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蒸し暑い
「お疲れさまでしたー」
体育館に弾けた号令、今日の練習もキツかった。
蒸し暑い体育館の中を走り回る為、来たときよりプラス5度は室内の気温が上がっている気がする。
男子更衣室に入り、自分のロッカーを開く。
タオルを手に取り汗で水を被ったように濡れている髪を乱暴にふき、同じく濡れて体にぴったりと張り付いているユニフォームを脱ぐ。
無香料の制汗シートでべとつく体をふく。
こう言うときシャワールームがあればいいのにと思う。
Tシャツを着て身支度を整える
「お疲れさまでしたー」
まだ室内に居る先輩達に声をかけ、ドアをくぐる。
拭いて収まった筈の汗が体育館に入った途端吹き出してきた。
「暑い…」
思わず口から零れた愚痴とも取れる一言。
暑いに決まってる、今は夏真っ盛りなのだから
「ほんとにね」
涼やかな声が鼓膜を震わせる。
誰かって?
一人しか居ない
「さや」
振り返りながら読んだ名前は昨日付き合い始めた少女のもの
「一緒に帰ろ」
ニコニコ笑いながら隣を歩くさやは楽しげだった。




