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第1話 異世界召喚

私は木村 琴梨(ことり)


春に近所の公立高校に入学したばかり。

この高校は家から近いという理由で選んだんだけど、入学してから後悔したことがある。


制服が今どきオーソドックスセーラー服でかつ白タイなのである。

身長145センチの私がこの制服を着ると、なんと!


近所の私立校の小学生に間違えられるの!!


デザインが似ているからといっても、どうして小学生と間違えられるの?!


そして、まさかそれが原因で異世界召還にまきこまれるなんて誰が思うだろうか――。


◇ ◇ ◇


それは、五月のある日のことだった。


学校からの帰宅途中、大通りの交差点で私は信号待ちをしていた。


そして突然、隣に居た女子高生にがしっと腕をつかまれたの。

ええぇっ?! 思った瞬間ぐにゃりと空間と自分が歪んで、気持ち悪さに膝と手をついた。

地震にしてはひどく長く揺れていた。

揺れて歪む視界の気持ち悪さに吐き気を覚える。

かなり気持ち悪い。

そして、自分を包む空気の変化に違和感をおぼえた。

顔を上げるとすでに、そこはもう大通りの交差点では無かった。

「ほぇ~」

自分の口から緊張感のないつぶやきがもれる。


結構な広さの室内。

天井はかなり高い。

椅子のない教会の様な場所。

周りを囲むように遠巻きに人が居る。

それも黒ではない髪色に、見馴れない服装の人、人、人。


「おお!勇者の召還に成功したぞ!!」

周りに立っていた変な格好の、――ゲームでいうと神官のような格好をしたおじさんが叫んだ。

勇者の召還って最近ラノベで流行りのあれだよね?! まさかのラノベ展開?!


そう思っていると、美形な男の子が現れた。


「『ステータスオープン』と言ってください」


周りにいる神官服の人とは服装が違う、見た目が正に王子! 

そんな感じの金髪の男の子がそう言いながら目の前にきた。


うっかり見とれてしまいそうな綺麗に整った顔。

金色の飾りのついたジャケットとズボン。

首もとと手首はゴージャスなタックが入った白いシャツが見えている。

そして爽やかな微笑み。

まさに物語にでてきそうなキラキラ王子だ。


そのグリーンの綺麗な目を見上げて私は呆然としていた。

『ステータスオープン』と言うように更にキラキラ王子(仮)は促してくる。


『ステータスオープン??』

隣の女子高生がつぶやくように発音した。

音もなく目の前に半透明な板がでた。

おぉ! これはゲームでよく見るステータスボードだ!


半透明な板にはズラズラと文字が書かれている。


名前 西園寺 さやか

年齢 15才


隣にいる家の近所にあるお嬢様学校の制服を着た女子高生はさやかちゃんという名前らしい。

同い年だ。


そして、HPやMPなどの数字がずらずらと並んでいる。

それも、ラスボス級の桁がおかしい数が並んでいるのだ。


すごいステータスだった。

もしこんな敵が居たら、勇者だって瞬殺されてしまう。


そして、

ラスボスステータスの最後に


称号:


異世界に召還された勇者

異世界に召還された聖女


と、書かれていた。

おぉ、これは本当に異世界召還らしいよ?


そして、ステータスボードを見た周りの神官服のおじさんたちが勇者だ! 聖女だ! 過去最高のステータスだ! と、ざわざわと騒ぐ。

その勢いにびっくりして、私は無意識に隣の女子高生さやかちゃんの制服の端をぎゅっとつかんだ。

さやかちゃんの右手は交差点で私の腕をつかんだそのまま、そして左手は私の背中にある。

私たちは床にすわりこんだような状態だ。


隣の女子高生はすごく綺麗な子だった。

カットしたばかりのようにビシッと端がきりそろっているロングの黒髪はサラサラで艶があり、肩をサラサラと流れ落ちる。

目は大きくて意志が強そうに凛としている。

形のいい厚めの唇に小さい顔。

バランス配置が完璧すぎて少し鋭利な印象を与えるくらいの美人だ。


カツカツと足音がして、今度は右側からすごく大きい人がこちらに近寄ってきた。

この人も神官服ではない。

スタンドカラーのスーツで長めのジャケット、金色の縁取り。

多分騎士の服だ。


その人は、周りの人より頭一つ分は背が高い。

体が大きいせいかとても威圧感がある。

私たちを見下ろすブルーの目は冷ややかで顔は無表情。

美形な青年ではあるのだか、左頬に大きくキズ跡があって人相が悪そうに見える。

ヤクザの若頭の様な雰囲気というのだろうか、有無を言わせない威圧感。

私は彼を頭のなかで悪役騎士(仮)と呼ぶことにした。

だってなんだかこわいんだもん。

私は思わずとっさに近くに居たさやかちゃんの制服をまたもぎゅっとつかんだ。

それに気がついたのか、安心させるように私の背中にあるさやかちゃんの手に力が入った。

さやかちゃん優しい!


で、今一つすご~く気になることがあるのだが……。

目の前の男の人、悪役騎士(仮)の頭の上に矢印が有る。

しかもピンクでキラキラしてるの!

何だろうあれは……。

周りを見回すとなぜか他の人の頭の上にも矢印が有って、恐いことに全部私を指し示してる!

他の人の矢印は黄色だ。

そんな中で目の前の悪役騎士(仮)の頭の上の矢印だけが、キラキラして激しく主張してるの!

この矢印は何?? 何でキラキラしてるの?


私が悪役騎士(仮)の頭の上の矢印に気をとられている間に、さっと悪役騎士(仮)が私をさやかちゃんの腕から奪いとるとそのまま抱上げられた。

ぎぃゃぁぁぁ。

「場所を移す」

悪役騎士(仮)が指示をだし、人が移動をはじめる。

さやかちゃんは金髪のキラキラ王子(仮)にエスコートされて横を歩いている。

そして、私は悪役騎士(仮)の腕の中で固まったままである。

抱っこされました!!


誰か助けて~。

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