昼休み
「さーやー、一緒にお昼食べよー」
昼休みの鐘が鳴ると、涼が満面の笑みをしたやって来た
私は弁当の入った小さな手提げを片手に
「ごめん、私は高宮先輩達と食べるから」
涼は気付いていない。
私に憧憬と嫉妬の眼差しを向けるクラスの女子達に・・・
女子ってオソロシイ
「だから、ほかの女子と食べたら?」
そう言うとすごく残念そうな顔をして頷いた。
「さやと食べたかったのにな・・・」
ぼやく涼を無視して私は先輩達と昼食を取るべく屋上へ向かった
「やぁ、さやちゃん」
高宮先輩達はもう集まっていた。
高宮先輩の隣に座りつつ
「遅れてしまってすみません」
高宮先輩の隣の藤木 秀司を見ると惣菜パンを食べていた
「あれ、藤木先輩パンですか?
育ち盛りの体に悪いですよ?」
藤木先輩は照れたように頬を掻きながら
「早弁しちゃったんだ」
と笑いながら言った。
すかさず高宮主将は
「食べ過ぎはだめだぞ?」
と突っ込む
先輩方は話を初めてしまったので私は聞き流しながら昼食を食べはじめた
「永谷さんの玉子焼き美味しそうだね」
向かいに座っていた相良くんが食べ終わったらしい弁当箱を片付けながら話し掛けてきた。
「え、そう?食べる?」
弁当を差し出すと相良くんは少し赤くなりながら
「え・・・えっ!?いいの?」
「いいよー、慣れてるし」
相良くんは玉子焼きを摘まむと口にいれた。
もぐもぐと食べる表情は嬉しそうで幸せそうだった
表情がちょっと涼に似てる
涼は断り無く玉子焼き取っていくけど・・・
「うまい」
染々と呟いたところを見ると気に入って貰えたようですね。
嬉しいです。
思わず頬が緩んじゃいます。
相良くんは益々赤くなってリンゴかトマトみたい
いつの間にかこっちを見ていた先輩方はにこにことニヤニヤの中間の笑いを浮かべながら
「青春だねぇ」
と呟いた
どの辺が青春なんだろう?
聞こうと思った時、昼休みの終わりを告げる鐘が鳴った。
後で聞けば良っかと思い、相良くんと会話しながら教室に帰った。
教室に帰ると女子に囲まれてにこにこ笑っている涼が居た
幼馴染みを無視して席につくと寝るために伏せた
授業なんかなきゃ先輩や相良くんとずっと話してられるのに・・・
なんて思いながら
眠りに少しずつ溶けて行った