誕生
ここはフィール国。
田舎にある、平和の村から一人の青年がでてきた。
「雲一つない空、どこまでも続く草原、気持ちのいい風。そう!俺は冒険者になったー!!!」
~19年前~
オギャー!オギャー!オギャー!
「元気のいい男の子が生まれましたよ!」
産婆の助手からの報告を受け、村が大いに沸いた。
「村長!やったな!男の子だってよ!」
「おめでとう!」
「男の子か!」
「ああ、みんなありがとう!」
村人と村長が村の中央広場で興奮して話している。
そこへ杖をついた産婆が現れる。
「さて、この子のお父さんはどちらに?」
「はい、俺ですが」
「ちょっと話しておかないといけなくてね」
「まさか!妻に何かあったんですか!」
「いや、奥さんは元気だよ。話は生まれた子供の方さ」
「子供!?先生!俺の子供がどうかしたんですか!!」
「慌てるんじゃないよ!とにかく続きは家の中でしようじゃないか」
「わかりました。みんな!今日はありがとう!」
「おう!何かあれば言えよ!」
村長と村人はそれぞれの家に帰宅する。
「奥さん。旦那を連れてきたよ。」
「はい、先生ありがとうございます。」
家には先ほどの産婆と奥さん、そして生まれた子供がいた。
「それで、先生。俺たちの子供が何か?」
「…先ずは子供を見ておくれ。」
「…!先生!これは…!」
「そうさね、この子はグエン持ちさ…」
「グエン…。この子が…。先生、私たちは…」
「俺の子がグエン持ち…」
村長夫妻は唖然として子供を見つめている。
「やったぞ!!エレナ!やった!!」
「あなた!私たちの子は将来歴史に名前を刻む子になりそうね!!」
「あぁ!すごいことだぞ!!」
「呆れた夫婦だねぇ…。もっと恐々とするかと思ったけど」
「そんなことは関係ないさ!俺たちの子供だ!」
「あなた!この子の名前すぐに決めましょう!」
「そうだな!この子の名前か…。」
「ぜる…。ゼルはどうかしら!?」
「ゼルか!いい名前だ!!ゼルに決定だ!」
「ふふ、あなたの名前はゼルよ。」
夫婦の幸せな笑顔と共に抱かれる子供もはスヤスヤと眠るのだった。
温かい目で読んでいただければと思います!
「おもしろい」や「続きはよ」などのコメントがあると作者のやる気に繋がります(笑)