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二話 塔からの解放(二)
クロードは慎重に腰に差した剣に利き手を置きながら階下に向かった。ユリシアもクロードにくっつきながら降りた。
そんな二人を見てルイは不思議に思った。ルイ自身何が不思議なのかわからなかった。だが、今はそれを考える時じゃないと思い、一度頭を降って考えを振り払った。
そうしていると人の気配がさらに近づいてきた。
「こっちに来てるな」
「クロード」
「大丈夫だ、必ず守る」
「うん」
まだ階段の中腹にも来ていない。逃げ場のない階段だ、こんな所で戦闘になれば危険がかなり高い。吹き抜けの階段だ、落ちる危険もあるがここから落ちたら一堪りもない。クロードはユリシアにそんなものを見せたくないのだ。