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カラオケ

「章ー、カラオケ行かね?」

始まりは伊江先輩の一言だった。

「カラオケ?だな、たまに行くか」

「なら、レギュラー誘って行かね?」

高宮先輩の肩に手を乗せながら藤木先輩が話に入ってくる。



なんやかんやで揃ったのが、伊江先輩、高宮先輩、藤木先輩、俺(相良裕)、真、さやだった。

「ガンガンいれてけー」

何も入っていないカップを片手に高宮先輩が行った。

ドリンクを取りに行くらしい

「入れました」

さやが入れた曲はボカロの千本桜

流れるように歌っている姿に見惚れ、歌に聞き惚れていた

自分が曲入れるのも忘れて惚けたように立って歌うさやだけを見ていた。

後ろから肩を掴まれた。

ニヤケ顔の真だった。俺の耳に口を近付けて

「お熱いねぇ・・・」

コイツ見てやがった・・・

後で覚えてろよ

どうやって真を絞めるかと言う物騒な考えを頭の隅に追いやり、曲を探す。

シドも良いけど、TMも良いな・・・小さく呟くと

「シド歌うの?」

隣から控え目な声量の聞き慣れた声が耳に届く

「さやはシド好きなのか?」

歌っている伊江先輩の邪魔にならないようにこっそり聞く

「うん、裕くんが歌ってるの聞きたいな?」

本人は自覚がないだろうが、可愛く言われると歌わない訳にはいかない

乱舞のメロディを入れ、マイクを手に取る。

座って歌うと、力が入らない

分かりきっていることだが、いちいち立って歌うのも何となくめんどくさい

座ったまま最後まで歌う

あまり手応えがない

それでも、さやは嬉しそうに聞いていた。

「裕くんうまいね」

藤木先輩の音痴なSKE48を聞き流しながら

口にコーヒーを含む

酸味の少ない苦味とコクを持つ液体が喉を下る

「そう?」

カップを机に戻しながらさやに返事を返す。

恥ずかしくてさやのほうがうまいなんて言えない

特に先輩や真の前では・・・

絶対に冷やかされる


「秀司!お前音痴過ぎんだろ!!」

『ひどいな〜章

これが俺の全力だZE!!!』

「じゃあ、頼むから全力で歌うな・・・」

余りの音痴に痺れを切らしたらしい高宮先輩の怒声

顔をさやと見合わせて笑う

「ふふふっ・・・」

「あはははっ・・・」

『青少年!笑うなぁー

俺の歌を聞けぇーー!!!!!』

未だマイクを手にしている藤木先輩

某アイドルの真似をマイク越しにぶちかまし、伊江先輩、高宮先輩から羽交い締め、マイク没収、くすぐりの刑に処された。

こんなときでも普通に歌う真すごいと思うのだが・・・

がちゃがちゃがやがや騒ぐ

部活でたまった憂さが晴れ、親睦が深まった気がする


ちょんちょんとさやに腕をつつかれ、スマホの画面を見せられる

『また一緒に来れたら来ようね?』

思わず破顔してしまった。

こっちの仲も深まったらしい。


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