財力も実力の一つ 巻之壱 とある姫君の注文
辺境の地にて、大自然の中に宿屋兼食堂がある。
ハイエルフが営む、館には「宿館兼食堂 緑風」の暖簾が掛けられている。
此処でしか食せぬ味に求めて、今日も訪れる者達がいる。
第二話 財力も実力の一つ
巻の一 とある姫君のご注文 乙女の切り札
辺境の地にあり、閑古鳥が鳴いている日々が多い食堂「緑風」。
今日の天気は、風が唸り、雷光と雷鳴が轟き、大雨が降る、大荒れの中を、
一人のお客が訪れていた。
相手は、するとした長身の女性であり、黄金の髪を腰辺りまで伸ばし、肌は
瑞々しく、肌しみ一つ見当たらない。
着る服は豪華な紅いドレスに、体はふくよかで、贅肉など見当たらない。
この女性は、「緑風」から南へ、馬の足で丸五日走る距離にある、海と川に囲ま
れた国「アアクアリウム]、通称「水の国」の姫君である。
現在、かなりのご立腹の様で、姫君とは思えぬ姿勢で、一心不乱に食事中である。
一枚五kgと豪快な牛肉を調理した、「サーロインステーキ」を現在三皿目を
食事中であり、「緑風」でしか扱わぬ、アルコール度96の酒、銘柄「スピリタ
ス」を既に三杯飲み終えている。
食べ終えると、少しだけ溜飲を落ちた様にファルへと話かける。
「ふぅ、少しだけ憂鬱な気分が晴れました。あ、ファル様追加をお願いします。」
追加中を受けた事にファルは、カウンター内で愛読している作者の最新刊を読
書している手を止め、呆れながらも、料理を調理し始める。
「どうもやけ食いをしている様に思えるのだが、カロリーの高い料理を四皿も食
し、明日を迎えると確実に太るし、体調も崩さないか心配になるが。ほれ、四皿
目調理終わったぞ。
これで、最後にしてはどうじゃ?」
目の前に料理を置かれると、又一心不乱に食べ始める。
「体調を心配しての、お心遣いとても感謝致します。私は、王位継承者の対象で
はありませんが、姫としての妻として娶り王族の家系に入れば、将来に己の一族
から、王位を継承できる可能性ができますし、
婚姻以外にも繋がりを得れば、十分な利益を得る為の力となります。
そのために、数多くの縁談の申し込みがございまして、縁談者の殿方との逢瀬で
辟易としております。
その上、膨大な量の公務を処理していては、ストレス溜まるばかりです。」
話しながらも既に、四品目を食べ終え、直ぐにステーキの五皿目と四杯目の
ビールを注文する。
相当ストレスを我慢していたのか、一度話し始めると、急流な川の流れの様
に、話し続ける。
「時間を取れても、外出や遊戯をする猶予などござません。
なれば、短時間でストレスを発散する為に、暴飲暴食を致しております。
可能なれば、足を運べる時間を増やしたいのです。
本日僅かですが休息の時間を作り、足を運ぶ事ができました。それでも、以前
に訪れてから、かれこれ半年。この時をどれほど待ち望んだことでしょう。普段
の身分を忘れ肩の力を抜く事ができ、素の私で過ごせますので、非常に喜ばしい
事です。」
食べ終わり、姫君の振舞いとは思えない、腕を大きく上に伸ばし疲れを取る仕
種を行う。
ファルは、カウンター内で愛読している作者の最新刊を読みつつその様子に呆れる。
「やれやれ、相当飲み食いしたが、ストレスは解消できたか?」
微笑みながらアリシアは頷く。
「やっと、落ち着きました。では、最後に何時もの食用霊薬酒をお願いします。」
アリシアの注文を受けて、調理場の奥から、一缶を持ってくる。
「毎度の事じゃが、念の為確認しておく。この一缶で、中級貴族の館が購入でき
る程の価格じゃが、払えるのか?」
ファル自身、お金に執着はないが、来客する頻度数上では、お得意様と言える
関係でも、次回の来訪が不明な以上、お金だけはしっかりと払わせさせる。
その言葉に、金貨が大量に入った袋を、カウンターの上に置く。
「もちろんです。その一缶の為に、私自身で事業を起こし、貿易を等で稼いでお
ります。その収入で十分お支払いできます。」
確認が取れると、缶を渡す。
「ふふふ、これを飲めば、明日からまた戦えます。」
姫の手に持つは缶の名を、食用エリクサー缶ビールという。
飲酒を終えて、一息つくとやっと全てから解放された様に微笑む。
時計の針を確認すると、余り時間がない事が分かり、表情に翳りが見られる。
「ファル様、御馳走様でした。そろそろ、自由な時間も終わります、また来ま
す。」
カウンター席より立ち上がり、店の出入り口へと向かう。
お金を確認しながら、ファル答える
「うむ、お粗末様でした。飲酒しておるから、気をつけて帰るように。それで
はまたの。」
ファルの言葉を背に、活力を得た姫君は、意気揚々と帰っていく。
今日はこれにて、店じまい。
本日のメニュー
料理名 乙女の切り札
肉食べ放題 + 酒飲み放題 + ※霊薬酒(食用エリクサー缶ビール)
どれだけ暴飲暴食をしても、太らず、心身共に、健康的で理想な状態へ回復する
※霊薬酒食用
エリクサーの効能を厳選し、飲み易いビール味にした霊薬酒。
連載を書く事を決め、二話目を投稿できた。
嬉しい。
感想をお書き頂ければと思います。




