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第34話 駆け落ち

(異世界召喚から一年)


今は真夜中。

お店の一階の椅子にみんなで座っている。


グラディスお義父さんの前にロシエル副騎士団長。

二人はさっきまで飲んでたお酒の瓶がたくさん置かれたテーブルに、そのままふたりで座っている。


で、私はその隣の六人掛けテーブルにいて、私の隣にライアン。

ライアンの前にセレナ王妃。

セレナ王妃の隣にリッカさん。

だから、リッカさんの前は私。


さっきまで、みんなでおいおい泣いて、セレナ王妃が帰って来たことを喜んでいた。

そして、セレナ王妃が駆け落ちするっと爆弾発言をした。

とりあえず座って落ち着こうとロシエルさんが言って、お義母さんはお茶を入れにキッチンに行った。

今ココ。


ちなみにライアンと結婚した時にクロエお義母さんから、私はこの世界の琴梨のお母さんだからねって言ってもらったの。

だから、ライアンの祖母と祖父だけど私は二人をお義母さんお義父さんと呼んだりする。

まだ慣れなくて、クロエさん、グラディス団長って言っちゃうけどね……。


お義母さんが四角い木のトレイにお茶を持ってきて、みんなに配ってからセレナ王妃の隣に座った。

「それで、十一年もどうしてたの?」

クロエお義母さんがセレナ王妃に聞いた。


セレナ王妃はドラゴンで死にかけていた所をリッカさんに助けられて、ずっとリッカさんと居たらしい。

リッカさんはセレナ王妃を助けたけど、ドラゴンは倒さなかったと聞いて、ドラゴンが二人を追って行ったかもしれないと思っていたらしい。

傷を負ったライアンとグラディスお義父さんが無事に戻れ無かったんじゃないかと思ったら確認するのが怖くて帰って来れなかったと泣いた。

「それでね、今日あのドラゴンが倒されたって聞いて……それで帰ってきたの」

ん?誰から今日ドラゴンが倒されたと聞いたんだろう?

セレナ王妃はどうもすごく近くの街にいたらしい。

「そうか……。」

うんうんと頷きながら、グラディスお義父さんは未だ泣き続けてる。

「あのドラゴン、じいさんとロシエルと俺とあと聖女の四人で倒したんだ」

ライアンが自慢気に言った。

ロシエル副団長が苦笑した。

「聖女のさやかさんが一撃で倒したけどな」

「ロシエル副団長のシールドが無かったらあんな方法は使えなかった」

ライアンが笑った。

「それに、最後ドラゴンがブレス吐いた時はもう! あれは、死んだと思った!!」

ライアンは魔獣と戦う事が好きらしい。

戦いの話になるとすごく嬉しそうだ。

興奮して話してる内容は……死にかけた話なんだけどねっ!

死にかけたとか、私は聞いてないんだけどっ!

「そうそう! さすがにドラゴンブレスは避けるの難しいよね?! ロシエルのシールド!シールド無かったら私ももう三回くらい死んでるわ~! ロシエルのシールドすごいよね!?」

セレナ王妃も嬉しそうにライアンと盛り上がりはじめた……。

ロシエル副団長は耳まで真っ赤になって横を向いて言った。

「お前らはっ! 本当に親子でっ! どうしようもないな! ……本当にどうしようもないんだ!!」

本当にそうだよ……。

心配で私は『早く帰ってきて』『無事で帰ってきて』と、ライアンに何度もしつこく言ってしまったくらい心配したんだよ?

結婚したばっかりで、災害級ドラゴンの討伐とか死亡フラグかと思ったよ……。

そして本当にすごく早く帰ってきた。

あまりに早かったので、ドラゴンはそんなに街のすぐ近くに居たの?って聞いちゃったもん。

何日も討伐に掛かるかもと言ってたのに、その日の内に戻って来たのだ。


そのあとは、ライアンとロシエル副団長が今日のドラゴン討伐の詳しい話をしてくれた。


そして……。

ロシエル副団長が真顔に戻って聞いた。

「それでセレナ、駆け落ちってどういうことだ?」

「私、リッカと駆け落ちするから。もう会えなくなるからお別れを言いに来たの……」

何故か、セレナ王妃の隣に居るリッカさんがこの中で一番すっごいびっくりしてる。

「その男は知ってるのか?お前がこの国の王妃だって……」

「知ってる……よね?」

やっぱりびっくりしてるリッカさんに、セレナ王妃もびっくりしてる。

「冗談じゃなかったんだ……」

ええぇぇっ!?

確かにセレナ王妃に「私、この国の王妃なんだ~」って言われたら誰も信じないと思うけど!!

「おい! お前! セレナ連れて逃げたらガンダルン国王に追われるかもしれないんだぞ?!」

グラディスお義父さんが椅子から立ち上がってリッカさんに怒鳴りつけた。

「ガンダルン国王!」

リッカさんは叫んだ。

瞬間、リッカさんの頭上の矢印がぶわっと黒く染まった!

久しぶりにみた黒い矢印に私は動揺した。

「だから、リッカと二人で遠くに行くの!私は死んだ事になってるんでしょう?もう二度とここには戻って来ないからっ!」

セレナ王妃が言った。

リッカさんの矢印はすぐに水色になった。

このリッカさんって人信用して大丈夫なのかな?

そっとリッカさんの矢印を動かしてみた。

セレナ王妃を指し示す矢印は……まばゆいくらいにキラキラピンクだった。

わぉ!!

キラッキラッ!!

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