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第二百四十九話:第六回イベント・終幕

「──終わった、か」


「……あと一人、で、負けるとはな」


 SBO第六回イベント、七王VS一般プレイヤー連合軍。

 通常の仕様では再現不可能の戦いは、一万人を超えるプレイヤーたちの特攻を、七王たちが迎撃することによって幕を下ろした。

 当然のことながら、それはそれはとんでもなく凄い戦いだった、とてもとても白熱した戦いだった。


「お前らが最初から突貫してたら、俺たちの負けだっただろうな」


「あぁ、そうか……」


 七王たちは俺一人を残して全滅し、一般プレイヤーたちは今の通り一人残らず殲滅された。

 数の差こそ歴然だったが、俺たちはそれまでに手に入れていたアイテム、眷属の雫によって仲間のプレイヤーを次々に召喚していた。

 そのおかげで数の差を僅かばかりでも埋めることが叶い、一騎当千の猛者たちによる出し惜しみなしの戦いが繰り広げられた。

 故に、こうしてギリギリでも七王の勝利へと繋がったわけだが……やはり、同じレベル帯の相手がこうも束になると流石にキツかった。

 俺も命のストックは尽きたし、他の七王だってさっき述べた通り全滅してしまったのだから。


「でも、ま……今回も勝てて良かった良かった」


 最後の一人のアバターがポリゴン片となって砕け散るその瞬間を見届けながら、俺はそう呟き──その場に倒れた。

 ……非常に疲れた、ダメージ覚悟でひたすらに突っ込んでスキルをぶっ放しまくるだけだったとは言えども、疲れた。

 きっとこのイベントに参加したプレイヤー、皆揃って疲れたと思うが……最後まで残っていた俺が、一番疲れているだろう。


「でも、ま……いつまでもここ残ってられないよな」


 イベント特設フィールドな以上、イベントが終了すれば俺はイベント開始前にいた場所に飛ばされる。

 ……王の騎士団領土、領主城の会議室……そこに飛ばされるだろうから、寝っ転がったまんまでもいられないだろう。

 と、体は起こして座るだけにしてから、転移を待つ。


「……お」


 視界の端っこにカウントダウンが表示され、それと同時にメッセージウィンドウが開かれる。

 書いてあったのは第六回イベント勝利に対する賛辞、及び報酬アイテムが送られたこと……と。


『勝利した七王の皆様方には、特別なボス戦へと参加できる権利が与えられます』


「……特別なボス?」


 なんじゃそりゃ──と思っていたところで、カウントダウンはゼロとなり、俺は淡い光に包まれたのだった。

 ……一体全体、この先何が俺を待ち受けているっていうんだ。






「ふ、ふ……待っているわ、ブレイブ・ワン……あなたのその心意が、解放される時を……」


 俺を見つめて笑う影がいることなど、この時の俺はまだ知る由もなかった。

 ……このゲームは、この世界は、ただ遊ぶためだけの物じゃあない、だなんて。

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