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告白

「永谷さん、好きです」


ここは学校の屋上

俺ことバスケ部員の相良 裕は同じクラスの前の席にしてバスケ部マネージャーの永谷 さやさんに告白している真っ最中である。


俯いた永谷さんの表情は短めの髪に隠れて良く見えない

「そうでs「さぁーやぁーー」

・・・何故だろう満月先輩の声が聞こえる

幻聴であってほしい


けど、これは間違いなく満月先輩の声だ。

そう思っている間にも先輩の声は校内に響く

「my sweet girl さや!

どこにいるんだい?」

先輩の声で彼女の声が聞こえない

相変わらず、永谷さんの表情はわからない


というか先輩の声が段々近付いてきている気がする・・・


バァーン!!!


扉の蝶番が吹っ飛ぶんじゃないかと思うくらい乱暴かつ荒々しく屋上の扉が開いた

「さや、こんなところで何してるんだい?」

妹に歩み寄る兄

永谷さんは黙っている

「・・・まさか、後輩くんに告白されていたのかい?」

俺をみる先輩の目は怒りに満ちていた。


・・・と言うか名前忘れたんですね先輩

そんな下らない事を考えていた時、後ろから羽交い締めにされた

「満月兄さん、そのまさかだよ」

羽交い締めにした張本人は声でわかった


水上 涼だ

コイツ本当に邪魔するな


永谷兄は捕まった俺から軽く距離を取ると

「お兄ちゃんは認めませーん!!!」

と叫びながら俺の頭に拳を降り下ろした


ゴツン・・・


「いてぇ・・・」

目に太陽の光が刺さる

ん?太陽の光??

よく見るとだいぶ散らかった自室だった

しかも、上半身がベッドから落ちて下半身だけベッドに乗ってるし


どうやら先輩に殴られたと思った衝撃は頭から落ちた時のものだったらしい


休日の朝から嫌な夢を見るものだ

結局返事は聞けず終いだったし

そんなことを思いながら起き上がり、ジャージに着替えいつもより少し遅い朝食をとりにいった。



「裕、凄い音したけど大丈夫?」キッチンに行くとマグカップを片手にした母さんに声をかけられた

「うーん、たぶん大丈夫」

そういや今日午後から部活あったなと呟きながら冷蔵庫から煮物やらサラダやらを出した。

「いただきます」

新聞を片手にそう言えば永谷さんから貰った玉子焼き旨かったなぁと思いつつ食べた


余談だが、俺は煮物とか漬物などの和食が好きだったりする


「御馳走様でした」


使った食器をシンクに置き

食器だなから湯飲みをだしてコーヒーメーカーからコーヒーを注ぐ

湯飲みを持ってリビングに行くと父さんが待ってましたと言わんばかりに将棋の勝負を仕掛けてくる。


「裕、学校は楽しいか?」


パチ


と乾いた音をさせながら父さんが駒を置く

「うーん、うん」

悩む、中々難しい局面で返事が雑になる


パチ


取られるのを覚悟で駒を動かした

「気になる子が居るならさっさと手打たないとこうなるぞ」

ニヤリと笑って駒を奪う父


今朝の夢の事あるから軽く腹立つな・・・

苛立った気持ちを鎮めるようにコーヒーを軽く口に含む


パチ


腹いせに父さんの駒を奪った

「図星か?」

ニヤニヤと笑っている表情と図星を指されたことに苛つく


わかってるんだよ、あの人はある意味凄く防御が堅くて中々近付けない

だから簡単に奪えないって事は

そして、動くに動けないのも事実だ


「王手」


負けた

ああ、悔しい

今日は将棋に集中出来なかったから

そんな心の穴を父さんに突かれたのがさらに悔しさを倍増させた


バスケも恋も将棋も負けたくない

切実に思った


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