表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

百合のカケラ

トラロープ

作者: なな

言うまでもなく、フィクションです。

たしかに、あの子のamazonのwish listにはトラロープが入っていた。先日あの子の誕生日に、あの子はTwitterにwish listのURLを貼ってたので、私はもちろん何かを送ろうとした。その時に、それがあるのを見つけていた。

もちろん私はそれをあの子がどんな気持ちの時に追加したのかだいたい想像はついたし、あの子がどんな風に使おうとしてたのかもだいたい想像はついてた。

だけど、まぁ、なんというか……本当に使っちゃうとまでは思ってなかったのだ。しかもこんなすぐに。


「最近あの子のツイートが無いな」

ツイートがあると、スマートフォンに通知が来るように設定してて、それ以外ではTwitterのアプリからは通知が来ないようにしてあるんだけど、思い返せばしばらく鳴ってない。寝る前にベットでぼんやりしてる時にふと気付いた。

あの子のツイートを見に行くけど、3日ぐらい前からつぶやいてない。その時点で結構珍しい。無くはないけど、年1、2回ぐらい? って感じ。

特に変わったツイートは無かったから、「生きてる?」ってリプライしてその日は寝た。

でも、次の日の昼にも返事はなく、もう一回「おーい」ってリプライするけど、夜になっても返事がない。普段、起きてる時だったら数分で「なんでしょう?」とか帰ってくるんだけど。


流石におかしいなー と思って、次の日、リアル凸。一回だけ家行ったことはあって、「だいぶごちゃごちゃした部屋だな〜」と思った記憶だけがある。人の事言える部屋じゃないけど。

で、部屋の前に着いたらドアノブにトラロープ。「いやまさか……」という気持ちと、「ついにやったか……?」という気持ちだったけど、少なくとも行動の上ではすごく落ち着いて110番した。


すぐに警察から連絡受けた大家さんが飛んできて(横の家に住んでた)、私の前で扉を開けた。

そしたら、まぁ予想通り。明らかに冷たくなってて、今さっきの出来事という感じではなかったね。

誰も気づかなかったのか! という感じだけど、角部屋でしかもちょっと入口が陰という感じで、この家に用事がある人じゃないと確かに気づかないかも という感じはよく見たらあった。

しばらくして、警察と救急車とが来て、怪しまれたのか私も色々話聞かれたけど、自分が送ったロープという事は伏せて全部喋った……と思う。流石に混乱しててちょっとよく覚えてないけど……。でも今考えると、配送履歴とかから、私が送った ってことはわかりそうだね。


「これ私のせいかなー」って考えてたんだけど、そんな時あの子から「背中押してくれてありがと。先に行ってるね。(Tweetdeckから予約投稿してました。びっくりした?)」ってリプライが来て、死ぬほどびっくりした。

完全に掌の上じゃん。死んでなおか! となってしまった。


で、ここからがある種本題なんだけど、私の家にもあるんだよね。トラロープ。

もちろんあの子が使ったのとは違うやつ。あっちは警察が持っていったからね。

私も調子が最悪だった時(もう半年以上前かな)、amazonで注文したんだけど、よく見ずに注文したら到着まで3週間かかって、その間にちょっと回復してそのまま……という感じで玄関に箱のまま置いてあったやつ。

いざとなればいつでもこれを使える っていうある種のお守りになってたんだけど、"使い所"がやっとやってきた という感じだね。


「先に行ってるね」ってあの子が書いたの(しかもこのタイミングで)、ズルいなぁ という感じはするけど、私が送ったのも同じぐらいズルいか という感じはするし、お互いさまかな。さっきの私のトラロープの話も、あの子にはしたし、もう完全に読まれてて掌の上だよね。

あの子の誕生日に送った時点でこうなるのは少し予想してたし(期待してたし?)、賭けに勝ったという感じかな。それともこれは負けたっていうのかな。

まぁでも、あの子がこのルートを取ってくれた ってのは、完全に"通じ合ってる"という感じだし、それに勝るものってある? いや、無いね(反語)。

うちの家の玄関はそこまで陰というわけじゃないけど、この時間なら1時間見つからないぐらいなら行けそうでしょう。


というわけでこれはここまで。待たせてるしはやく行かないとね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ