2.友達
今回はちょっと短めです。
「初めまして。小野 彩羽です。私と友達になってくれませんか?」
そう言うと、彼は目を見張って「えっ」と、声を漏らした。だけど、すぐにいつもの無愛想な顔に戻ってしまった。
「なんで、俺なんかと」
「私は君が、本当はとっても優しい人だって、知ってるから」
そう、知っている。あなたが、とっても優しい人だって。
3週間前のどしゃ降りの雨の日、私は委員会で帰るのが遅くなってしまって、急いで帰ろうと思っていると、どこからか猫の鳴き声がきこえてきた。
辺りを探してみると、高い木の上に猫がいて、どうやら降りられなくなってしまったようだった。
助けたいけれど、私では手が届かず、どうしようかと思っていると……彼がきた。
「怖くないから、おいで」
そう言って彼は、どしゃ降りの雨の中にも関わらず、傘と荷物を地面において、猫に向かって手を広げた。
猫は彼に向かって歩き、腕の中に飛び込んだ。
「よし。もう大丈夫だからな」
そう言って彼は猫の頭を優しく撫でた。
その時の彼の優しい横顔が忘れられず、私はその日から彼を目で追うようになっていた。
そして、思ったのだ。彼と友達になりたい!…と。
「だから、私と友達になってくれませんか?」
「無理。そんな猫の話覚えてないし。他をあたって」
スタスタと私を置いて歩き出してしまう彼。
私は負けてなるものかと、彼の行く道を先回りした。
「私は、あなたがいいの。お願い、私と友達になって!」
「しつこいな。無理だって言ってるだろ」
彼はそう言っていってしまった。
私はそんな彼の背中に向かって言う。
「なってくれるまで、言い続けるから!」
それが私と彼の初めての出会いだった。
どうでしたか?
これからどうなるのか気になりますね!
なるべく早く投稿できるよう頑張りますo(`^´*)