分のスマホを取り出し、私の連絡先を彼のスマホにいれ、彼の連絡先を私のスマホにいれた。
「はい。どーぞ」
私は目的を果たしたので、スマホを彼に返した。
「消すからな」
「えぇー。やめてよ」
「知るか」
「消したら、また入れるから」
「……」
ふっ、諦めたか。私の勝ちだ。笑
「あっ」
「……なんだ」
私はニヤリと笑いながら彼に言った。
「今週日曜、10:00に駅前集合ね!」
「誰がいくか」
面倒くさそうな顔をした彼に私は拗ねながら言った。
「ふぅーん。そっか。でも私は君がくるまで、ずぅーーっと待つからね?雨が降っても、強風が吹いても、台風がきても」
「台風なんて、こんな時期にくるかよ」
彼がボソッと言った。
「ん?なにかな?」
私は、余計なことは言うなという顔で彼を見た。
すると、彼は諦めたようで
「…気が向いたらな」
「ん、待ってる」
「だから、気が向いたらって言ってるだろ」
そう言いながらも、君は優しいから絶対来てくれる。
「ふふっ。わかってるよ」
そう言って私は彼から離れ、花穂のもとへと向かった。
だけど、すぐに足を止めて振りかえる。
「忘れてた」
「なんだよ」
彼はまだなにかあるのかという顔で、私を見てきた。
そんな彼の顔に笑いながら、
「日曜日、楽しみにしてるね」
「っ。だから、」
彼がなにか言っているにも関わらず私は、また花穂のもとへと足を運んだ。
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そして、日曜日。
楽しみすぎて、待ち合わせより10分も早く着いてしまった私は居るわけないよなと思いながらも辺りを見回した。
すると、なにやら騒がしい場所があった。
まぁ暇だし行ってみるか、と思いその場所へと向かうと見慣れた姿を見つけた。
「ねぇ、一緒に遊ぼうよぉー」
「一人なんだから、いーでしょぉ」
「…いや、待ち合わせしてるんで」
「別に大丈夫よぉー」
「いや、それは…」
彼だ。しかもきれいなお姉様方に囲まれて逆ナンされている。
まぁ確かに顔はめっちゃイケメンだ。それに私服ということによっていつもよりも、かっこよくみえる。
だけど、今私がいったら修羅場になる予感しかしない。
ここは、他人のふりをして離れよう。
私がそーっと離れようとすると彼と目があってしまった。
「連れ来たんで帰ります」
そう彼はお姉様方に言った。
すると、お姉様方は私をキッと睨み付けてきた。
「ふぅーん。この子が」
もう、冷や汗だらだらだ。
「いや、人違いでは?」
「なに言ってんだ?お前が来いって言ったんだろ」
おぉーーいぃいぃい!こっちが、必死になって他人のふりをしてるのに!合わせろや!
「まぁ、いいや。いくぞ」
彼はわたしの腕を引いて歩き出してしまった。
急な展開に私もお姉様方にポカンとした、顔をした。
「えっ?あのお姉様方はいーの?」
「は?なにいってんだ。お前が言ったんだろ」
「まぁ、そうだけど」
それでも、なんだか納得できなかった。
後ろを見てみるとお姉様方はまだ固まったまま動けずにいた。
「そんなこと言ってると、帰るぞ」
それは、困る。楽しみにしていたのに。
そういえばと思いながら、彼に言った。
「今日、来てくれたね」
彼は目をそらしながら言った。
「…たまたま、暇だったからな」
「ふふっ。そっか」
ほら、やっぱり君は優しい。
「なんだよ」
「なんでもなぁーい」
「あっそ」
私は彼のとなりから前に出て、振り返って笑顔を向けた。
「よし!じゃあ行こっか」
今日は楽しくなりそうだ。
どうでしたか?
次回もなるべく早く投稿します!
楽しみにしていてください。