父親
あれから何も変わらない日常が過ぎていった。
一人で買い物に出ていけば近所の子供にからかわれるし、グエン型の装備も変わらず発現はできていない。
そんな時、父さんが今日は早く帰ってきて僕の目の前でこう話し始めたんだ。
「ゼル!訓練しに行こう!」
「え?父さんいきなりどうしたの?」
父さんは僕と同じ視線になるようにしゃがんでくれて、耳元で話し始めた。
「ゼル、近所の子供からかわれてるだろ?」
「!?」
「バレてないとでも思ったか?」
「うん…。」
だって、父さんは役所に勤めているし、忙しいだろうから気づいてないと思ってた。
「まぁ話したくない事もあるのはわかる。だけどな、このまま何もせずに話してくれるのを待つのも
父さんには我慢ができなくてな。」
「父さん…。ありがとう。それと、黙っててごめんなさい。」
「いいんだ!正直、誤魔化されたらどうしようかと思ったぞ!」
「ビックリしたけどね。でも訓練て何するの?」
「あれから何も変わらない日常が過ぎていった。
一人で買い物に出ていけば近所の子供にからかわれるし、グエン型の装備も変わらず発現はできていない。
「ゼル!訓練しに行こう!」
「え?父さんいきなりどうしたの?」
父さんは僕と同じ視線になるようにしゃがんでくれて、耳元で話し始めた。
「ゼル、近所の子供からかわれてるだろ?」
「!?」
「バレてないとでも思ったか?」
「うん…。」
だって、父さんは役所に勤めているし、忙しいだろうから気づいてないと思ってた。
「まぁ話したくない事もあるのはわかる。だけどな、このまま何もせずに話してくれるのを待つのも
父さんには我慢ができなくてな。」
「父さん…。ありがとう。それと、黙っててごめんなさい。」
「いいんだ!正直、誤魔化されたらどうしようかと思ったぞ!」
「ビックリしたけどね。でも訓練て何するの?」
近所の森に向かって歩きながら父さんに聞いてみる。
「まずは体力と自信をつけんといかん!つまりは走り込みだ!これから毎日この森を20周だ!」
「父さんちょっと待って!この森周囲1キロもあるんだよ!?20周って20キロもあるよ…。」
「正直村の大人でも難しいだろうな。」
「だったら僕には無理じゃない!?」
「だからこそだ!大人でも難しいのに、10歳の子供のおまえが出来てみろ。体力は大人より優れていることになる。」
「うん、そうなるね。」
「だろ?やり続ける事は精神的にも鍛えることになる、すると自分はこれだけは誰にも負けない!とういう自信が沸くんだ。」
「やり続けること…。」
「おまえなら出来る。父さんは誰よりもおまえを信じてる。」
優しい顔で見つめる父さんの目に不安な顔をしている僕が映っている。
そうだ、この間思ったばかりじゃないか。
僕はずっとこのままなのか?って。
でも…。
「僕、できるかな?」
「ああ!おまえなら絶対にできるさ!」
「僕いつも近所の子たちに何も言い返せなくて、友達も出来ないし、本当はいつも悔しくて…。」
「ああ。」
「僕も出来るようになったら変われるかな?」
「出来るさ、俺とエレナの子供だ!」
父さんの目には僕が映ってる。
でもそこにはさっきまでの僕とは少し違う目を僕が映っていたんだ。
説明は出来ないけど、確かに少し違っていたんだ。
「僕、やってみる。やって自分のこともっと好きになりたい!!友達だって欲しい!」
「よし!じゃあ明日からさっそく始めよう!頑張るぞー!!」
「おー!」
「はは!そうと決まったら家に帰ろう!母さんが心配するからな!」
「うん!」
僕たちは手を繋いで森を後にした。
雲の間から日が差して、ちょうど目の前の道を照らしてくれてる。
とても綺麗で、お日様にも応援されてる気持ちになったんだ。
温かい目で読んでいただければと思います!
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