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変化

最近気が付くとあの人を目で追ってしまう

マネージャーの仕事をしてるときもお弁当を食べるときや体育や理科の実験をしてるときなど、とにかく目で追ってしまう


あの人は後ろの席だから授業中は目で追えないけど、気が付くとあの人を見てる


そう、あの人というのは

相良 裕くんのこと



キュッ、キュッ・・・ボスッ

バスケ部が練習する体育館には今日もシューズの音、ドリブルやシュート、タイマーの音や部員達の掛け声が荒れ狂っている


私はスポーツドリンクを作るために見ず飲み場へ荷物が沢山入ったかごを持って行った

ポ○リの粉を測って水を入れ、振って粉を溶かす

容器にストロー付きの蓋をしてかごにつめる

体育館までの距離は長くない

けど、水の入った容器は1つずつならまだ軽いが、かごにつめるととにかく重い

かごを抱えながら重さでふらふら歩いているとかごが手から消えた「???・・・!」

足に落としたと一瞬思った

けど違う

誰かが重いかごを私から奪ったんだ

振り向くと、そこにはかごを軽そうに持っている涼が立っていた

「手伝うよ?」

ニカッと笑う涼を無視して体育館に戻った

今さらドキッともしない見慣れた笑顔

涼はかごを持ってついてきた


タイマーの隣にかごを置かせて涼を体育館から追い出し、私は洗濯室に向かった

さっき放り込んだ洗濯物がそろそろ出来上がる頃だったから



洗濯室に入ると真っ白なタオルが軟らかく洗剤の香りをさせながら出来上がっていた。

1枚1枚丁寧に畳んでかごに入れる

ボロボロのタオルがないか確認しながら


今日はタオルとして使えなくなってしまったものが2枚もあった。

バスケ部更衣室から新しいタオルを出し、使えなくなったタオルを縫って雑巾にしようと決めた


雑巾を縫う前に、休憩に入った部員にドリンクとタオルを配る

この時間に他愛のない話をするのがわりと好き

気になるあの人にドリンクとタオル渡す瞬間はもっと好きだけど

軽く会話をしているうちに休憩は終わってしまった

いつもちょっとさみしい

でも、まだやることは沢山ある

ミニゲームを観察、録画して個人の能力を伸ばしたり、メニューを少し変えたり、雑巾を縫ったりする。

勿論全て手作業

そんな感じで毎日が終わる



「ありがとうございました!!」

部員全員で礼をし各々が帰る準備を始めた頃

「さやちゃん、片付け終わったらちょっと来てくれるかな?」

と長宮先輩に呼ばれた

なんだろう?

気になったけど片付けを優先しなければならない

得点ボードやタイマーを倉庫に片付け、スポーツドリンクの容器とタオルを綺麗に洗う

片付け終えて長宮先輩のところに行くと監督と顧問の池田先生も居る


このメンバーが揃うなんてなんだか貴重な場面だと少し思ってしまった。


「今年の合宿どこでやるか決まらないんだが、何か案あるかい?」

監督が眉間にシワを寄せて言葉を発した

「えっ、毎年使っている所じゃダメなんですか?」

驚いた表情で先輩が返す


顧問池田先生曰く

毎年使っている施設は耐久工事の為営業停止

さらに、その施設の近くにあった体育館はあまり使われない為取り壊しが決定している


八方塞がり


「あの・・・兄さんに相談してからでもいいですか?」

思わず発言してしまった

「あぁ、そうだね

満月くんの意見を聞いてみたいね

ねぇ、池田先生」

同意を求めるように監督は池田先生を見た

「そうだね、彼ならどうにか出来るかも知れないね

頼んだよ、さやさん」

頼まれてしまった・・・

でも、兄さんならなんとか出来る気がした。

その後も決まっていない事項を決めるために学校に残った



帰宅後兄さんに合宿所について相談してみた、すると取り敢えず2日待てと言われた



2日のうちに兄さんが監督、顧問、長宮先輩を納得させることが出来たのは別の話


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