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ヘボドラゴンと呼ばれても  作者: たつのオトシゴ
第一編 始まり
1/30

×××

久々の投稿になります。


この前に書いていたお話を書き終えた時に「……何か思ってたのと違う」となり、そのお話はファイルの奥へ放り込みました。それで新しく一から書いたのがこのお話です。


なんやかんや書いてきたお話はこれが七本目です。

既に投稿している『神さまと繋がった』は四本目、『その罪人に破滅の願いを込めて』は五本目です。


こんなお話が何の役に立つのか分かりませんが、暇潰しにでも使って下さい。


※タイトルは変更するかもしれません。

※誤字脱字は発見次第訂正します。

※投稿時点では連載していこうと考えています。新編が書けたら投稿するつもりです。


   ×××


(……熱い)

 体中の血が流れ出ていくのが分かる。

(もうすぐ僕は死ぬんだ……)

 自分で作った血だまりに仰向けで倒れている体をどうにか起こそうとする。

 だけど、全く力が入らない。それどころか体の感覚が無くなりつつある。

 ポッカリと空いた胸の穴から息が漏れ出て上手く声が出せない。

 ゴポリと音を立てて夥しい血が口から噴き出す。

「マスターッ!」

 自分を呼ぶ声が聴こえた。だけど、もう目は見えなかった。

「――――ッ! ――――ッ!」

 ついには耳も聴こえなくなった。

(さっきまで熱かったのに……何だか寒いな)

 ギュッと誰かが手を握ってきた。手を握ってきた小さな手はプルプルと震えている。

(……落ち着いて。僕のことは置いて早く逃げるんだ。手を離して逃げろ)

 彼の想いに反し、彼女は手を離そうとはしなかった。

 その手を振り払う力も無く、微かに残っている神経の感覚を伝って手の熱を感じる。

 彼女の小さな手は心地良い温かさだった。

 寒いはずなのに何だか温かかった。

 これから死ぬというのに不思議と怖くは無い。

 それもこれも全て彼女がいてくれるからだ。

 この気持ちだけは何としてでも伝えたくて残る力を振り絞る。

「…………あり……が、と」

 たった四文字の言葉を最後に彼は力尽き、死んだ。

 呼吸は止まり、体は岩のように冷たくなっていた。

 ピクリとも動かなくなった。


 そして彼は――ソーマという名の少年は死んだ。


 一人の物語が終わりを迎えた。

 劇的でもなければ、感動的な死でもない。只々、理不尽な死だけがそこにはあった。

 これはヘボドラゴンと呼ばれるモンスターの少女を連れた、落ちこぼれの少年義勇兵が理不尽な世界に抗い、そして死ぬまでの物語。


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